COCCOLITH EARTH WATCH REPORT

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詳報:パンデミックは収束するのか - 世界の専門家が大激論 後半 -

2020-05-29 18:15:14 | Weblog

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はじめに
4月11日のNHK ETV特集で放送された「緊急対談 パンデミックが変える世界~海外知性が語る展望~」の放送以来、同月25日(土)の「ユヴァル・ノア・ハラリ氏が語ったパンデミックで変わる世界」や、同月30日のGlobal Agenda 緊急討論「どう立ち向かう 感染爆発Xロックダウン」、などの国際討論番組の放送がありました。これらはいずれも音声は迫力のある原語で、発言内容は詳しく日本語字幕で表示されたので、聞き取りに難のある筆者は大助かりでした。最初の番組で識者達が予測したように、新型コロナウイルス感染拡大によって、変わりつつある世の中を実感するこの頃です。表記の番組は、5月17日の初回放送以来3回も再放送されていますが、外国人識者達の発言は現音声なしの同時通訳でした。同時通訳の宿命というか分かりやすい文脈とは聞こえず、問いかける鎌倉アナに比べて音量が弱弱しかったので、外国人識者の方々にはお気の毒でした。このような番組2時間近く全体を文書ファイル化するのはいささか荷が重いので、何とか後半に語られたワクチン開発の現状と、各国の感染対策によって見えてきた、科学と政治の関係について語られた内容を以下に纏めてみました。

も く じ
プロローグ
1.ワクチン開発の現状
2.集団免疫に関する論議
3.公衆衛生上の封じ込め戦略
4.ワクチン開発と国際協調
5.ワクチン供給と国際協調
6.感染症対策で見えてきた科学と政治の関係
7.新しい生活スタイルの模索
エピローグ

プロローグ
鎌倉NHKアナウンサー「広がり続ける新型コロンウイルス、今日は世界の科学者を結んで議論しています。後半は感染拡大を抑える鍵となるワクチン開発について、そして今後私たちはどのようにして、感染を防ぎながら社会生活を取り戻すのか考えていきます。
次に利根川NHKアナウンサーから以下の出演者が紹介された。

クラウス・チヒュテク(Klaus Cichutek)ドイツ政府機関パウル・エーリッヒ(Paul Ehrlich)研究所所長、ウイルス学者、ワクチンやバイオ医薬品の試験承認の責任を担う。
渋谷健司 英国キングス・カレッジロンドン教授、WHO事務局長上級顧問、国際保健政策の専門家 科学的根拠に基づいた政策提言を行っている。
ジェフリー・シェイマン 米国コロンビア大学教授、疫学者、感染症の発生と拡大予測の推計システムを開発。米政府や政府機関などに助言している。
チャールス・パウエル 米国マウントサイナイ医科大学病院呼吸器部門部長、ニューヨークで重症患者治療の最前線に立つ。有望医薬品の臨床試験などを積極的に実施
加藤康幸 国際医療福祉大学成田病院感染症科部長、エボラ出血熱流行時にアフリカで診療にあたる。厚生省事業で新型コロナウイルスの「診療の手引」を作成
本庶 佑 京都大学特別教授、2018年ノーベル医学・生理学賞受賞、がんの免疫療法を医療として確立させた。4月には新型コロナウイルス対策に緊急提言を行い注目された。

1.ワクチン開発の現状
利根川「後半はまず今急速に進むワクチン開発の現状についてご覧いただきましょう」
ナレーター「世界中で猛威を振るい続ける新型コロナウイルス、その封じ込めの切り札として誰もが期待するのがワクチンです。人の身体には一度入ってきた細菌やウイルスを記憶し、それらと特異的に反応する抗体を作る機能が備わっています。その抗体は、再び身体の中に入ってきた細菌やウイルスを選択して結合することにより、細菌やウイルスの働きを抑えます。さらにその抗体は、細菌やウイルスを食べる細胞を活性化する働きも持っています。こうした仕組みは免疫と呼ばれます。ワクチンはこの免疫を利用した病気の予防法で、細菌やウイルスの毒性を人工的に弱めたり、無毒化したものがワクチンです。注射などによって投与します。すると体内に抗体ができ上り,いざ本物の細菌やウイルスが体内に入って時でも排除してくれるという仕組みです。ただ、ワクチンにも弱点があります。麻疹などでは一度打てばその効果は一生続きます。しかしインフルエンザでは、ワクチンを打っても罹ることがあります。その理由はインフルエンザウイルスの変異が非常に早く、変異前のウイルスをもとにした抗体では十分に抑えられないからです。今回の新型コロナウイルスも変異が早いとされ、同様なことが起きる可能性があります。ただ、現時点ではこのワクチンを凌駕する効果の薬剤がありません。では、世界ではどこまでワクチン開発が進んでいるのでしょうか。通常では実用化までに5年以上の年月を要します。しかし今回では1年から2年での実用化を目指す動きが見られます。先陣を切ったのはアメリカです。
『トランプ大統領 「歴史上もっとも早いワクチン開発をする」』
3月16日 アメリカ国立衛生研究所は、バイオ企業などと共同で世界に先駆けて臨床試験を開始、6月にも安全性についてなど結果が出る予定です。さらに複数の製薬企業や大学も開発に乗り出しています。一方で中国は4月14日、複数の異なるタイプのワクチンを開発していると公表、その一つ、軍事科学院のチームが開発しているワクチンが安全性を確かめる臨床試験を終え、世界で初めて有効性などを確かめる第二段階に進んでいます。こうした中、イギリスではオックスフォード大学が世界で最も早くワクチンを実用化し、生産を開始しようとしています。4月23日から臨床試験を始めましたが、その一部と並行して生産を始め。秋には100万回分のワクチンの生産を目指しています。世界各国で、急ピッチで進むワクチン開発、それはいつ手にすることができ、効果や安全性は十分なのか議論を進めます」


鎌倉「このワクチンの開発に非常に多くの期待がかかっているわけですが、しかしありますように、通常のワクチン開発というのは、5年以上の時間がかかると言われているわけなのです。ここでドイツのチヒュテクさんにお聞きしたいと思います。ドイツでもワクチンの臨床試験が始まっているということですが、今どのあたりまで進んでいるのでしょうか」
チヒュテク「この臨床研究は、ドイツで最初に承認されたものです。様々なワクチンを調べている8件のうちの一件です。このワクチンは病原体の一部を使うのではなく、核酸の情報を使うRNAワクチンです。既に始まっていて、最初のグループの被験者に投与したところ、有害事象などは起こっていなくてGood Newsです。これは段階に分けて行うので、最初は200人の被験者に投与します。パウル・エーリッヒ研究所で報告を受けて次に進みます。そこでは追加で更に500人に投与します。今現在、世界全体でワクチン開発はどの段階にあるのか、大事なことはどれだけの分量を投与すれば、新型コロナウイルスに対して特異的な免疫反応が得られるのか調べなければなりません。今はその段階です。一般の人に対して何時から使うことができるかには注意が必要です。ワクチンは安全であり、有効でなければいけません。有効であることは病原体からの感染を防御ができなければなりません。もしくは重症化を抑える結末をもたらさなければなければなりません。これはワクチンとしては有効です。WHOの考えもありますが、15から18か月でできるのではないでしょうか。早くできればそれに越したことはありません。しかし最も大事なことは、ワクチンが一つだけで済むのではなく、複数のワクチンが必要なことです。複数の製造業社が必要であり、一部の国のためだけではなく、世界全体のために必要です。グローバルな脅威であるからこそ、グローバルな協力が必要です」
鎌倉「渋谷さんはどのようなご意見をお持ちですか」
渋谷「やはり一番大切なことは、各国が単独で作るよりは同時並行で国際協調しながら、そうして生産も視野に入れながらできるだけ早く、という方向性を共有することが大事だと思います」
鎌倉「本庶さんにお聞きしたいと思います。ワクチンというのはパンデミック収束の切り札というように言われていますが、ただ本当にワクチンが万能なのか、ウイルスは変異していくという特性がありますよね。本庶さんはワクチンについてどういうご意見をお持ちですか」
「率直に言いますと、私はRNAウイルスに対するワクチンというのは、それほど楽観的にはなれません。その理由は、明らかにHIV(筆者注釈:エイズの病原ウイルスの略称)に関しては、膨大な投資と10年以上にわたる歳月が費やされていますが未だにできていません。また、インフルエンザのワクチンは、本当に効いていると信じている人は極めて少ない、非常に楽観的な人々だと思います。しかしインフルエンザワクチンを毎年打つことを私は意味があると思っています。先ほど少し死亡率の数字に問題があるという話がありましたが、しかしどんなに問題があっても二桁違うことはありません。アメリカ、ヨーロッパと日本が二桁の死亡率の差を何に求めるのか、私はこれがベーシックなイミューンパワー(免疫力)が東アジアでは高かった、私のポイントはですね、これまでワクチンというのは特異的免疫反応を目指して、ある特定のウイルスに向けたものを作るという考えでしたが、必ずしもそれが正しいとは限りません。一般の免疫力を上げる、例えばがんに対するPD-1ブロック(筆者注釈:がん細胞が活性化された免疫細胞上にあるPD-1に結合して活性を阻止するのをブロックして、活性を保つこと)はまさにそれをやったわけです。従って全てのがんに対して効くわけです。こういう仕組みを私は感染症にも十分応用できるかなと思っています。で、PD-1ブロックを使って全ての感染症に対処するということも夢ではないと思っております」

2.集団免疫に関する論議
鎌倉「パウエルさんお願いします」
パウエル「今回のパンデミックが終わるとしたら、一つはワクチンが開発されること、もう一つは集団免疫を獲得することです。集団免疫を獲得するためには、人口の6~7割がウイルスに感染しなければなりませんが、爆発的感染が起きたニューヨークでさえ、抗体を持った人は調査対象の21%だったという結果が最近出ておりますので、集団免疫獲得にはまだほど遠いということになります。ということで、ワクチンの開発を急いでスケールアップすることに、今力が注がれているのです。ではワクチンの安全性と有効性はどうなのか大事なポイントです。確かに重症化した患者が抗体を獲得するということが分かっているのですけれども、一旦抗体を獲得すれば再度感染することはないかということについては、まだよくわかっていません。抗体を獲得すれば再度感染することはないと推定されますが、それが確認できて初めてワクチンの有効性を担保することができるようになります」
鎌倉「今パウエルさんのお話の中から集団免疫という言葉もありました。皆さんがこの集団免疫の考え方をどうご覧になりました?現実的ですか、それとも非現実的ですか?チヒュテクさんお願いします」
チヒュテク「現実的ではないと思います。社会的に距離を取ることで何かできます。公衆衛生措置によって感染を抑えることはできますが、現実に必要なのはパンデミックを終わらせる何かです。集団免疫であればとても長くかかりますし、多くの痛み苦しみが途中であります。ワクチン開発も可能であり、私はワクチンで対応できると思います。なぜそう思うか、第一にヒト以外の霊長類の優れた動物実験が行われていて、特定のワクチンによって防御の効果があることが分かっています。第二にワクチン開発をかなり早く進めることができているのは、これまでの大半のコロナウイルスに対するワクチン開発の経験に基づいているからです。更にウイルス表面タンパク質の抗原は既に分かっています。第三に全世界で100ほどの異なる報告室のワクチンプロジェクトがあります。そのうち8件で臨床試験が始まっています。異なる種類のワクチンが研究されています。RNA、DNAウイルスでは確かに苦労してきて承認されたものはなかったと思います。ただし免疫療法の研究があります。本庶先生が示して下さったようにPD-1は確かに一つの方法です。以前述べたようにワクチンが感染から守るのか、若しくは疾病を抑えてくれことが必要であり、インフルエンザワクチンにも同じことが当てはまります。必ずしも毎シーズンとてもよく効くものがあるとは限りません。ただし病気の経過について良い効果はあるので、それがワクチンのよいところです。新型コロナウイルスのワクチンの効果についても同じような展開を期待します」
渋谷「今集団免疫という話がありましたが、まあ一つはワクチンに統一するかあるいは自然感染ということだと思うのですけれど、アプローチとしてやはりまあロックダウン的に短期に活動を抑える、或いはスウェーデンのように少し社会的距離を取りつつも自然感染をやっていくと、両方とも利点と欠点があるのですが、今のところ世界はどちらかというとロックダウン的なものを繰り返して行かざるを得ないと、だから同時に社会経済というのは非常に疲弊して行くと、その中でどういう選択をしていくかと思うのですけれど、本当に皆さんに聞きたいのですけれど、仮に若しワクチンというものが18か月と言われていますが、それ以上にかかってなかなか見いだせない場合はどうしていったらいいか、どうお考えでしょうか?」
本庶「私は基本的にはワクチンも含めてあらゆる努力をすべきだと思います。ただ、私自身はあまり楽観的ではないということを申し上げました。ただ、ワクチンということに皆さんが関心を持つことによって、世にはびこっているワクチン・ヘジテーション(ワクチンの有効性・安全性に疑いを持つ人が接種を控える動き)というこの悪い変な活動を止めさせて、全ての人が有効なワクチンを、税金を払うと同じように社会防衛の一環として受ける、むしろ義務化すべきという方向に各国が動いてくれることがまず第一に、私の希望です。第二に、ワクチンがもし成功しなかった場合に最も重要なことは、死ぬことを少なくすることです。死亡率が0.2%レベルであれば、季節インフルエンザと変わりがないレベルですから、徹底してこの免疫異常の問題点を解決することによって、新しい薬剤なり治療法を見出して、死亡率を下げることによって、私は自然にいわゆる集団免疫が構築されるというふうに考えています」

3.公衆衛生上の封じ込め戦略
鎌倉「パウエルさんお願いします」
パウエル「ワクチンの開発に思ったより時間がかかってしまったら、集団免疫の獲得にも時間がかかってしまったらどうするのかという話なのですけれど、そうならば本来あるべき公衆衛生上の戦略をとって感染を封じ込めていくということが大事になります。そのためには陽性率を把握し、陽性率が比較的低いということを確認し、検査能力を拡充し、感染者とその接触者を特定していかなければなりません。今回は感染の広がりが早く、アメリカを筆頭に多くの国が感染に対する備えができておらず、検査体制も不十分でした。今回は感染を封じ込めるということができませんでした。感染拡大の影響は何とか緩和するということに終始してしまったのです。今後陽性率がうまく下がってきたら、本来あるべきこの封じ込めの戦略をしっかりやって、ワクチンができるまでの持ちこたえるということではないかと思っています」
鎌倉「シェイマンさんも手を上げていらっしゃいます。ご意見をお願いします」
シェイマン「パウエル先生と同じ考えです。医薬品がないのであれば、薬以外の介入が必要です。社会的に距離を取ること、隔離すること、マスクを使うこと、このような措置は複数の国で効果が確認されています。封じ込め、減速に効果があります。特に韓国を見てみると一つのモデルです。感染爆発が目の前で起こり、感染拡大の曲線を抑え減少させて、しかしその間 それなりの経済活動は維持していました。有効なワクチンや治療薬の開発を待つ間、何らかのバランスを取ってウイルスをいかに封じ込めるか学習をし、その影響を最小化し、我々が依存する病院や医療制度に対する負担を軽減しなければなりません。同時に経済を前進させる手段を探す必要があります。小さな針孔に糸を通すような狭い道を通らなければいけません。アメリカはうまくできていません。パウエル先生の話にあったように、直接被害の軽減に進む必要がありました。より能動的なアプローチが必要です。重要なのは、これもパウエルさんが述べていたように、積極的に検査をして、接触者の追跡を行うことです。重要なのは接触者追跡です。皆さんが受診してくれることで患者を検知することができれば、直近の一週間か十日のうちに接触した人を見つけて連絡をし、隔離をすることができます。流行から切り離すことにより、感染者が感染力を持つ前に、つまり潜伏期間が終わって感染力を持つ前に見つけることができます。症状がないまま、或いは軽症でウイルスの排出を始める前に見つけることができるようになります。(筆者注釈:4月15日づけのNature Medicineによると発症前に感染力が高まっていることがわかってきたので、より対応が難しくなった)接触者追跡が有効であるのは、自分が他人に感染させているのを自覚していない人や、自分が感染力を持って、ウイルスを広げていることを知らない人たちを見つけて、流行から切り離すことができるからです。このような措置を行うためには、人、物、資源といったリソースが必要で、公的資金が必要であり、国民の協力する意思も必要です。実際それを成功した所ではしっかりと封じ込めができていて、しかも経済活動もそれなりに続いています。繰り返しますが、そのよい例が韓国で、台湾もそうです」
鎌倉「経済も取り戻しながら如何に感染を防ぐか、この両立については後程皆さんと再び議論を深めさせていただきたいと思います。引き続きお願いします」

4.ワクチン開発と国際協調
利根川「そのワクチン開発の国際協調ですけれども、その動きが活発になっています」

ナレーター「治療薬やワクチンの研究開発、現在世界をリードしているのはメガファーマと言われる巨大製薬企業です。その巨大な資金力をバックに、多額の費用をかけ新薬を開発していち早く特許を取得、それを世界市場で独占的に販売することで莫大な利益を得てきました。メガファーマの1つアメリカのジョンソンアンドジョンソンは、アメリカの政府機関と共同で1000億円以上を投入、ワクチンの開発を進めています。同社はアメリカの人口の3倍以上となる10億回分のワクチンを来年初めに供給できるようにすると表明しました。ヨーロッパではイギリスのグラクソ・スミスクラインとフランスのサノフィというライバル同士が手を組みました。互いに得意な分野を補完し合い、開発を進めています。一方、国際協調でワクチン開発を目指そうという動きもあります。感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)(筆者注釈:Coalition for Epidemic Preparedness Innovations)、エボラ出血熱の感染拡大を契機にパンデミックの際のワクチンを開発するために、2017年に設立されました。CEPIは今回の新型コロナウイルスのワクチン開発のために、世界の国々に対し2000億円以上の支援を呼びかけました。各国の企業や大学、研究機関などが一丸となって資金や英知を集め、ワクチンの開発を加速させています。
『CEPI CEOリチャード・ハチェット「世界中から寄金を募ることで、多くのワクチン候補となるプロジェクトに投資できる。そうすることで成功の確率を高められるので、必ず幾つかのワクチンを開発できると信じている。大切なのはワクチンを大量生産し、世界中に配布できるようにすること。そのために協力体制を作る努力が必要だ」』


鎌倉「製薬会社も国もしのぎを削っている状況ですが、改めてドイツのチヒュテクさんにお伺いしたいと思います。企業や国を超えた連携、これ通常ならば難しいという動きが今起きていますね。どう評価しますか」
チヒュテク「世界中に協力の輪が広がりつつありまして、第一に研究者と臨床の開発者がお互いの技術を持ち寄って相乗効果を生もうとしています。第二に、大企業と中堅中小企業が連合体を形成し、勿論競争もありますけれど開発をスピードアップするために協力をしています。そこから新しいテクノロジーが出てくると期待しています。あと、スピードアップの話もしておきましょう。トランプ大統領は1月までに3憶人分のワクチンを用意できると考えているようですが、ヨーロッパでもワクチンの開発を早める対策を取っています。具体的には規制当局としてワクチン開発を優先しています。それから、普通は一つずつやる臨床試験を複数組み合わせてやります。更には、ワクチンの開発者は過去に使われた技術も使って、短時間のうちに大量生産できる体制を開発と同時並行ですでに整えています。希望が持てます。それから国際協調については、わが研究所もWHOと密接に連携しています。またCEPIに参加する企業に科学的なアドバイスを提供しています。更には薬事規制の国際連携組織を通じて、各国の規制当局と開発の後押しをしています。こうした連携が進んでいるということを考えると、ワクチンはできる、もしかしたらタイムリーに開発できるのではないかという期待を持っています。来年になれば臨床試験の第一層と第二層の組み合わせ、第二層と第三層の組み合わせからいいデータが出てくることを期待できます」
鎌倉「シェイマンさんにお尋ねしたいと思います。国際協調でアメリカの存在というのが鍵になると思いますけれど、EUの呼び掛けた会議にアメリカは応じなかったということですが、国際協調にについてアメリカの姿勢をどう見ておられますか」
シェイマン「残念ながら今の政権は国際的協定を大事にしない国家主義的傾向を持っているので、我々もあまり付き合いがありません。残念な現実ですがアメリカ自身が対処しなければならず、私が希望するほど協力的ではありません。ただ願わくは、今後この雰囲気が変わって欲しいと思っています。このウイルスが無くならないことを認識して、単独で行うより国際的なパートナーシップを組む方が、メリットが大きいことに気が付いて欲しいです。また、アプローチを多様化することが極めて重要です。ウイルスには国境など関係ありませんので、これはある国だけの問題で、その国だけが対処できる問題ではありません。願わくは政府がもっと真剣に取り組み、もっと国際協力をして欲しいと思います」

5.ワクチン供給と国際協調
鎌倉「続いては、いざではワクチンが開発されました。それをどう世界に広げて行くかについてお尋ねしたいと思います。例えばアジアやアフリカなどの発展途上国にとっては、先進国で開発された薬というものはあまりにも高価ですね。ワクチンや薬をどのようにそういったあらゆる国々に供給していくのか、この点が皆さんどのようにお考えをお持ちでしょうか」
渋谷「まさに感染症というのは、基本的に市場の失敗ということになっています。つまり一つの国の行為がほかの国に影響しますし、それからワクチンというのはまさに公共剤、全ての人に裨益する、ただ一つの国の企業でスクリーニングする責任がないということから、CEPIみたいなもの、それから供給においてはGAVI(筆者注釈:ワクチンと予防接種のための世界同盟/The Global Alliance for Vaccines and Immunization)という、もうひとつワクチンを特に貧しい国に供給していく機関もできています。ですからまさにそうした国際協調がどちらかというと国内政治で分断されている状況中で、そうしたCEPIとかGAVIとか、或いは日本政府非常にサポートしています。そして国際協調においてもそうした政治を使いながら、うまくサイエンスそして供給においても、特に最貧国を含めて対応しないとパンデミックは終わりませんので、もう一回ドイツの方がおっしゃったように、協調というのをもう一回見直して欲しいと思います」
鎌倉「引き続き加藤さんにお尋ねしたいと思います。加藤さんはエボラ出血熱の治療に当たったご経験がありますよね。現場からどういった声がありますか」
加藤「ワクチンが非常に今医療従事者の感染が問題になっておりますので、ワクチンは非常に切実な問題です。勿論、そういった途上国の方にも目を向けなければいけないわけですけれど、現在患者数が多く発生しているのは先進国が多いということで、なかなか余裕がないのが現状ではないかというふうに思います。ただWHOのテドロス事務局長がおっしゃっていますけれど、ソリダリティー、連帯ということですね、先ほどいろいろな先生がおっしゃっていたように、感染症は国境を越えられるということで一国の問題ではないので、何らかの形で協調してやっていくことは非常に大事だと思います」
本庶「私は、国際協調は非常に重要なことなのでたくさんやる、但し一つに絞るとか二つに絞るとかいう形の国際協調ではなくて、十とか沢山の種類をやってみていただきたい。というのは、どのワクチンが成功するかというのは、これは医学というものはやってみないとわからない。月にロケットを打ち上げるのとは大分意味が違うので、そういった形が必要なのです。それで途上国に対する支援に関しては、明らかに先進国で儲けて途上国では無料で放出するとか、そういう形での国際協調がまた求められる。そういうことができないと、多分オリンピックは開催できないでしょう」

6.感染症対策で見えてきた科学と政治の関係
鎌倉「弾力的な対応が必要だということですね。あのうワクチンの開発を巡っては、これまでにない国際協力体制という動きも見えていますけれど、ここからは各国の感染対策によって見えてきた、科学と政治の関係について見ていきたいと思います」
利根川「パンでミックの宣言が出された当初から、各国では医療的観点と政治的、経済的配慮の両方の側面から、活動制限のあり方が論じられてきました。そして国のリーダーによって考え方の違いが明確になっています。例えばアメリカのトランプ大統領やブラジルのボルソナロ大統領、経済活動を優先する発言を度々してきました。一方ドイツや韓国などでは、科学の見解を重視した政策をとってきました。シェイマンさんからすでにお話がありましたように、この結果国民の共感を得て、今や感染拡大防止のモデルケースと言われるまでになっています」
鎌倉「経済を優先する政治、そして感染を防ぎたい科学、この両者の間に乖離が存在する国も見えてきました。経済活動と感染防止を両立させるための科学者の役割は何なのか、皆さんにお聞きしていきたいと思います。まず、ドイツの例から見ていきましょう。チヒュテクさん、ドイツでは政治と科学の距離感はどのように受け止められているのでしょうか」
チヒュテク「この感染症について分かったことを、広く透明性高く国民と議論しようという流れができています。ドイツではウイルス学者が新聞の一面に登場するようになりました。専門家が説明するウイルスの働きに、一般の人も関心を持つようになったのです。彼らはウイルスにどう対処すべきか、政治家に対しても提言を行っています。更にドイツには、アメリカのCDC疾病対策センターに相当するロベルト・コッホ研究所があり、感染症の動向について毎日情報を発信し、公衆衛生上の対策について国だけではなく、ドイツの各州とも連携しています。ワクチン開発に今注目が集まっていますけれど、そういう状況の中で私がいる研究所が発信する機会も増えています。長年にわたって科学者というものにあまり光が当たらなかったので、この流れはいいことだと思っています。科学者の物事を信じろというわけではないのですけれども、科学と科学者が結果をどう解釈しているかということを聞いた上で、科学に基づいた決定をするべきだと考えられるようになってきているのです。今回の感染症対策には、メルケル首相だけではなく、全ての閣僚や地方の政治家に至るまで一丸となって様々な分析を行い、感染症対策を国民に対して積極的に発信したというのが、過去と違う大きなポイントだと思っています」
鎌倉「今ドイツの話がありました。他の国ではどうなっているでしょうか。皆さんの国ではどうでしたか。アメリカ、或いはイギリスの状況、渋谷さん如何ですか」
渋谷「イギリスの方では初動が非常に遅れました。それで3月12日にジョンソン首相が最初に戦略を出した時は、自然感染で集団免疫という作戦だったのですが、その直後、いろいろな科学界からの反対の声によって、3月23日にロックダウンと非常に急転直下だったです。そうした面からなかなか初動が遅れて批判がありますけれど、科学に基づいた決断というもの、そして戦略を即座に変えたというのはよかったのですが、如何せん初期に検査、隔離が徹底できなかったことが今の事態を招いていると思いますので、やはり科学によるシナリオ、オプションそして政治の決断というものが非常に大事だと思います」
鎌倉「日本についてはどうでしょうか。本庶さん、科学者の立場から、パンデミック下の政府の役割はどうあるべきなのか、科学者が何ができるのか、どんなお考えをお持ちでしょうか」
本庶「日本は極めて特殊な例で、これほどサイエンスと政治がうまく行ってなくて、しかも政府の対応が大変手遅れで失敗をした。にも拘らずなぜこれだけ死亡者が少ないのか、私は本当に不思議に思っています。ただ、これを国レベルでなくて地方の自治レベルで見ますと、幾つかの県、道、府に於いてきちっとしたアドバイザーを組んで、こうしてしっかりとしたプランを持って進行しているところもあります。ですから国全体のレベルと、いわゆる地方自治レベルでの体制との差ということも大変興味深い。しかし、日本が今後進んでいく方向としては、もっとサイエンティストの意見を重視して、しかも幅広いレベルでのサイエンティストが、意見を政治に直結できるような仕組みが重要だと思います」
鎌倉「今政治と科学の距離感の話をしてまいりましたが、一方で政治の立場からすれば、生活を支えること、それがまたある意味仕事を失わない、或いは生活の根本を失わない、そういう命の優先の価値観でもあるわけなのですけれども、皆さん科学者としてこの政治の考える命の守り方と本当に防疫、感染拡大を防ぐというこのバランス、どう進めていけばいいとお考えですか。パウエルさんお願いします」
パウエル「まず初めに、新型ウイルスは公衆衛生と医療の問題であり、政治の問題ではありません。経済の問題でもありません。確かに感染の規模により、政治、経済は影響を受けます。つまり感染がビジネスや経済に影響を及ぼして行くのです。しかし一番努力をするべきは、公衆衛生問題に取り組み、感染率、罹患率、死亡率を抑えることです。それができれば、その後の経済活動の再開は可能となります。また市場が一定の安定性を感じることができます。そうなると経済活動を再開する道が見えてきます。あまりに急ぎ、まだ感染がある地域に再びウイルスを持ち込むと大変なリバウンドが起こり、経済活動に対する影響はさらに大きくなり、これがいつ終わるか分からない不確実性のために、市場に対する影響も更に悪化します。最初に述べたようにあくまで焦点は公衆衛生と医療の問題に取り組むことです」
鎌倉「パウエルさんのご意見に皆さんはどんなご意見で。チヒュテクさんお願いします」
チヒュテク「まさにおっしゃった通りだと思います。確かに感染症は医学的、また疫学的問題ではありますが、今年或いは来年ワクチンが完成しなくても何とかやっていかなければなりません。社会的距離を取って隔離をして検査件数を増やせば、感染拡大をコントロールできるということが、これまで多くの国の経験からわかってきています。ということは、感染拡大を抑えながら、働くこともできるということになるわけです。社会生活、経済活動を復活させることができるのです。ドイツはまさにそのような段階に来ています。感染拡大をコントロールしながら公衆衛生上の規制を少し緩和し、様子を見てみようという段階にあります。勿論、重症患者さんのためのICUの空き具合などはしっかりモニタリングしていますが、ドイツはウイルスとの付き合い方を学びつつあります。社会的距離などの公衆衛生上の措置をある程度緩めると同時に、どれだけ感染が拡大していくのかということを、しっかりチェックしていくというのが、今後のやり方ではないかと思っています。感染拡大を抑制しつつ、対策を緩和していく、そして社会活動、経済活動を一定の形で継続していくというのが今後大事になっていくと考えています」

7.新しい生活スタイルの模索
鎌倉「第二波、第三波、いつまで続くか分からないこの闘いの中で、如何に社会生活を取り戻すのか、我々このジレンマに陥っているわけですが、渋谷さんはどのようにご意見をお持ちですか」
渋谷「先程も何人かの方おっしゃっていましたけれど、薬とかワクチンだけではなくて、基本的に公衆衛生的な施策ですね、特に検査、接触者を追う、そして隔離というその基本どの程度きちんとやっていくかの体制、つまり検査を拡大して隔離をしていく体制、特に無症状の方に気をつけなければいけない、それからもう一つ医療体制、そしてさらには、うまく社会がウイルスと付き合うための施策ですね。もうこれからやはり生活スタイルがガラッと変わりますので、そうしたものを各国がノウハウをシェアしながら、うまくウイルスと共生して行くことを目指さないと、なかなか中途半端な対応だとまた感染が戻ったり、早期に解除すると戻ったり、そして一国でうまく行ったとしても、これはグローバルパンデミックですので、いつ何時ほかの国から入るか分からない。ですからやはり協調しながら、そしてウイルスとうまく付き合うことを各社会が見出していく、そのための準備を今本当にしなければいけないと思います」
加藤「ワクチンも開発されないと非常に長くかかる状況ですと、やはり感染症の大きな拡大するようなことを起こさないまでも、国民の方々が少しずつ感染するのを許容するということにつながってくるのではないかと思います。完全にこの感染症から逃げるというのはなかなか難しいので、普段の生活の中で例えば少しでも体調が悪かったら勤務を休んだりとかですね、今までそういう習慣がなかなか取れなかったと言われていますけれど、そうした二重の生活に変えていく必要がこれからあるのかなというふうに感じております」
鎌倉「非常に興味深いご指摘と思います。今後は、つまりこれまでにない生活スタイル、価値観を変えていかないと私たちは生きて行けないのではないかというお話ですけれど、どんな世界が待っているのでしょうか。皆さんは我々がこれから生きる世界がどんなものになると思われますか。シェイマンさん如何でしょうか」
シェイマン「大変興味深い質問で大事な質問です。今子供から大人になる、例えば10歳から30歳くらいまでの人々にとって人生の大変な転換点になるでしょう。世界の見方、世界の機能、仕組みに対して見方が変わるでしょう。記憶して孫に語り継ぐでしょう。これまでの感染症に対する緊急事態は過去20年間に何度かありました。ニパウイルス、エボラ出血熱が延長し、ジカ熱が南北アメリカで発生し,HRがあがり、H7N9か幾つかのインフルエンザがあがり、勿論SARS、MARSもあがりました。ただ今回初めて嵐のようなったのは、あまりにも効率的に感染が広がる様々な条件が合わさっていたからで、かつ死亡率を含めて非常に深刻な結果を起こしたためです。この感染症はこの世の中に存在しているということを、我々が認識しなければなりません。加藤さんが述べていたように、我々の日常生活の見直しが必要です。皆さんも私も冬には感染症になるかも知れません。少し喉が痛いとか悪寒がするとか咳をしてもそれだけでは会社を休めません。買い物に行くのを止めるとか、電車に乗るのは控えることもしません。子供は普通に学校に行きます。ところがこれが市中感染を起こしてしまうのです。これからは何らかの近未来的な形で、簡単な検査キットを使って個人のウイルス排出のモニタリングが必要になるかも知れません。これから10年、15年、20年後にみんな毎朝起きた時にスマホに向かって咳を吹き込んで、その瞬間に自分が感染力を持っているか毎朝検査する、それによりどのような行動をするべきか、外出を自粛するべきか決めることになるかも知れません。短期的にはこのパンデミックに対処するために、針孔に糸を通すような難しいバランスが必要です。公衆衛生と医療措置を行いながら、経済に対する打撃も注意しなければなりません。打撃は最小化したいのです。一番いい方法は、モデルとして例えば韓国、ドイツ、ニュージーランドなどを参考にすることです。キチンと一定の期間封じ込めをし、制御をし、段々緩和をし、経済を再開することです。これがいずれできることを願う有効なワクチンや治療法が、社会の健全性を保つために極めて重要です」
鎌倉「チヒュテクさんごご意見がおありですね、どうぞ」
チヒュテク「何点か申し上げますが、まずウイルスと共存の仕方、付き合い方を学ぶ必要があります。そして今回の感染症で分かっていることを、次に生かすということも大事になります。そういう意味ではワクチン開発では、異なるワクチンプラットフォームを使って複数のワクチンを開発しておく必要があります。今後も新しい感染症やパンデミックは発生するでしょうから、その時に新しい病原体に合わせて、すぐにワクチンを開発できるようにしておくという事なのです。もう一つ今回ドイツで感じたのは、公衆衛生上の対策が、これまで以上に具体的なものでなければならないということです。各グループごとに、例えば年齢層によってグループ分けして対策を変えるとか、特に脆弱な人向けに重点的な対策を取るなどです。更にドイツもそうなのですけれども、全国平均だけを見て対策を決めるのではなく、感染拡大が見られる地域ではより厳しい措置を取る、一方でそうでない地域には緩和するといったように、つまり地域ごとに見て、感染拡大が早い地域とそうでない地域を区別して、対策の強弱をつけることも必要だと思っています。これも今回の教訓の1つです」

エピローグ
鎌倉「有難うございます。ここまでおよそ2時間にわたって世界の専門家の科学者の皆さんと議論をしてまいりました。最後に本庶さんにお尋ねしたいと思います。科学はこの21世紀に襲来したウイルスを、どう乗り越えていくべきなのでしょうか。今後の世界の展望について、本庶さんからご意見をお願いします」
本庶「まずこれは明らかに二つのフェイズです。ワクチンができる、或いは治療法が素晴らしいものができて、これが恐れる状況でなくなった場合とそれまで、それまでは明らかに今我々が公衆衛生学的な手段でもって感染を最小限に抑える、そしてウイルスと付き合いながら社会生活を維持できる、こういうふうな社会システムを変えていくこと。特に日本に於いては全ての書類にハンコがいるというふうな行政を明らかに変えていかなければいけない。それから在宅勤務、それから通勤時間のラッシュアワー、こういったものを変えていかない限り、ウイルスとは付き合って行けないですね。一旦ある程度の征服ができた場合、それがワクチンなのか治療法なのか、或いは両者かも知れません。またかなり違った世界が見えてくるのではないかと考えております。基本的にこのパンデミックによって多くの政治家、国民はサイエンスの価値というものを改めて感じてくれること、それから医学というものがまだまだ未発達で、これから長い投資と研究者の努力ということが欠かせない。それによって初めて新しい展望が開けるということに気が付いてくれることを期待しております」
鎌倉「皆さん、今日は長い時間本当に有難うございました。そして各分野の最前線でのみなさんの奮闘はこのコロナウイルスの克服に大きいな力を与えると信じております。改めて今日は有難うございました」

追:本番組全体を通じて本庶 佑さんが語ったことの抜粋を、本庶 佑さん 国際討論番組「パンデミックは収束するのか - 世界の専門家が大激論 - 」で大いに語るでご覧になれます。
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