COCCOLITH EARTH WATCH REPORT

限りある地球に住む一地球市民として、微力ながら持続可能な世界実現に向けて情報や意見の発信を試みています。

「緊急対談 パンデミックが変える世界~海外知性が語る展望~」でブレマー、ハラリ、アタリの3氏 大いに語る

2020-04-19 12:29:41 | Weblog

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掲載の動機
ETV特集 2020年4月11日(土)にETV特集で放送された表記の番組は、3人の世界の知性(イアン・ブレマー、ユヴァル・ノア・ハラリ、ジャック・アタリ)が、現在世界を襲っているパンデミックによって、人類が未来を左右する重要な選択を迫られていることを語ったインパクトの大きな内容でした。微力ながら周知に努めたく、放送内容をできるだけ書き取って掲載しました。

目 次
プロローグ
1 イアン・ブレマー氏(4月2日収録)
2.ユヴァル・ノア・ハラリ氏 (4月7日収録)
3.ジャック・アタリ氏 (4月1日収録)
エピローグ

プロローグ
未曽有のパンデミックに見舞われた世界、混迷は深まるばかりです。この危機は世界をどう変えるのか、人類はこれからどこに向かうのか、私達は世界をリードする知識人3人に緊急インタビューを行いました。

イスラエルからは世界的ベストセラー作家で歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏 今人類は大きな岐路に立っていると言います。
ハラリ氏「次の2~3カ月の間に私たちは世界を根底から変える壮大な社会的・政治的実験を行うことになるでしょう」

そしてアメリカ ニューヨークからは国際政治学者イアン・ブレマー氏、指導者なき世界が漂流を始める危機にあると言います。
ブレマー氏「2020年の今、私たちの時代における最も深刻な危機が発生しています。世界秩序が激変するでしょう」

そしてフランスからはEU発足の影の立役者、経済学者・思想家のジャック・アタリ氏、今こそ人類はこの危機をチャンスに変えるべきだと言います。
アタリ氏「長期的にみるとこのままでは勝利は望めません。経済を全く新しい方向に変える必要があります。もっと世界の連帯が必要です」

聞き手は東京からNHKワールドのキャスター、私 道傳愛子が務めます。
パンデミックは世界をどう変えるのか、混迷の先を見通す知恵を探ります。


1 イアン・ブレマー氏(4月2日収録)
道傳「今日は時間を割いていただいて有難うございます」
ブレマー「どういたしまして」

解説「アメリカの国際政治学者イアン・ブレマー、政治リスクを専門とする世界最大のシンクタンクの代表です。ブレマー氏は 21世紀は世界を主導するリーダーが不在のGゼロの時代であると提唱、連帯なき世界を警告してきました」

文献:「Gゼロ」後の世界―主導国なき時代の勝者はだれか
イアン・ブレマー (著) 北沢 格訳日本経済新聞社 2012


道傳「今回のパンデミックと世界の状況をどう読み解きますか」
ブレマー「今回のパンデミックは『Gゼロ世界』、つまり指導者なき世界で私たちが経験する最初の危機です。その結果としてこの危機に各国がバラバラに対応しています。協調性が欠けています。9.11の時、アメリカはブッシュ大統領を中心に団結しました。支持率は92%まで跳ね上がり、ヨーロッパ各国はそろってアメリカを支持しました。当時敵対していたロシアも、アメリカを支持してアフガニスタンの米軍基地に協力しました。2008年(金融危機)ではブッシュ大統領、オバマ大統領の下で団結しました。ヨーロッパも結束しました。アメリカはG20を作り、中国がアメリカのリーダーシップを支持したことで、世界恐慌を避けることができたのです。2020年の今、最も深刻な危機が発生しています。それなのにアメリカ国民は団結していません。トランプ大統領の支持率は46%、9.11の時のブッシュ大統領の半分です。ヨーロッパとの協調性もありません。アメリカが欧州からの入国を禁止した時に、EUは事前に知らされておらず、アメリカを非難しました。G7の協調行動もありません。G20の協調もありません。中国は素早く対応していますが単独です。アメリカはリーダーシップを発揮していません。経済的打撃が大きな問題ですが、政治的な問題は更に大きいと思います。世界秩序が変化するでしょう」
道傳「アメリカが指導力を発揮していないことに、歯がゆさを感じるということですか」
ブレマー「そんなものはもはや存在しません。アメリカは国内的に実効性のある財政政策や金融政策を実施しました。この点は良くやっています。しかし医療面での対策が遅れました。検査能力の欠如、病院の対応能力で後れを取りました。今はこの点に注目が集まっています。しかし国際社会におけるアメリカの対応はゼロです。存在しないのです。「アメリカファースト」ということです。世界各国がバラバラに危機を克服しようとしている状況で、このことは将来、重大な影響を持つでしょう」
道傳「今回の危機は9.11や2008年の金融危機より深刻だとお考えですか」
ブレマー「その通りです。危機の規模がはるかに大きくなることは間違いありません。経済的影響、人命の喪失、ロックダウンの長期化はもっと深刻になるでしょう。この影響が国際社会では何倍にもなります。移動や医療用品、人員の面で協調が取れていません。ただ日本、アメリカ、ヨーロッパのような豊かな国は、国内経済の停止状況に対応するだけの資力があります。アメリカはGDPの10%に当たる額を景気刺激策に投入し、さらに追加するでしょう。しかし発展途上国でも同じ支援が必要なのですがそれができません。例えばインドでは政府による国民の緊急支援は、GDPの1%に止まっています。10%は必要な筈ですが、それはどこから?アメリカからは来ません。中国からも。IMFの幹部は4兆ドルが必要と考えていますが、そんなお金があるとは思えません。ただでさえ混乱状態にある新興国や貧しい国は、深刻な影響を受けるでしょう。日本やアメリカでは社会的距離を取ることが可能です。豊かな国はスペースがあるからです。しかしインドでは社会的距離を取るのは難しいです。国民の衛生状態は劣悪です。半年も雇用がない状態となれば、国民の生命を維持するための財政ももたないでしょう。ロックダウンが長期化すればサプライチェーン、グローバリゼーション、移動、観光に対する影響ははるかに深刻です。国際社会は今、重大な問題に直面しているのです」
道傳「新興国と途上国の経済についてお話がありました。経済格差で貧しい側の国々ですが、今の状況が続くと世界が不安定化につながる可能性は如何ですか」
ブレマー「アメリカ、日本など豊かな国では多くの人々が苦痛を味わい亡くなったとしても、社会不安が大きく広がるとは思いません。新興国や途上国は別です。医療制度が不備の状態では、不況になれば国民は家族を守ることができなくなるでしょう。加えて今『石油戦争』が起こっています。原油価格は20ドルまで下がりました。原油で稼ぐ国はどうすればいいのでしょう。ベネズエラの原油生産コストは、原油価格を上回っています。そういった国から深刻な社会不安が広がることは、容易に予想できます。暴力、体制の変更や崩壊、そして過激化が広がることも。イスラム過激派によるテロの温床がイラクやアフガニスタン、シリアといった国の不安定化にあったことは記憶に新しいです。今後何が起きるか。それは人口が多く、国民を養う力が弱い国について考える必要があります。さらなる過激化が進むでしょう」

解説「ブレマー氏のシンクタンクが毎年初めに発表する世界のTIPPING POINT。今年は国際社会にとって大きな転換点になると警告しています。アメリカと中国の対立が激化するだけでなく、EU諸国でも分断が進み、景気が後退する可能性が高いと警告していました」

道傳「とても厳しい世界の見通しですね。あなたは2020年のトップリスクに世界の経済のサイクルをあげました。次の不況が始まるという警告です。今パンデミックが起こりました。各国が団結して危機に立ち向かうのでしょうか。それとも自国の利益を第一に行動するのでしょうか」
ブレマー「自国が第一という『Gゼロ世界』に向かうと10年近く前に指摘しました。今年の初め、世界のトレンドとしては地政学的後退、景気後退、グローバリゼーションの分裂という現象が複合的に起こっていました。分裂はまずアメリカと中国のテクノロジーの分野で始まりました。今後サプライチェーン、製造業、サービス業に広がるでしょう。企業が従業員の数を大幅に減らす必要に迫られるからです。サプライチェーンが機能しなくなることに備えて、消費者に近づけたいと考えるからです。アメリカの企業がサプライチェーンを国内に移すケースが増えるでしょう。ヨーロッパでも他の国でもサプライチェーンを強化するでしょう。見通しは非常に厳しいです。この先、人類は地球規模の危機に対して以前のような強さを持たないでしょう。例えばこの数週間、気候変動は話題になっていません。今年はグローバル経済が縮小していることで炭素の排出量は減っていますが、だからといって2025年の削減目標に向けて何かが変わるわけではありません。道筋は同じですが、取り組みへの集中力は鈍ることになるでしょう。今年の初めあれだけ話題になったグレタ・トウンベリーさんは(自主)隔離になりました。いま気候変動は話題にもなりません。それだけではありません。サイバーセキュリティ、非対称(戦争)の脅威、AI、バイオテクノロジーの倫理問題にはグローバルな対応が必要です。今それがありません。不信感が募り、自分のことばかり考えています。民族主義、ポピュリズムがはびこっています。対応はとても困難です」
道傳「この重大な危機に国際社会が団結していないと指摘されました。米中対立のリスクも指摘されていますが、アメリカと中国は冷戦に突入するのでしょうか」
ブレマー「それは分かりません。ただ米中の相互依存関係は弱くなるでしょう。テクノロジーの分野では冷戦が始まっています。中国の企業はアメリカに投資しないし、アメリカの企業は中国に投資していません。5G 、AI、クラウド、ビッグデータ、監視技術などで米中の分離が進み、競争が激化しています。それがサプライチェーンや製造業、サービス業に波及すれば米中の相互依存が減り、争いが起こらないという保証がなくなります。危険が大きくなっています。アメリカは中国の非難を強めています。ペンス副大統領が新型コロナウイルスの危機を知らせるのが遅すぎたと中国を批判しました。中国も勿論被害を受けています。このウイルスが爆発的な流行を引き起こすとは思わなかったのでしょう。しかし対応のまずさ、爆発的流行は中国に責任があります。今年選挙があるアメリカで危機対応を誤った場合、トランプ大統領は責任転嫁するでしょう。その時には中国は格好の標的になります。今後、米中関係は悪化する可能性は大きいです」
道傳「今の中国は10年前とは違います。リーダーシップに欠けた国際社会で、中国は医療援助を提供しています。援助を受ける国は当然中国への感謝を忘れないでしょうね」
ブレマー「その通りです。中国は国際社会に積極的な外交とプロパガンダの攻勢をかけて、危機そのものの責任を否定しています。世界中に医療チームを派遣し、多数のマスクと検査キットを提供しています。特にアメリカと同盟関係にあり、パンデミックの中心であるヨーロッパで積極的です。今回の危機が終息した時に、世界で中国の存在感は確実に大きくなります。国際的リーダーシップという点でアメリカの存在感はありません。トランプ大統領は一切役割を果たしていません。G20を招集する試みやサプライチェーンの調整、データ収集の取り組みが一切ありません。リーダーシップという点でアメリカの存在感はゼロです。2008年、2009年とは大きく異なっています」
道傳「コロナ以後の世界秩序はどうなっていると思いますか」
ブレマー「格差が大きく広がっていると思います。中国以外の新興国が危機の対応を誤るからです。それに対する支援もないでしょう。アメリカ国内では『まるでイタリアのようだ』とか『ドイツや韓国のようだ』という見方が出てくると思います。ワシントン州は韓国に似ていて、ニューオリンズはイタリアのようだといった見方です。アメリカはもともと格差が大きい国ですが、今後さらに広がるでしょう。ヨーロッパも同じです。持つ者と持たざる者の差が大きくなるでしょう。ハイテク企業の力が大きくなり、実店舗型の企業が倒産するでしょう。本当に大きな格差を目の当たりにすることになります。アメリカやヨーロッパのように、強く豊かな国は持ちこたえるでしょうが、貧しい国々は大きな打撃を受けるでしょう」
道傳「市民社会、個人レベルではどうでしょうか?この危機を乗り切るために、社会のあり方や私たちの生き方を考え直す必要があるのでしょうか」
ブレマー「犬を飼うべきだと思います。毎朝瞑想するのも良いでしょう。犬を飼うのも良い考え方です。犬はいいですよ、気が紛れます。一緒にいると気持ちが落ち着きます。ばかばかしいと思うかもしれませんが実効性があります。いつもと違うことをする必要があります。人間性を失ってはいけません。私は9.11の時にニューヨークにいました。恐ろしい出来事でした。恐ろしい出来事でしたがニューヨークは団結しました。皆が同じ体験をしたからです。人々は通りに出て友人に、家族に手を差し伸べていました。しかし今回は、人々はアパートの中に安全を求めています。人間性が奪われています。人は社会的動物です。つながりが必要です。スクリーン上では叶いません。仮想現実では不可能です。国際宇宙ステーションで1年過ごした宇宙飛行士の、精神的ダメージを私たちは見てきました。同じことが世界中の数百万、数千万の人々に起ころうとしています。この先、個人レベルで対処する方法が必要になるでしょう」

2.ユヴァル・ノア・ハラリ氏 (4月7日収録)

解説「そして次はイスラエルから 歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏 人類の歴史を壮大なスケールで表した「サピエンス全史」、そして「ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来」では直面する課題を描き、世界中でベストセラーとなりました。今回の危機は民主主義にとって大きな挑戦である。私たちがどんな社会で生きていくことになるのか重要な選択を迫られることになると言います」

文献:サピエンス全史文明の構造と人類の幸福 上下
ユヴァル・ノア・ハラリ (著), 柴田裕之 (翻訳) 河出書房新社 2016

ホモ・デウス-テクノロジーとサピエンスの未来-上下
ユヴァル・ノア・ハラリ著 柴田裕之訳 河出書房新社 2018


道傳「遠くからお会いできて嬉しいです。今日は時間を割いていただいて有難うございました」。
ハラリ「どういたしまして」
道傳「このインタビューは日本の首相が緊急事態宣言を発令するのと同じ日になりました。私たちはいま新型コロナウイルスが世界を変える決定的な瞬間にいると思いますか」
ハラリ「はい、その通りです。今、歴史の変化が加速する時代に突入しようとしています。次の2か月か3か月の間に世界を根底から変える壮大な社会的・政治的実験を行うことになるでしょう。例えば雇用市場です。コロナ危機で組織労働者のさらなる弱体化が進むかもしれません。インターネットで仕事を請け負う「キグ・エコノミー」で働く人には組合もなく保護も受けられません。このような人が増えるか、その逆もあります。そして多くの企業が政府に救済策を要請しています。この緊急事態において、自由市場にだけ頼ることができないのは誰の目にも明らかです。一部の国は経済システムと雇用市場をより良いものに作り変えるいい機会になり得るでしょう。私たちは選択肢が多くあることを理解すべきです。そしてそれらは政治的選択です。これは事前に決まっていることではありません。ウイルスが私たちに代わって決断するわけでもありません。それは政府の仕事であり、緊急事態の政治家を監視する市民の仕事です。メディアと一般の人たちにはウイルスの流行にだけ関心を持つべきではないと言いたいです。『今日は感染者が何人だった』とか『病院には何台の人工呼吸器がある』といった話は重要ですが、政治的状況にも焦点を当てるべきです」
道傳「コロナウイルスと権力についてうかがいます。このような緊急事態で政府はこれまでにないほどの権力を手にすることができます。これは何を意味するでしょうか」
ハラリ「全体主義的体制が台頭する危険があります。ハンガリーがよい例です。形式的にはハンガリーはまだ民主国家ですが、オルバン政権は独裁的とも言える権力を握りました。それも無期限の独裁的権力です。緊急事態がいつ終わるかはオルバン首相が決めます。ほかの国にも同様な傾向があります。非常に危険です。通常、民主主義は平時には崩壊しません。崩壊するのは決まって緊急事態の時なのです」。

解説「新型コロナウイルスとの闘いの中で、民主主義の危機が懸念されているのがハンガリーです。オルバン首相率いる与党が感染拡大を受けて非常事態法を議会に提出し可決、首相の権限が拡大され、議会の承認なしに非常事態宣言が無期限で延長できるようになりました。更に感染防止を妨げる虚偽の情報を流した者には、最高5年の禁固刑が科されます。メディアへの威嚇に利用されかねないと国内外から批判の声があがっています。
ハラリ氏の母国イスラエルでは、この危機のさなかで行われた総選挙でネタニヤフ首相の支持勢力が過半数を割りました。暫定首相になったネタニヤフ氏は感染防止対策を理由に、野党が多数を占める議会の閉会を命じようとしました。これまで政治的発言を控えてきたハラリ氏ですが、この動きには批判の声を上げました。『コロナは民主主義を殺した。ネタニヤフは選挙に敗れたのに立法府を閉じ、市民に家にとどまるように緊急命令を発した。これは独施政権だ』。これに対しネタニヤフ氏の息子ヤニール氏が強く反発、『あなたは専門分野では尊敬されているかもしれないが、政治に関しては完全に愚かだ。あなたは嘘つきだ。そしてあなたの国イスラエルを憎んでいる』。結局国民から大きな反発を受け、ネタニヤフ氏は議会の閉鎖を断念しました。ハラリ氏は今も母国イスラエルの行方を心配しています」


ハラリ「ウイルスの流行と闘うという口実を使った政治的クーデターでした。実際 首相は「議員の健康を守るため議会を閉鎖すると言いました。とんでもない話です。幸いにも国民やメディア、対立する政党から大きな反発があって首相は閉鎖を撤回しました。今議会は再開され、非常時を乗り切るための大連立工作が進んでいます。しかし一時はイスラエルがハンガリーのようなコロナ独裁国になる危険もありました。コロナウイルスと闘うという口実の独裁制です。一人の人物に強力な権力を与えると、その人物が間違ったときにもたらされる結果ははるかに重大なものになります。独裁者は効率が良いし迅速に行動で来ます。誰とも相談する必要がないからです。しかし間違いを犯しても決して認めません。間違いを隠蔽します。メディアをコントロールしているので、隠ぺいするのが簡単だからです。ほかの手法を試すのでなく、間違いをさらに重ねます。そして責任をほかの人に転嫁します。そうやって、ますます権力を強化していきます。そしてさらに間違いを重ねていくのです。民主主義に大切なのは間違いを犯した時に自らそれを正すこと、そして政治が間違いを正そうとしない時に、政府を抑制する力を持つ別の権力が存在するということです。イスラエルでは1948年(第一次中東戦争)に出された緊急事態宣言がまだ続いています。多くの緊急命令がいまだ法的に有効です。緊急措置が適用されるのは危機の間だけで、危機が去ればいつも通りに戻ると思いがちですが、それは幻想です。緊急時だからこそ民主主義が必要です。チェック&バランスが維持されなければならない。政府を権力につながる人だけでなく、国民すべてに奉仕させるために監視が必要なのです」
道傳「イスラエルは緊急事態の時に情報をどのように扱っているのでしょうか?イスラエルは治安機関に監視技術の運用を容認していますね」
ハラリ「大変憂慮すべき事態だと思います。特にそれを行っているのが治安機関だからです。私は監視を支持しますが、このタイプの監視は警察や秘密警察に依存しないように、神経をとがらせなければなりません。それは独立した保健部門の機関が実施すべきです。警察とのつながりがない機関です」

解説「新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためイスラエル政府が用いたのは、テロリストの行動を追跡するために国中に張り巡らされた、世界最先端の監視システムです。今回の措置では感染者や感染の疑われる人物の携帯電話の番号が、保健省から警察に送られます。警察はその人物の位置情報をさかのぼり、過去の行動履歴を割り出します。更にその人物の近くにいた人々を割り出し、接触者として特定していきます。保健省が必要と判断すれば警察は接触者を収容し、隔離することもできるのです」

ハラリ「私は監視に反対していません。むしろ感染の拡大を食い止めるために、新しい技術を利用することには賛成しています。しかし監視は政府だけでなく、一般市民にも二つの方法で力を与えるべきだと思います。第一に私自身やほかの人々の身体の状態に関するデータを、政府が集めて密かに保管することは許されません。私には自分の健康状態に関するデータにアクセスする権利が与えられるべきです。私自身の健康管理についてより良い判断を下すためです。また自分の健康データにアクセスできれば、政府が採用している政策が有効か否かを自分の身をもって試すことができます。これがイランのように全体主義的な国家だと、死者の数や今回の感染拡大に関して、国が信用するに足るデータを公表しているかどうかさえ、国民は知るよしもありません。データは透明性を確保されるべきです。そしてもうひとつ 政府の決定には透明性がなければなりません。私は自国の政府の決定を監視できなくてはなりません。アメリカの交付金の分配状況を例にとりましょう。政府は先日2.2兆ドルの救済策を決めました。ではその交付金を受け取るのは誰でしょう?私がアメリカの市民権をもし持っていたら、こうした金がどこへ行くのか、この金をもらえるのは誰で、もらえないのは誰なのかを監視する力が欲しいと思うでしょう。ですから監視は両方向であるべきです。これは市民が持つべき力です。このような情報にアクセスできれば 市民はより大きな力を持つというわけです。そしてもし社会的距離を取ることや、手を洗うことの必要性を納得してもらいたいならば、市民を適切に教育し、信頼できる情報を提供したうえで、市民が自らの意志で正しく行動してくれると信頼するほうがずっと良いやり方です」
道傳「権威主義的、独裁的な監視に代わるものとして、民主的な監視が可能だという研究者がいます。民主的監視という言葉は自己矛盾ではないですか」
ハラリ「十分な知識を持ち、自分自身の動機づけを持つ国民は、警察力に頼る国民よりはるかに効果的です。これは緊急事態でも当てはまることです。例えば今回の危機で非常に重要な行動となった手洗いについて考えてみましょう。数億の国民に手洗いを強制するには2つの方法があります。一つは警官またはカメラをすべてのトイレに配置することです。国民を見張って、手を洗わなかったら罰するというやり方です。もうひとつのやり方は学校で良質の科学教育を通じて、ウイルスや細菌について理解させることです。ウイルスがどんなメカニズムで疾患を引き起こすかを教えるというやり方です。手を洗うことでウイルスや細菌を殺したり洗い流したりできるとメディアを通じて説明するやり方です。そのうえで正しい判断をすることを国民に委ねるのです。誰の目にも明らかだと思いますが、今回の危機においては、教育や個人的な動機付けのほうが、トイレに警官を配置するよりはるかに有効です。それはウイルスと闘うほかの方法にも当てはまることです。国民がすすんで協力すればその方がはるかに効果的です。そのためには教育が必要です。そして政府が提供する情報を信頼できることが必要です。私は監視を支持しますが 全体主義的な監視は支持しません。監視については、それが常に双方向に働くことを念頭に置かねばなりません。政府が国民の監視をするだけでなく、國民が政府を監視するという側面です。たとえば政府が腐敗しないように監視する、良い政策に転換するように見張るといった具合です。独裁国家にあっては、監視が一方通行なのです。政府が国民を監視して、政府の決定は国民から隠す。政府から国民に伝わる情報はありません。それはとても危険です。私は双方向である場合にのみ監視を支持します」
道傳「信頼してもらう、あるいは信頼を回復するにはどうしたらよいのでしょう。信頼は何もしないと生まれませんよね」
ハラリ「ひとつとても重要なのは、科学と研究機関への信頼です。この数年、ポピュリズムを奉じ責任感に欠ける政治家たちが世界中に登場しました。そして意図的に人達の科学や大学、研究機関への信頼をおとしめようとしてきました。一部の政治家は科学者に『浮世離れしたエリート』とのレッテルを貼り、権限を与えるなと主張しました。中には荒唐無稽な陰謀論を拡散した者もいます。ワクチン接種に反対したり、地球は平面だと主張したりする人まで現れました。しかしこの緊急事態に、権威ある科学者への信頼を覆すことがどれだけ危険かはっきりしました。緊急事態に直面し、幸いにもほとんどの国の人々、政治家さえ科学が最も信頼できるよりどころと感じています。疫学の専門家からの感染症についての情報を、私たちは真剣に受け止めています。気候変動の研究者が温暖化について警告したときも、同様の信頼をもって受け止めるべきです」
道傳「あなたは人々のエンパワーについて話されました。今の状況は市民に突き付けられた試練だと思います。市民の側にはどのような行動が求められますか。何かを待っている余裕はないはずです」
ハラリ「確かにこのような状況では市民にも多くの責任が生じます。一つは情報や行動のレベルです。信ずるべき情報を慎重に吟味し、科学に基づいた情報を信頼すること、そして科学的な裏付けのあるガイドラインを実行すること。市民が科学的情報に従えば、緊急時に独裁的な手法をとる必要性がなくなります。これは非常に重要です。私たち一人一人の務めは、現在の状況や誰を信じるべきかについて知識をつけ、大学や保健省など信頼するに足る組織から出された指針を忠実に守り、陰謀論の罠に陥らないことです。この危機的状況の中で市民に課せられた2つ目の務めは、政治状況に目を光らせておくということです。いまこの瞬間にも極めて重要な政治決定が行われています。その決定に参加し、政治家たちの行動を監視することがとても重要です」
道傳「長い人類の歴史『サピエンス全史』から見て、この世界的なパンデミックが持つ意味とは何でしょうか」
ハラリ「人類はもちろん、このパンデミック乗り切ることができるでしょう。私たちはこのウイルスよりずっと強いし、過去にもっと深刻な感染症を生き抜いてきた経験があります。その点に疑問の余地はありません。この感染拡大のインパクトが究極的に何をもたらすのか、あらかじめ決まっていません。それは私たちにかかっています。結末を選ぶのは私たちです。もし自国優先の孤立主義や独裁者を選び、科学を信じず陰謀論を信じるようになったら、その結果は歴史的な大惨事でしょう。多数の人が亡くなり、経済は危機に瀕し、政治は大混乱に陥ります。一方でグローバルな連帯や民主的で責任ある態度を選び、科学を信じる道を選択すれば、たとえ死者や苦しむ人が出たとしても、後になって振り返れば人類にとって悪くない時期だったと思えるはずです。私たち人類はウイルスだけでなく、自分たちの内側に潜む悪魔を打ち破ったのだ、憎悪や幻想、妄想を克服した時期として、真実を信頼した時期として以前よりずっと強く団結した種になれた時期として位置づけられるはずです」

3.ジャック・アタリ氏 (4月1日収録)

解説「3人目はフランスから、ヨーロッパを代表する知性 ジャック・アタリ氏です。経済学者で歴代の政権の顧問を務めました。アタリ氏がグローバル化の中で世界が直面する様々な危機についてこれまでも警鐘を鳴らしてきました」

文献 危機とサバイバル-21世紀を生き抜くための〈7つの原則〉-
ジャック・アタリ著 林昌宏訳 作品社 2014

2030年ジャック・アタリの未来予測-不確実な世の中をサバイブせよ!-
ジャック・アタリ著 林昌宏訳 プレジデント社 2017


道傳「今日は時間をとってくださってありがとうございます。ご家族の安全の心配と、やるべきことが多くてお忙しいですよね」
アタリ「そうですね そちらも同じでしょう」

解説「アタリ氏は11年前の著書(危機とサバイバル)で、未知の感染症によるパンデミックの起こる危険を警告していました。『市場のグローバル化や自由な流通により、今後10年で破滅的なパンデミックが発生する恐れがある。パンデミックは多くの個人・企業・国家のサバイバルにとって非常に大きな脅威である』」

道傳「あなたはパンデミックが起きると2009年に警告しています。今回のことは驚くにはあたらない。予告した通りのことが起きたとお考えですか」
アタリ「ええ10年前、確かにパンデミックのことを書きました。確率が低くてもそうした声には耳を傾けるべきだし、リスクが高い時には行動を起こすべきなのです。私たちの生きている時間は短いのですから」
道傳「このパンデミックは私たちに何を警告しているとお考えですか」
アタリ「多くのことです。衛生、社会の透明性、そしてパンデミックの警告を共有するルール作りの重要性について」
道傳「パリではいま都市の封鎖が実施されていますが、感染拡大が終息する兆しは依然見えません。パリ市民はこの困難にどう対処していますか」
アタリ「フランスは規律を守る中央集権型の国家で、政治がひとたび決定すればみな最善を尽くします。もちろんとても困難な状況ではありますが、日本やフランスでも多くの人たちが、今もなお任務についていることに感謝したいと思います。医療や食料品、流通、メディアなど、仕事している大勢の人が家の外へ働きに出ています。たとえばごみの回収や病院の清掃を行う人などもそうです。彼らは私たちの都市が生き延びるうえで、絶対的に必要な仕事を担っています。また、社会階級や社会的要求の違いによって困難も生じます。都市が封鎖されて家に閉じ込められても、裕福な人は家にいればよいでしょう。しかし狭い場所に詰め込まれる人にとっては困難が伴います」

解説「アタリ氏は3月半ば自らのサイトで、このパンデミックの及ぼす深刻な影響を分析しています。『新型コロナウイルスは何を生むのか』今世界を襲っている危機を乗り越えることほど緊急な課題はない。もし国家がこの悲劇をコントロールできないと証明されてしまったら、市場と民主主義という2つのメカニズムが崩壊してしまうだろう」。

道傳「経済学者でもあるあなたから見て、世界経済に与える打撃はどれほど深刻になると思いますか」
アタリ「最悪の事態を避けるためには、最悪を予想する方が良いと思います。私たちはいま1929年(大恐慌)以降最悪の危機に陥っており、2008(金融危機)と比べてもはるかに深刻です。世界経済の損失はGDPで20%に及ぶかもしれません。プラス1%とかマイナス1%ではなく、これは世界経済の最も重要な牽引力の一つであるアメリカが、ほとんど備えなしにこの危機的事態に突入していることと明らかに関係しています。この損失は決して小さくはすまないでしょう。もちろん各国の政府は状況を改善するために中央銀行による金融政策、思い切った財政などできることはすべやっています。うまくいっているかどうかはともかく、世界中で多くの支援が行われていることは確かです。ただし、それは結果を先延ばししているに過ぎません。レストラン、ホテル、店舗、スタジアムや航空業界など、人々が集まることが予想される業種はとても大きな影響、10%などではなく、60%あるいはそれ以上の影響を受けるでしょう」
道傳「とても恐ろしい見通しですね。あなたはさらに第二波、第三波にも備えるように警告されています。この状況はあとどれくらい続くのでしょうか」
アタリ「私は医者ではないのでそれは分かりません。ただ過去の例を見ると、パンデミックの最初の波が封じ込めや都市封鎖によってうまく収束したときに、外出して感染するという間違いを多くの人が犯しています。1918年のヨーロッパでは、スペイン風邪と呼ばれた伝染病が蔓延しました。第一波はすでに多くの犠牲者を出しましたが、外出するタイミングが早過ぎて第2波ではさらに多くの犠牲者を出してしまいました」
道傳「私たちは医者でもなければ、未来を占う水晶も持ち合わせていません。ですがコロナ後の世界はどうなっているでしょうか。最悪のシナリオとは」
アタリ「最悪のシナリオは世界的な恐慌、失業、インフレ、ポピュリズムによる政府の誕生、そして長期不況による暗黒時代の到来です。そうはならないと思いますが、最悪のシナリオが起こるとすれば、さっき言ったように早く外出しすぎて第2波に遭遇し、経済に打撃を受けるということでしょう。他にも非常に悪いシナリオが起こり得ます。新しいテクノロジーを使って、国民の管理を強める独裁主義の増加です。例えばヨーロッパでハンガリーなどの政府がしたように、パンデミックを独裁主義に向うための口実にするのです。それが一つの脅威です。さらに経済、健康、そして民主主義への脅威もありますね」
道傳「緊急事態が民主主義に与えるインパクトについてお尋ねします。緊急時には たとえ民主的な指導者であっても、前例のない権力を手に入れることがあり、大衆も厳しい政策を支持することがあります。それは民主主義にとってどのような意味を持つでしょうか」
アタリ「確かに安全か自由かという選択肢があれば、人は必ず自由でなく安全を選びます。それは強い政府が必要とされることを意味します。しかし強い政府と民主主義は両立しうるものです。第2次世界大戦のさなかのイギリスが良い例です。強力な政府を持ちながら民主主義でもありました」
道傳「このパンデミック中で差別や分断が、以前より目立ってきているのではと懸念しています。それには同意されますか」
アタリ「はい、連帯のルールが破られる危険性が極めて高い、つまり利己主義です。経済的な孤立主義が高まる危険もあります。他の国に依存しすぎるべきでないというのは一面の事実です。例えば『どうかエチオピアにマスクを売ってくれ』と中国に懇願しなくてもすむように。しかし、だからと言って国境を閉ざしてしまうべきではありません。私たちはもっとバランスの取れた連帯を必要としているのです」

解説「今こそ連帯が必要だというアタリ氏は、これまで利他主義(Altruism)という思想を主張してきました。今回の危機を受けて、改めて利他主義への転換を広く呼び掛けています『パンデミックという深刻な危機にした今こそ《他者のために生きる》という人間の本質に立ち返らねばならない。協力は競争より価値があり、人類は一つであることを理解すべきだ。利他主義という理想への転換こそが人類のサバイバルの鍵である』。危機的な状況の中でも、アタリ氏が選ぶ言葉はあくまで前向きです。

《THINK and Live Positive! (ポジティブに考えて生きよう)の字幕が出る》

頻繁に使われるポジティブという言葉が利他主義と並ぶキーワードです」


道傳「あなたのブログをずっと読んでいますが、その一貫した楽観主義が印象に残こりました。例えば『生命万歳!とか、ポジティブに生きよう」とか。そのポジティビズムや楽観主義はどこからくるのですか」
アタリ「まずポジティビズムはオプティミズム(楽観主義)とは異なります。例えば観客として試合を見ながら『自分のチームが勝ちそうだなと』と考えるのは楽観主義です。一方ポジティミズムは自分が試合に参加し、うまくプレーできればこの試合に勝てるぞと考えることです。そういう意味では私はポジティブであると言えるでしょう。私は人類すべてがこの試合に勝てると考えています。自分達の安全のために最善を尽くし、世界規模で経済を変革させていくことができれば、きっと勝てるでしょう。今の状況は、私がポジティブ経済と呼ぶものに向かう、とても良いチャンスだと思っています。ポジティブ経済とは長期的な視野に立ち、私が『命の産業』と呼ぶものに重点を置く経済です。生きるために必要な食料、医療、教育、文化、情報、研究、イノベーション、デジタルなどの産業です。生きるのに本当に必要なものに集中することです」
道傳「共感と利他主義について語っておられますが、人々がパニックになって買い占めを行ったり、国境を封鎖したりする中で、利他主義とはどのような意味を持つのでしょうか。あなたのことを無私の聖人のように言う人もいるのでは」
アタリ「いえいえ、利他主義とは合理的利己主義にほかなりません。自らが感染の脅威にさらされないためには、他人の感染を確実に防ぐ必要があります。利他的であることはひいては自分の利益になるのです。また、他の国々が感染していないことも自国の利益になります。例えば日本の場合も、世界の国々が栄えていれば市場が拡大し、長期的にみると自国につながりますよね」
道傳「利他主義とは、他者の利益のために全てを犠牲にすることではなく、他者を守ることこそがわが身を守ることであり、家族、コミュニティー、国、そして人類の利益にもつながるのですね」
アタリ「その通りです。利他主義とは最も合理的で自己中心的行動なのです。今回の危機は乗り越えられると思います。薬やワクチンが見つかるかはわかりませんが、数か月の間に打ち勝てるでしょう。医師ではないので何か月かかるかわかりませんが。ただし長期的にみると、このままでは勝利は望めません。経済を全く新しい方向に設定しなおす必要があるのです。戦時中の経済では、自動車から爆弾や戦闘機へ企業は生産を切り替えなければなりません。今回も同じように移行すべきです。ただし爆弾や武器を生産するのではありません。医療機器、病院、住宅、水、良質な食料などの生産を長期的に行うのです。多くの産業で大規模な転換が求められます。果たして私たちにできるかわかりません。パンデミックの後、人々が再び以前のような行動様式に戻ってしまうかもしれないから」
道傳「歴史を見ると、人類は恐怖を感じるときにのみ大きく進化すると以前おっしゃっていました。私たちはまさにいま進化するために、これまでの生き方を見直すべきと思いますか」
アタリ「まさしくそう思います。前進するために恐怖や大惨事が必要だというのではありません。私は破滅的状況を望みません。むしろ魔法によって今すぐにでもパンデミックが終息してほしいです。しかし良き方向に進むためには、今の状況をうまく生かすしかありません。利他的な経済や社会、つまり私が『ポジティブな社会』、『共感のサービス』と呼ぶ方向に向かうために。しかし人類は未来について考える力がとても乏しく、また忘れっぽくもあります。問題を引き起こしている物事を忘れてしまうことも多いのです。過去の負の遺産を嫌うためそれが取り除かれると、これまで通りの生活に戻ってしまうのです。人類が今、そのような弱さを持たないように願っています。私たち全員が次の世代の利益を大切にする必要があります。それが鍵です。誰もが親として、消費者として、労働者として、慈善家として、そしてまた一市民として投票を行う時にも 次世代の利益となるよう行動をとることができればそれが希望となるでしょう」

エピローグ
解説「世界をリードする知識人たち、私たちが同じ時間を生きているということをこれほど実感したインタビューはありません。底流していたのは、人類の未来を左右する重要な選択を迫られるという確信でした。パンデミックに向き合うことが、あるべき未来を私たち自身が手繰り寄せることなのです」


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