最終回
『激白さらば侍』
小太郎の前に現れた侍小太郎。
「漸く話す時が参ったな。
この日を待っておったぞ。」
「お前に聞きたいことが山ほどあるんだ!
何で逃げたんだ?
俺は、この刀を岩永の親父に返そうとしたんだぞ。
逃げたりしたら、余計に疑われるだろ?」
「甘いやつぞ。
嵌められたのがまだ分からぬか。
あやつはお主を罪人にするために、
敢えてこの太刀を持たせたのじゃ。
恐らく息子の過ちを
お主に擦り付けようとしたのであろう。」
岩永親子の偽りをこの手で暴くため、
刀を持って逃げたと言う侍。
認める訳ないと言う小太郎。
「ならば成敗致す。
我が殿の太刀、ここで巡りおうたのも縁じゃ。」
小太郎から刀を奪おうとする侍小太郎。
やめろとビビる小太郎。
「意気地のないヤツじゃ。
この三月あまり、お主の生き様とくと見せてもろうたが、
呆れ果てた。
勉学に励むでなし、何かに打ち込むでもなし、
流れのままに、ただ流されてるだけではないか!!
生きることは、常に真剣に立ち向かうことじゃ。
お主は生きておらぬ。」
「偉そうに言うなよ。
なんで流されているだけの俺に乗り移ったんだよ!!」
「聞きたいか?」
当たり前だと怒る小太郎。
「その意気だ。
男は愚弄されたら怒らねばならぬ。」
「上から目線はもういいよ。
ってか答えろよ!!
なんで400年もあとの俺のところに現れたんだよ。」
「394年じゃ。」
「細けっ!」
「わしにとっては、1日たりとも忘れることの出来ない、
長く、重い日々じゃった。」
「・・・なんでだよ。
お前、ってかお主、
俺と違って勇敢に戦って、勇敢に死んで、
思い残すことなんてなかったんじゃないの?」
そう言われた侍小太郎は机に何か書き始める。
“十七の 散る命火を誇るべし
残る夜月よ 清らかに照れ”
「わしの辞世の、句じゃ。
死に際して残す言葉じゃ。
戦に赴く前の夜にしたためた。」
「やるべきことを、ちゃんとやったから、
誇りある17年の人生だった・・・みたいな意味?」
「お主にしてはよう読み取った!
しかし、この句の通りにはいかなかった。
最後の戦、忽ち敵に囲まれ、何も出来ぬまま・・・
殿の為に、敵を蹴散らし、誇り高く散りたかった。
故に、394年を経た今、同じ名前を持ち、
わしが死んだのと同じ年になったお主の体を借りに参った。
誇りを取り戻すためにの。」
誇りなんて見えないし、
あるのかないのか分かんないと言う小太郎に、
「ある。」と答える侍小太郎。
「義を通せば、誇りは取り戻せる!!」
その時、先生たちやあいが教室の外に集まって来た。
校長が教室の鍵を壊し、ドアを開ける。
すると侍小太郎が刀を持ち立っていた。
「来るでない!!
わしは逃げも隠れもせぬ。
誠の戦をするだけじゃ。
立ち去れ!!」
ドアを閉め、教室に篭城する侍小太郎。
小太郎の両親が駆けつけ、信二が小太郎に呼びかける。
「小太郎。お父さんだ。お父さんだぞ。
無事で良かった。
何があったのか分からぬが、先生方心配しているぞ。
中村くんはお前の為にまだ警察にいるぞ。
一刻も早く刀を返して事情を説明しなければ、
大変なことになるぞ。」
「ご迷惑をお掛け致したことは謝り申す。
しかし、わしは訳あってこうしておる。
わしは、己のことのみを考えておるのではない。
岩永浩三殿をお呼び下され。
わしはこの刀を盗んでなどおらぬ。
本人に今一度、そのことを告げ、
真実を正したい。
見に覚えのない疑いを掛けられれば、
自ら晴らさんとするのは当たり前のことじゃ。」
先生たちがいい加減にしろと言う中、
信二が岩永の家へ行かせてくれと頼む。
校長は分かったと言いお願いする。
岩永の家へ行った信二。
「小太郎は、息子は、警察に捕まるのが嫌で
学校に隠れているのではありません。
あなたに会って自分で真実を確かめたいと言っています。」
「バカバカしい。
人の物を盗んでおいて何が真実ですか。」
「息子は盗んでいないと申しております。」
「じゃあなぜうちの刀を持ってるんですか?」
「それは・・・それは・・・
あなたと息子さんがご存知なんじゃありませんか?」
部屋の外で話を聞いている仁。
信二は土下座して頼むが、出て行ってしまう岩永。
あいが屋上からハシゴで下り、
侍小太郎がいる教室へ。
「そなたは・・・
そなた、忍びの心得でもあるのか?」
「そんなことよりも小太郎、早く出よう。
この状況、相当マズイよ。」
「おなごがしゃしゃり出る場ではない。
控えよ!!」
やるっきゃないと呟き、侍小太郎に抱きつくあい。
しかし小太郎に戻らない。
「そなた、そんなにわしのことを好いておるのか?
今は戦の最中じゃ。控えよ。」
今度はキスをするあい。
すると小太郎に戻った。
「私は好きでしたんじゃないんだからね。
いつもの小太郎に戻すためにしたんだから。」
「分かってるよ、そんなこと。」
(俺は思った。
すごく不思議だけど、
侍殿が必死でやろうとしていたことを、
簡単に諦めていいのかって。)
「俺、待ちたい。
親父が岩永のお父さん連れて来るのを。」
「来る訳ないじゃない。
早くしないと中村が可哀想だよ。
小太郎がこの刀を返さない限り、
中村は共犯だって思われて釈放されないんだよ。」
その頃、警察にいる中村は・・・
「望月が何をした?
ちゃんと話したら、帰してあげるよ。」
「お断りします。
望月くんが間違ったことをするはずありません!!」
侍のフリをしてあいを連れ教室を出る小太郎。
岩永家では信二が正座して待っている。
それをずっと見ていた仁。
「私は仕事に出かけます。
これ以上留まっていると、
警備の者が不法侵入で通報しますよ。」
「学校へ行くのは私ではない。警察です。
電話をしておきました。
間もなくあなたの息子さんは逮捕されるでしょう。」
「小太郎は間違ったことはしていません。」
それを聞いていた仁は・・・
小太郎はひみこの元へ。
「俺、突っ走っていいのかと思って。」
「どこに突っぱらかりたいの?」
「こいつの、持ち主のところへ。
俺を嵌めたヤツのところへ!!」
「行ってどうすんだよっ。」
「義を通す!!」
「洗脳されてね?
やべぇサムライに乗り移られて
困るって言ってたじゃん。
メチメタ追っ払ってくれーって
泣き入ってたくせに。」
「いや、そうなんだけど・・・
無視出来ないっていうか・・・
あいつの言ってること、正しいって。」
「じゃ、行けばよくね?
何迷ってんの?」
「もし途中であいつが出て来たりしたら、
だって、侍に刀持たせたりしたら、
相手を斬っちゃうかもしれないし!」
「刀はそんなに安いもんじゃない!!
本物の武士はね、斬る価値のある相手しか斬らないの。
そんなんも知んねーで、侍殿の代わりしようとかなくね?
最後のページ。」
そう言って本を差し出すひみこ。
そこには侍小太郎の辞世の句が。
「あんたの義の通し方って何なの?
武士はね、いざ戦場に立ったら、
自分のやり方で戦うんだよ。」
「俺にとっての・・・義の通し方。」
刀を見つめ、ひみこに一礼をして出て行く小太郎。
そんな小太郎に呟くひみこ。
「本懐、お遂げ下さいませ。」
学校に戻る小太郎。
「望月小太郎ならここにいます!!」
警察が小太郎を取り押さえようとする。
そんな警察を先生たちが阻止しようと頑張る。
刀を手に持ち、話があるから
5分だけ待って下さいと頼む小太郎。
仁も学校に来る。
刀は盗んでない、警察には行くつもりだと、
疑いが晴れるまでちゃんと話すつもりだと言う小太郎。
「取り敢えず、謝っちゃった方が
早いっていうのは分かってる。
・・・前の俺だったら、そうしてた。
けど、今回はそれじゃダメなんだよ!
最後まで戦いたいんだ!!」
そのせいで迷惑かけるかもと謝る小太郎。
「俺・・・友達が出来て、
そいつは、偉そうで、頑固で、
おまけに17歳で死んじゃったんだけど。
そいつに言われたんだ。
お前は生きてるのに生きてないって。
すっげぇ腹が立ったけど、
本当言うと・・・グサッときたんだ。
だって、そいつに会うまでの俺は、
いつも笑って・・・誤魔化してたから。
どうせ、どうせって、自分のこと、見限ってたから。
今、俺の中には、
そいつに教えてもらったことがいっぱいあるんだ。
戦わない限り絶対に勝てないってこと。
最後まで、諦めちゃダメってこと。
間違ってるって思ったら、ちゃんと違うって言うこと。
自分がいけてないのを、人のせいにするなってこと。
生まれてきたんだったら、
とにかく必死で生きてみろってこと。
だから俺は・・・戦うよ。
戦わせて下さい!!」
警察に刀を差し出し、連行される小太郎。
「待って!! 違う。
俺が刀を望月の家の前に置きました。
退学になったのが悔しくて嵌めようしたんだ。
俺が悪いんだ。」
小太郎が意識を失い倒れる。
「え? どこだよここ。」
「なんじゃ、そのザマは。」
「侍殿!」
「相変わらず弱いヤツよの。」
「・・・ごめん。
お主の思い果たせなかった。」
「いや、あれで良い。
お主は立派に戦ってくれた。
さらばじゃ、望月小太郎殿。」
「え? 行っちゃうの?」
「最初はあまりの不甲斐なさに呆れて、
なんとかお主を叩きなおそうと思うたが、
その必要はなかった。
漸く分かったのじゃ。
今の世にも、様々な戦がある。
そしてお主の心の中にも立派な剣がある。
それはお主が持つ優しさ、思いやりじゃ。
心の中にその剣を持ち続け、
これからも立ち向かうがよい。
お主のような子孫がおるということは、
わしがあの日戦で死んだのも
無駄ではなかったのかもしれん。
安心致した!!」
「ちょっと待って!!
子孫って・・・
俺はお主の、ひいひいひい孫とかってこと?」
「ああ。
わしが死んだ時に許婚の腹におった子が、
お主の18代前の先祖に当たるのじゃ。」
「え!? 俺と同い年で子供がいたの!?」
「わしの時代には珍しきことではない。
戦の前に契りを交わしたのじゃ。
お主もそれ位の甲斐性は持て。
おなごは良きものぞ。」
またどこかへ飛ばされる小太郎。
(あれ? ここはどこ!?
嘘!! 逆に俺が戦国時代に来ちゃったの!?)
「小太郎。そなた辞世の句は書いたか?」
「い、いえ、まだでございます。」
「戦では命を落とすやもしれん。
17とはいえ、戦に出陣する以上一人前の男じゃ。
辞世の句を残しておくがよい。」
「小太郎様。ご用意致しました。」
許婚が紙と筆を用意する。
「ひとつお話がございます。
ここに小太郎さまのやや子がおります。
どのようなことになっても立派にお育てします。
本懐、お遂げ下さいませ。」
目が覚めると病院だった。
岩永が自首したため、中村は厳重注意で釈放された。
小太郎も厳しく注意され、警察から出て来た。
「殿!! よくぞ、ご無事で。」
中村とあいが待っていた。
小太郎は侍小太郎のことを2人に話した。
そして小太郎の体には2度と侍は現れなかった。
ひみこのところへ行く小太郎。
しかしそこは10年前からカフェだったと。
受験の日。
信二は仕事が決まって初出社。
小太郎は試験会場へ。
(織田信長が殺されたのは何寺?
あれだよな。やっべー、最悪。度忘れだ。)
「たわけ!!
そんなことも知らんのか!!
信長公が命を落とされたのは本能寺じゃ。」
(やっぱり侍殿は幻じゃない。
いつもいる。側にいるんだ!
侍殿、ちょっと俺、頑張ってみるから
見ててくれよな。
あ、ご覧下され候!!)
で、結局ひみこは何者だったのだろうか・・・
なんで出て来たんだろ?
小太郎にアドバイス送るため?
侍姿の春馬くんはかっこよかった。
それを見るために見続けたようなものかな(笑)
私的には1月からやる「ブラマン2」が楽しみ。
其の壱 其の弐 其の参 其の四 其の伍 其の六 其の七
其の八
わざとらしい城田くんが、どうも鼻について・・・。杏の高校生も無理あったし・・・。
ブラマン2は安っぽくならないといいね。
イマイチでしたよね。
杏の高校生は無理ありすぎでした。
もう勘弁。
ブラマン2はちゃんと作ってもらいたいです。
私もそれを見るために見続けてました^^
「ブラマン2」楽しみですよね~
またお世話になります^^
あ、やっぱ侍の春馬くん見るために見続けてました?(笑)
ですよね~。
かっこよかったですね。
「ブラマン2」楽しみですね。
こちらこそ、またお世話になります。