其の伍
『バカ殿に捧ぐ命』
近所のホームレスが襲撃され、
目撃情報によると、1人は180センチを超える長身で、
もう1人は物差しを刀のように振り回し、
侍言葉を使っていたとのことで、
小太郎と中村が疑われた。
「うっそ~。
俺じゃないよ! 俺たちじゃない!!」
2人は事情を聞くために警察に連行されてしまう。
警察で事情聴取を受ける小太郎と中村。
2人共違うと訴えるが疑いは晴れない。
しかし証拠不十分で釈放。
翌日、小太郎は登校するもみんなから視線を浴びる。
そこへサッカー部の岩永たちがやって来る。
「あれ? 望月くん、君パクられたんじゃないの?
昨日警察に引っ張られてたじゃん。
「違うよ! 俺はただ、事情を聞かれただけで。」
「酷いんじゃない?
足の悪いホームレスをボコって、
なけなしの1万を奪って罪を認めないなんて。」
小太郎が教室へ入ると、クラスメートは小太郎を無視。
そんな小太郎にあいと百合香はいつものように接する。
「小太郎!やったの?」
「やってないよ!!」
「だったらウジウジしないで、みんなにはっきり言うの!
ちゃんと言わないと分かんないよ。」
やってないと言う小太郎に、
じゃあ、なんで中村は来ないんだと言われてしまう。
放課後、中村を心配した小太郎とあい、百合香が
中村の家へと向かう。
家のインターホンを押しても返事がない。
まさか気の弱い中村が自殺!?
そこへ中村が帰って来た。
「中村!! お前どこ行ってたんだよ!!」
「アルバイト・・・」
「心配したんだぞ!!」
「殿・・・」
小太郎たちは学校に来いと中村に言う。
やってないならちゃんと言えと。
「言ったって・・・どうせ、信じてくれないし。
殺人事件じゃないし、
大きな罪にもならないんでしょ?」
「お前・・・何言ってんのか分かってんの!?
やってないのに捕まるなんて、
やったより酷いよ!?」
「僕刑事さんに言われたんだよ!!
お父さんがいなくて、お母さんは病気で・・・
お金に困ってるだろ。
人のお金取っても仕方ないよなって言われたんだよ・・・
お金持ちじゃないけど、
人に迷惑掛けたことないのに・・・」
中村は泣きながら言う。
「・・・泣いてどうするんだよ。
怒れよ!! ふざけるなって!!
なんで言わないんだよ!!
・・・お前が怒んないんなら、俺が怒る!!
俺が、真犯人を見つけてやる!!」
小太郎とあいは、被害者のホームレス・山本に話を聞く。
山本は娘に貰った大事な1万円を取られたと言う。
「あの金は・・・別れた娘が、恵んでくれたものなんだ。
飢え死にしても、絶対に使うまいと思っていた。
娘の名前書いて、お守りにしていたんだ。
それを奪いやがって・・・
許せないんだよ!!」
小太郎は何も言えず、
足を引きずりながら立ち去る山本を見つめていた。
その時、あることに気づいた小太郎。
サッカー部の岩永が言っていた言葉。
「あいつら、
何で山本さんが足の悪いことを知っていたんだ・・・?」
小太郎は学校に戻り、
自転車で帰ろうとする岩永と大越を追いかける。
2人を追いかけて来た小太郎は、
岩永たちの溜まり場へと着いた。
そして岩永がバーテンに出した1万円札を奪う。
「そのお札見せろ!!」
そこには、赤ペンで“みゆき”と書かれていた。
「お前ら・・・
やっぱり、お前らだったんだな。
白状しろよ!!
俺らがやったみたいに見せかけて、やったんだろ!!」
しかしなかなか口を割らない岩永たち。
そして小太郎は岩永たちにとり囲まれてしまう。
その頃、あいは新聞配達に向かおうとする中村の元へ行き、
小太郎が真犯人見つけたから来てと言う。
一方、小太郎は・・・
証拠の1万を取られないようにしまう。
かなりマズイ状況なのに、
なかなか現れてくれない侍小太郎。
そこへ、中村とあいが駆けつける。
「殿!! どけ!!
大丈夫? 殿。
助けに来たよ。怪我してない?」
岩永はなんでやったか言い始める。
ゴルフ部が最近やたらデカい顔をして、
サッカー部をコケにするからムカついてやったと。
「それと俺たちと何の関係があるんだよ。」
「平民のくせにのさばってるからだ。
俺らも結城も特別選考で入学した。
選ばれた人間だ。
結城が相手ならまだ我慢出来る。
お前らみたいなヤツが注目を浴びるのが許せねえんだよ!!」
「・・・何だよそれ!!
ただの八つ当たりじゃないか!!
自分がダメなのを、人のせいにするなよ!!」
岩永たちと勝負することになった小太郎たち。
あいはサヤカに電話。
ゲームセンターの屋上で小太郎たちが向き合う。
「2対2だ。
俺たちが勝ったら、警察へ行け!!」
「OK。」
しかし勝負はいつの間にか他の連中も加わり、
岩永の手にはナイフが。
「卑怯だぞ!!」
「負けは負けだろ。
元々ケンカにルールなんかないっしょ。」
「殿!! 僕はいいから早く逃げて!!」
中村は大勢に殴られ、
蹴られながらも小太郎を逃がそうとする。
小太郎の頭に前に見た夢が過ぎる。
「生きるために逃げるは恥にござらぬ!!
わしならとうに、命を捧げる覚悟は出来てござる!!」
その時、小太郎に異変が起き、侍小太郎が光臨。
髪を束ねながら立ち上がり、
「おのれ奸物共め!!」
(待ってました侍!!
もう来てくれないのかと思った。)
「敵が力を我が物とする。
これぞまさに、武道の真髄なり!!」
次々と襲い掛かって来る連中を素早く交わし、
木材を刀代わりに倒して行く侍小太郎。
「他人を嵌めて、己の憂さを晴らさんとは、
人の道にあらず!!」
ナイフを持って向かって来た岩永も
あっという間に侍小太郎にやられる。
「お主らの生き様、口惜しゅうて仕方ないわ!!」
侍小太郎が岩永に向かって木材を振り上げる。
その時、あいが侍小太郎に抱きつき止める。
「小太郎ダメ!!
怪我をさせたら小太郎が捕まるんだから!!」
(離れて!!
それは・・・あ・・・無理、無理、無理~!!)
小太郎は気絶してしまい侍が消える。
小太郎が飛び起きると、
岩永たちが小太郎たちに迫って来る。
あいと中村を守ろうと立ち向かう小太郎。
岩永たちが小太郎に殴りかかる。
中村は小太郎を守ろうと彼の足にしがみついた時、
小太郎はバランスを崩して倒れ、
岩永の顔に頭突き!!
岩永は倒れてしまう。
「殿・・・勝った!!」
サヤカと駆けつけた警官が岩永たちを捕まえる。
「俺の親父は現職の国会議員だ。
お前みたいにちっぽけな公務員なんかすぐクビだ。」
「・・・関係あるかこのヤロウ!!」
小太郎たちは山本の元へ行く。
「これ・・・」と1万円札を返す小太郎。
「取り返してくれたのか?」
「山本さんの、大事なものだから。」
「・・・ありがとよ。」
職員室に、岩永代議士の秘書がやって来て、
穏便に済ませるよう頼む。
「そう言って警察にもお願いされたんですか?
でなければ、あんな騒ぎを起こした岩永くんたちが、
なんのお咎めもなしに釈放されるなんてあり得ませんものね。」
「岩永は、学校のためにも、
今後、力を尽くしたいと申しております。」
「いえ、結構です。
学校は、あくまでも教育の場。
政治の力を介入されたくありません。
岩永くんは退学です。
校長として、この決定を変えるつもりは
全くございませんので、さ、お引取り下さい。」
小太郎はひみこの元へ。
なんとか侍と上手くやっていける気がして来たと。
「考えてみたら、悪いヤツじゃないんですよね。
強いし、筋は通っているし。
問題は、素の俺とのギャップが
あり過ぎることだったんですけど、
俺自身が強くなれば、問題はない訳で。」
「たわけ。
あんたかてアホやろ~。
あんた歴史の重さ、
ヘビーでホラーなとこまだ分かってないし。
こっからよ。こっから。
あんたのボディーに侍殿の魂がフィットしたところで、
なんで彼が現れたか分かっかんね~。」
「そこなんすか? 俺も早く知りたいっす!!」
「呑気ね。
前にも言ったけど、武士は戦に生きるもんなの。
その武士に取り憑かれたってことは、
あんたの周囲でも、戦が起きるってことっしょ。
織田信長公が、本能寺でDEATHったり、
真田幸村様が大阪夏の陣でENDったりしたみたいに。
あんたの運命を揺るがす出来事が起きるよ。」
家に帰った小太郎。
そこで父から重大発表が。
「え~、この度、私望月信二は・・・
勤続年数25年、47歳のこの年まで、
あらゆる荒波を乗り越えて、
仕事一筋で頑張って参りました。
が、本日、依願退職を受け入れることに致しました。
平たく言うと、リストラってやつだ。
もっとハッキリ言うと、クビ?」
(き、来たぁ~~~っ!!
これが俺の関が原!?
それとも大阪夏の陣!?)
ストーリーはもうどうでもいいね(‐∀‐;)
そういえば、
今までこんな校長有り得ないと思ってたけど、
今回はまともなこと言ってた。
それにしても、
侍が出現するタイミングが訳分かんなくなってきたよ。
小太郎父は絶対仕事辞めたと思ってた。
ひみこはやっぱ好きだな~。
もうちょっと出して欲しいくらいよ(笑)
しかしこれって、最終的にどうやって収めるの?
其の壱 其の弐 其の参 其の四
現世での戦って何!?
侍ver.かっこいいけど
消えたりするとか???
せっぷくとか???
校長にはビックリしましたよね。
まともなことも言えるんだ~みたいな(笑)
侍ver.が消えてしまったら、
ちょっと寂しいです。
ってか切腹!? ∑(゜Д゜;)
それは・・・小太郎も危険(笑)