チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

辺野古埋立に沖縄南部地区の土砂を使用する計画が、人道上、環境上の問題で困難となり、政府は、奄美大島からの調達を打ち出さざるを得なくなった。しかし、特定外来生物の侵入を防止する県条例があり、これも困難

2024年04月22日 | 沖縄・南部土砂問題//遺骨問題 

 先日のブログで、政府が奄美大島から辺野古埋立用の土砂を調達する方針を出したという報道について説明した。

 設計変更申請の審査の過程で防衛局は県に対して、「現時点で、県外からの調達は考えていません」と文書回答しているので、県外からの土砂調達に転じるというのはにわかには信じがたい。しかも県外から埋立土砂を調達する場合、沖縄県の特定外来生物の侵入を阻止するための条例(以下、「土砂条例」)が適用される。報道では、「政府関係者によると、土砂を洗浄することで県外から搬入可能と判断した」(2024.4.19 琉球新報)と言っているようだが、石材とは異なり、土砂の場合は洗浄すればほとんどが流れてしまい、洗浄など不可能である(そのため、防衛局は、特定外来生物の過熱処理実験まで行ったのだ)。

 今回の設計変更申請でも、大浦湾の埋立には5年近くを要するとされている。土砂条例が適用されれば、県による事前の現地調査や、運搬船1隻毎の申請手続き等が必要となる。工期はさらに大幅に延びてしまうだろう。

 先の大戦の戦没者の遺骨が含まれる沖縄南部地区の土砂を米軍基地埋立に使用することは人道上も許されないという批判の声が高まっている。また、南部地区の土砂は那覇港(浦添埠頭)から海上搬送されるので(東ルートは、中城湾港からの海上搬送される)、那覇市内を土砂を満載したダンプトラックが走りまわるという環境上の問題もある。さらに、現在でも糸満・八重瀬の各地には、鉱山採掘跡の巨大な穴が放置されている。この上に、大量の土砂を採掘すれば、その埋戻し土はいったい何処から持ってくるというのか。南部地区の土砂は、採掘跡の埋戻しに必要であり、辺野古に搬送する余裕などない。

 防衛局は、こうした問題に対応できず、方針変更を強いられたのだろう。しかし、やはり南部地区の土砂が大量に使われることに変りはない。不足分を県外から調達しようとしているのだが、特定外来生物の侵入を阻止するための県条例がある限り、これも不可能に近い。

 結局、やはり、辺野古新基地建設計画は頓挫するのだ。

 

 

 糸満市清明の丘近くの巨大な鉱山。深さ30m近く掘られている(2024.4.21)

 埋戻しは遅々として進まない。しかもヘドロ状の土砂が放り込まれている。これは一体、何を投棄しているのか。

 下の写真は、この鉱山のちょうど3年前の状況。

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