@Guitar & Music & China

日本・中国を中心とした主に音楽と楽器を紹介します(節操はありません(笑)楽器は主にGuitarです)

【Gibson】’76 Mk-35

2006-04-01 | guitar
歴代のGibsonのなかでも、もっともGibasonらしくなかったギターでしょう。
マイケル・カーシャ博士による”カーシャ理論”に基づいて製作・販売された
Gibsonの”世紀の失敗作”とも言われたMkシリーズの末弟にあたります。

”カーシャ理論”とは、元々クラシック・ギターの為の理論で、如何に音の伝達効率をあげ
レスポンスその他、ギターの持つポテンシャルを最大限引き出す為に考案され
ブレーシングやブリッジ形状など様々な部分まで理論に基づく変更が加えられました。

’70年代に入り、生産効率を上げる為に行ったギター製作法の見直しや
Martinが広く受け入れられていた為、Martinタイプのスクエアーショルダーに変更
上げていけば切りのない程の悪循環で、最悪の事態を免れる為に起死回生の策として
満を持して発表された”Mkシリーズ”でしたが、外見の異様さに加え
Gibsonとは思えない繊細な音(Gibson=ストロークでジャカジャカ弾くイメージ)
と言うか、今までのどんなギターにもなかった音で、ギター単体としては
個人的には良い出来だと思いますが、Gibsonと言うブランドネームでは
全く想像だにしない(と言うかあり得ない)音でした。

私が弾いて見た限りでは、フィンガーにおける音の良さは(Gibsonと考えなければ)
特筆に価する音だと思っています。
ただ、唯一の失敗は発売したメーカーがGibsonであった事、それに尽きると思います。

結構な数のヴィンテージ物を所有・試奏したりしていますが、ヴィンテージGibsonの
一番の特徴は何と言ってもフレットの減り方にあると思います。
何しろ演奏によるフレットの減り、指板の減りは5フレット以下に集中しており
そこから上のフレットは見事なまでに原型を保っています(除く、リペア物(笑))
つまり遡って行っても、ハイフレットまで使ってインストやソロを弾くような人は
Gibsonユーザーとしては皆無にい等しかった訳です。

そのようなユーザーも傾向も調べないままMkシリーズのようなギターを出しても・・・
結果はねぇ・・・(笑)

現在は、”カージャ理論”をさらに突き詰めた形でスティーブ・クラインと言うルシアーが
製作していますが、そのギターは世界規模で高く評価されています。

その後、Gibsonは制作方法を伝統的な形に戻し改良を加える事で今日に至っています。

過渡期に咲いた仇花となってしまった”Mkシリーズ”ですが、主にフィンガーで弾かれる方は
機会があれば一度手に取って見てください、見方が変わりますよ。

追記:一点だけ分からない所は、このギターはMk-35にも関わらず
   バインディングが白だと言う事ですね、カタログ上は黒なんですが・・・

【’76 Mk-35】

Top:スプルース
Side&Back:マホガニー
Neck:マホガニー三ピース
Fingerbord:ローズウッド
Finish:ラッカー(ナチュラルorサンバースト)


おっきな写真はこちら


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