ギリシャ神話あれこれ:イピゲネイアの犠牲

 
 ミュケナイの港に集結したギリシア(=アカイア)連合軍。総勢10万、船にして1千艘という大軍。総大将はミュケナイの王アガメムノン。

 が、このアガメムノンというのは傲慢な男で、出征を前に狩猟に出かけ、アルテミス神の鹿を射た上に、つい口を滑らせて、自分の狩猟の腕前にはアルテミスもかなうまい、と高言してしまう。出征の前にこの失着、まるでアホ。
 案の定、怒れるアルテミスは、嵐を起こして船の進航を妨害する。

 やむなくギリシア軍はアウリスに停泊、嵐の収まるのを待つ。が、神さまが怒って起こした嵐だもの、一向に止む気配なし。
 このままでは出征は頓挫。困ったアガメムノンが予言者カルカスに尋ねると、アルテミスの怒りを解くため、王女イピゲネイアを生贄に捧げねばならない、と告げられる。

 悩めるアガメムノンは、しかし狡猾なオデュッセウスに説き伏せられ、さらに入れ知恵されて、勇猛で美貌の英雄アキレウスとの婚礼のために、と騙して、娘イピゲネイアを呼び寄せる。
 知らせを受けたイピゲネイアと、母である王妃クリュタイムネストラは、歓喜に胸を膨らませ、婚礼衣装を持参してアウリスに向かう。あの美貌と武勇の誉れ高い、ギリシア一の英雄アキレウスに、妻にと望まれるだなんて。

 が。待っていたのは、ギリシアの威信をかけた出征のために犠牲になれ、という父王の非情な命令。

 To be continued...

 画像は、ダヴィッド「アキレウスの怒り」。
  ジャック=ルイ・ダヴィッド(Jacques-Louis David, 1748-1825, French)

     Previous / Next
     Related Entries :
       アルテミス
       アガメムノン暗殺


     Bear's Paw -ギリシャ神話あれこれ-
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« ギリシャ神話... ギリシャ神話... »