ギリシャ神話あれこれ:ヘレネの誘拐

 
 子供の頃、「イリアス」を読んだがさっぱり分からなかった。導入書のようなものから始めればよかった。
 以来、叙事的な歴史(特に戦争)物語には、変に苦手意識が着いてしまった。トロイア戦争の物語も、だから、それ以上の関心が広がらなかった。高校の頃と最近と、「イリアス」を読み直してみたら、サクサク分かる。う~。

 さて、神々の約束というのは必ず果たされる。

 パリスの審判後、アフロディテは、約束の世界一の美女をパリスに獲得させるべく、船を準備してスパルタに行くよう彼に命ずる。目指すは、テュンダレオスから王位を継いだメネラオスの妃ヘレネ。
 が、名目は、父王プリアモスの姉ヘシオネをトロイアへ連れ戻すことだったらしい。

 出航前、予言の力を持つカッサンドラは、パリスの船出がトロイア滅亡をもたらすことを知って、彼を引き止める。が、アポロンの呪いによって、彼女の予言は誰にも信じてもらえない。カッサンドラの双子の兄で、同じく予言者であるヘレノスも、パリスの出航に反対する。

 が、パリスは妻オイノネを捨て、カッサンドラたちの忠告を鼻であしらって、アフロディテの子アイネイアスを伴い、希望に燃えてスパルタへと向かう。

 スパルタでパリスは、メネラオス王から手厚くもてなされる。が、王の留守中、不敵にも、アフロディテに恋を吹き込まれた王妃ヘレネと、おまけにちゃっかり金銀財宝と侍女たちとを奪取。そのままトロイアへとずらかって、ヘレネを妻としてしまう。

 To be continued...

 画像は、ルドルフ・フォン・ドイッチュ「ヘレネの誘拐」。
  ルドルフ・フォン・ドイッチュ(Rudolph von Deutsch, unkown)

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