ギリシャ神話あれこれ:パリスの審判

 
 相棒はいつも、「パリスの審判」と「三美神」とを混同する。神話画で裸婦が3人いれば、即、三美神と勘違いする。まあ、神話にかこつけて描かれたヌードって、どれも似たようなものなんだけど。

 ペレウスとテティスの結婚の祝宴には、あらゆる神々が招かれた。が、ただ一神、不和の女神エリスだけは招かれなかった。
 めでたい結婚の宴に、不和の女神なんて誰も呼びたいわけがない。が、陰湿な不和の女神だもの、エリスは悪意を胸に宴に出かけ(眠りの森の美女の魔女みたい)、さて、宴がたけなわになった頃を見計らって、「最も美しい方に」と記した黄金の林檎を、宴席に投げ入れる。
 この林檎は、西の果てにあるヘスペリデスの園からわざわざ取ってきたもの。さすが神さま、やることがマメ。

 さて、金の林檎に気づいた女神たちは、心中穏やかではない。慎ましい物言いだが、自分の美を自負する女神たちばかり。
 で、どういう経過は定かではないが、結局、最高神の妻、女神の女王たる妃神ヘラと、断トツに優秀な知恵神アテナ、そして当然、あらゆる美を司る美神アプロディテの3女神が最後まで残って、彼女らのあいだに一歩も退かない争いが起こる。

 To be continued...

 画像は、ルノワール「パリスの審判」。
  ピエール=オーギュスト・ルノワール
   (Pierre-Auguste Renoir, 1841-1919, French)


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