夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

あの頃、君を追いかけた(その3)

2013-11-04 23:07:52 | 映画
内容紹介の続き

1997年秋。
新竹の国立交通大学に入学したコートンは寮生活を送っており、毎晩、寮の公衆電話からチアイーに連絡していた。
クリスマス、コートンは台北にいるチアイーと約束して初めてデートする。
「これデートか?」
「私に聞く?」
「台北は寒いな…。」
2人が初めて手をつないで歩いていると、チアイーが尋ねる。
「コートン、本当に私が好き?美化してない?好きになられて、何だか不思議な気がする。私ってとても普通なの。あなたが好きになったのは、想像の私かも…。」
「妄想は苦手だ。」
2人は十分地区に行き、天燈に願い事を書いて空に放つ。その時、コートンはチアイーに自分の思いを打ち明けながらも、彼女からの返事を聞くことはなぜかためらう。チアイーは、コートンには見えない側で、天燈に「好」(いいわよ。付き合うわ)と書いていたというのに。(このことは、映画の最後で明らかになる。)

チアイーの気持ちが伝わらないまま、後に2人はつまらないことでケンカ別れしてしまい、そこにつけこんだアハが彼女に猛アタックをかけて付き合いだしたことで(わずか5ヶ月で別れる)、コートンは未練を残しながらもチアイーとは疎遠になってしまった。


2年後、1999年9月21日。台湾で大地震が起こり、コートンは安否を気にかけて久しぶりにチアイーに電話する。
「おまえはオレの長年の片思いの相手なんだ。いなくなったら、誰と昔話をするんだ?」
しかし、そのときにはチアイーにはすでに新しい彼氏ができていた。
「チアイー、パラレルワールドを信じるか? そこではオレたち、つきあってるかもしれない。」
「うらやましいな。…私を恋してくれてありがとう。」

2005年、チアイーは故郷の彰花で結婚式を挙げることになる。花嫁のたっての願いで、式場には高校時代の仲間たちが勢揃いする。コートンはネットで書き始めた小説が人気が出て、小説家になっている。ツァオはスゴ腕の中古車セールスマンに。アハはMBAを取り生命保険会社に。ポーチはアメリカの大学院へ。マタカキは公務員。チアウェイはブログの女王・ワンワンとして有名で、大金持ちと結婚。

…花嫁の入場を待つ間、コートンは仲間たちと話しながら、
「必死にホレてた相手だぞ、祝福なんかできるか。」
と言う。しかし、バージンロードを歩いてくるチアイーの美しい花嫁姿を見て、自分が間違っていたことを悟る。もしそれが、心から好きな人なら、祝福できる。永遠に幸せであれと。

映画ではこの直後、ひと騒動あるのだが、それは伏せておこう。
最後にチアイーに、
「結婚おめでとう。君は僕の青春だ。」
と祝福するコートンは、とてもかっこよかった。


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2 コメント

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ちかさだ様 (風の靴)
2013-11-06 12:39:07
こんにちは、ちかさださん(笑)

先日は、以前「男の伸びしろ」でちかさださんが仰って居られた事を思い出しまして・・・

楽天VS巨人戦での田中将大選手のプレーをずっーと拝見して居りまして、観戦後に感動と興奮のあまり居てもたっても居られず・・・(苦笑)

こちらにお邪魔いたしまして我を忘れ?(焦)際限なく語ってしまい・・・挙句の果てに試合日の表記間違ってしまう始末・・・(汗)失礼致しました・・・

大変申し訳ありませんでした。(反省)

ちかさださん「男の伸びしろ」で田中選手が「”楽天イーグルス”といった球団に入った事が逆に今後の彼にとって良かったのかもしれない」と言ったニュアンスの事をおっしゃって居られましたが・・・

仰る通り・・・”だからこそ”人々をあれほど感動させる結末になった様な気が致します。

その事を伝えたくて・・・お話が又長くなりました・・・
ごめんなさい・・・

ここからはお話しは変わりまして!(笑)

前回から三回にわたって拝読させて頂いて居りました
映画「あの頃、君を追いかけた」のエンディングを今お読みいたしましたら・・・

私が予想した展開ではなく・・
なんと以外な事にコートンとチアイーが二人でハッピーエンドではなかったのですね・・・

何とも切ない恋ですよね・・・すれ違いや誤解・・・恋愛には有りがちな・・・悔やみきれない大きな誤り・・・

殊にコートンのように男性は若ければ若いほど素直になれない事も多いのではないでしょうか?

これはどうかな~・・・男性女性に限らず、恋愛で自分の本心とは裏腹の行動をとってしまったり・・・
現実でも皆さん経験されていると思います。・・・(苦笑)

心は常に揺れ動いている・・・

人の心とは複雑なものです。

楽しかった思い出や・・・相手を恨んだり、自分を悔やんだり・・・

ですが・・・そんな事を全て乗り越えてこそ、人は強くなったり、それを糧に人間として成長していくのですよね。
その辛かった経験が・・・優しさや広い心を生む・・・

私は・・・傷ついてこそ・・・人は磨がかれていくものだと思います。

反省の意味でも・・・同じ過ちを繰り返さないようにしなければならない・・・

ラストの彼女の幸せを願うコートンの言葉は・・
彼女を本当に愛した一人の男として・・・

人として・・・素晴らしいものだと思います。

この映画は単に青春映画や恋愛映画に留まらず、ユーモアを交えながらも、人間としてどうあるべきか・・・
様々なものを訴えかけてくれる、映画だと感じました。

是非多くの若い方々に観て頂きたいと思います。

ちかさださん、素敵な映画の紹介をありがとうございました。(笑)




風の靴さんへ (ちかさだ)
2013-11-10 00:18:18
コメントありがとうございました。
この映画は台湾だけでなく、香港、中国でも愛され、日本でも人気を博しているようです。
ぜひ多くの人に見てもらいたい映画です。

台湾映画には『藍色夏恋』『海角7号』『台北の朝、僕は恋をする』など素敵な作品が多いのですが、この映画もとてもよかったと思います。

台湾の人気作家ギデンズ・コーが自伝的小説を、自ら監督となり撮った作品だそうです。ヒロインを自分の好きな女優ミシェル・チェンに演じてもらうなんて羨ましいかぎり、分かる人には分かるたくさんの小ネタもちりばめられて、少しも飽きない映画です。

1990年代も、はやノスタルジーの域に入りつつあるのかと感慨を覚えつつ、この作品にめぐり会えた幸運をかみしめています。

ありがとうございました。

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