LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

THE CONCORDE AIRPORT'79 (2)

2005-07-18 | THE 70'S CINEMA
アラン・ドロンが扮するのはコンコルドの名パイロット、ポール・メトラン機長で、
いかなる時も冷静沈着で、常に的確な判断を下す大変魅力的な人物です。
まるで『チェイサー』や『フリック・ストーリー』の主人公のようでもあり、
決して『プレステージ』の主人公のようではありません。(あったら困りますが・・)

『タワーリング・インフェルノ』でのニューマン&マックィーンの先例もあるように、
いわゆるパニック映画では主人公が単独で超人的に活躍する物語よりは、
二人の主人公が互いに協調し友情を育んでいく物語にする方がより感動的になります。
偶然にもこれはフランス映画でドロンが演じてきた映画の数々にもあてはまるもので、
この映画でも、ドロン機長とジョージ・ケネディ扮するシリーズの常連、
ジョー・パトローニ機長との間で信頼関係が構築されていく様が丁寧に描かれています。

また2回の攻撃から逃れてフランスにようやく到着した直後の機内で、
ドロン機長がデビッド・ワーナー扮する整備士に向かって
操縦席から振り向きざま「ありがとう。」と語りかける場面も
いつか何かの映画で見たシーンを思い起こさせます。

このようにこの作品の脚本家はあらかじめドロンの魅力について
かなり研究してシナリオを書いた形跡が見られることから、
いかに作品の出来はよくなくとも、
ドロン機長は魅力ある役柄として引き立っていると思います。

共演のシルビア・クリステルは撮影終了後のある雑誌か何かのインタビューで
撮影中ドロンから自分の演技についてかなり手厳しい評価を下された、と
ドロンの事を快く思っていない主旨の発言をしていました。
しかし確かにドロンの指摘の通り、
微妙な心理面の変化を、顔の筋肉に力を入れることなく表現することが出来るドロンに対して
全くそれに受け応えできず、ただ目を泳がせるだけの彼女の演技は
見ていて逆に気の毒になりました。

この映画の音楽の担当はラロ・シフリンです。
ドロンの作品では以前に『危険がいっぱい』『泥棒を消せ』を担当しており、
ドロンとはこれが3作目となります。(偶然とは言え珍しいことだと思います。)
このサントラ盤はCD化もレコード化も恐らくされていませんが、
メイン・タイトルとラブ・テーマはけっこう私は気に入ってます。
いつかCD化されることを願っています。

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