LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

IN PARIS (3)

2007-02-09 | ENCOUNTER
全くの偶然によってドロンさんのボディーガードのD様に外で出会い、
幸運にも“花束”の許可を得た私たちは再び午後7時すぎにシアター・マリニーに到着。

まずは例の“売れ残りチケット”を買ってくれる人がいないか、
劇場入り口の外で切符をかざして立っていましたが、
道行く人たちから全く反応がなく、今回はあきらめることに。

そしていよいよ劇場の係員に切符を見せてロビーの中へ。
(添付の画像はそのときのものです。)

ロビーの中は正面から見てクロークやバーが左右対称に配置されており、
座る席によって左と右のどちらかの入り口から入っていくのですが、
私たちの座席は中央の位置にあり、どちらからでも入ることが可能でした。

とりあえず開演までにはまだ時間が少しあったので、
正面玄関から向かって右側のバーで休憩することにした私たちは、
またもやバーの奥で携帯電話で打ち合わせをしているD様を偶然に発見。

カーテンコール時の花束贈呈の段取りを確認する為も兼ねて
改めてご挨拶に出向いた私たちを見たD様は、
たくさんの花束を抱えている私たちの姿を見て、
ご親切にも劇が終わるまで奥のスタッフの控え室に
これらの花束を置いておいたらどうかと提案して下さいました。

D様によって1階のスタッフ室に誘導された私たちは、
そこで少しの間待機することになりました。
スタッフ室にはこの舞台のポスターが何枚か置かれており、
「どうぞ持って帰ってください。」と言われ、
ありがたく持ち帰らせてもらうことに。

そんなことをしている間にD様が急にいなくなったので、
どこに行かれたのだろうかと思った私が
2階に上がっていく階段の下まで探しに行くと、
ちょうどD様が2階に上がる途中で、
私に気づいた彼は振り向きざま笑顔で手をかざして、
「ちょっと待ってて。」と合図を送られました。

こんな開演前の忙しいときに、私たちのようなものがお邪魔して
きっとややこしいことになっているのだろう、
あぁD様には申し訳ないことをしたなと反省していたその矢先でした。

2回から駆け下りてくる足音と共に、
スタッフに何やら問いかけている野太い聴きなれた声が聞こえてきたのです。
振り向いた私の目の前に現れた「その大きな人」を見て私は思わず叫びました。
「あっ!!!」
私の叫び声に驚いた「その人」は私に向かって私の声色を真似て
「アッ!!!」
と小さく叫び、と同時に人差し指を口に当てて
「シー」(静かに。)
と合図をされました。

そうです。

この「大きな人」こそ私が30数年間追い続けてきた
世界の大スター、アラン・ドロンさんでした。

驚いてあっけに取られている私に目配せをして
私たち一行が待機する部屋に入ってきたドロンさんは、
笑顔で一人ひとりに挨拶し、女性にはハグ、キス、握手の3点セット、
唯一の男性の私には力強い握手をして下さいました。

ドロンさんの出で立ちは、舞台前半のロバート・キンケイドの衣装のままで、
本番前の緊張の時間にもかかわらず
わざわざ私たちの為にスタッフ部屋まで下りてきて下さったのです。

あぁ何ということでしょう。
そんなドロンさんのサプライズな行動に感謝感激の私たちに向かって
ドロンさんはさらに驚くべきことを仰ってくださいました。
「今は時間がないから、後でね。」
と指を立ててその場を立ち去ったのです。

ドロンさんが去った後、放心状態の私たちは
とりあえず気を取り直して、花束を結局自分たちで抱えたまま
開演する舞台を観に座席に向かいました。

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5 Comments

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永久保存版 (Astay)
2007-02-09 02:16:09
チェイサー様
素晴らしい!克明にあの夜の出来事を記憶されているのですね
私は夢のようなひと時でしたのでほとんど忘れかけてました
なので、チェイサー様のこの記事を永久保存版でとっておきます
本当に、あの控え室で生まれた初めて見たドロンさんは
とても大きな方でした!
あれは偶然ではなくわざわざ来て下さったのですね・・・
優し過ぎますぅぅ
返信する
続きは~? (とんこ)
2007-02-09 10:20:22
私は「PARIS MATCH#3009」を眺めながらその時の
ドロンさんを想像をしています・・羨ましいすぎです。
こんな奇跡みたいなことありえないですよ~~
皆様の熱い想いが伝わった瞬間ですね!
舞台が終わったまたドロンさんにあとまた会われたのですか?
続きとても気になります。

返信する
何度会っても、、、 (おばさん2号)
2007-02-09 22:37:06
ドロンさんとは何度あっても、舞い上がって本当だったのか、勘違いだったのか、いつも判らなくなっています。
チエイサ-さんに書いてもらって、ああ!そうだった、と思い出します。
本当にあっと言うまでした。よくぞ、きれいに、リアルに書いてくださいました、続きを楽しみにしています。
返信する
記憶 (チェイサー)
2007-02-09 23:28:30
皆様にはできるだけリアルにお伝えしなければいけない、

という使命感のようなものを持って書いています。

と言いつつ、実は私もかなり舞い上がってましたので、

同行した妻に確認を取りながら書いています。

ですので今回のレポは二人の共同作業です。
返信する
納得! (Astay)
2007-02-10 00:59:13
そうだったんですか
今回は奥様も大活躍ですね!
現地でもお世話になりありがとうございました

何回も何回もドロンさんとお会いになっているおばさん2号さんも
いつも沈着冷静なチェイサー様も
舞い上がっていらしたなんて・・・・
ドロンさんの威力は格別ですね

チェイサー様、奥様
引き続きレポート宜しくお願い致します
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