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らくがき・澪

澪。
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らくがき・アンジェリカ

アンジェリカ。
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らくがき・澪

澪。
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らくがき・サイファ

サイファ。
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らくがき・レイチェル

レイチェル。
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らくがき・アンジェリカ

アンジェリカ。
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名探偵コナン「まさか! UFO墜落事件」

UFOの下敷きになって亡くなるとは斬新だな。つーか、あのいかにもUFOな物体が胡散臭すぎて…と思ったら作ってる小沼さんもちょっとアレな感じの人でした。本人も研究所もツッコミどころ満点。でも、どうみても犯人という感じではありません。

高木刑事の友達といえば子供でも現場に入れてもらえるのか。いやもう今さらか(笑)。なんだかんだいいつつ子供たちに押し切られちゃうあたり、高木刑事はほんと弱すぎるよなぁ。普通に灰原やコナンの質問に答えちゃってるもん。これだからなめられるんだぜ。

UFOのインチキ掛け軸を売りつけた大蔵という金貸し。数日前に息を引き取るとき「UFO」と言い残したとか。それは、UFO掛け軸を売りつけた研究所に隠し財産を隠したということでは…って、え、一時的とはいえ他人の家に隠すの? 見つけられたらどうするつもりだったの?? と思ったけど、掛け軸の軸の中かぁ。それならまあ見つけられる可能性は低そうですね。そこから引き取るにしても、研究一筋の小沼さんなら騙すのもちょろそうだし。

結局は殺人ではなく吊ってあったUFOが落ちてきた事故って…ええ? 本当にUFOの下敷きで亡くなってたのか。不法侵入者だからあんまり同情できないけど、下手すれば小沼さんや尋ねてきた他の誰かが下敷きになってた可能性もあるわけで。怖すぎる。研究は安全第一でお願いしますよ…!

▼名探偵コナン アニメ感想等
名探偵コナン@SKY BLUE
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らくがき・サイファ

サイファ。
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らくがき・七海

七海。
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tactics 15巻 初回限定版

tactics 15巻 初回限定版ドラマCD付 (2013/05/15)。毎年3月発売かと思ってたけどちょっと遅れて5月でした。まあ無事に発売されたのでいいんですけど!

今回も番外編なしで本編のみ。ようやく勘太郎の過去話が終わりました。長かったですね…何をやってたのか忘れかけてました(笑)。

大山さんに取り憑いたものは、人間でも妖怪でも悪霊でもないって何かと思ってたけど、第六天魔王…ってよくわからないけどすごいものらしい。勘太郎に憑いていたのもこいつなんですね。勘太郎が鬼喰い天狗に名前をつけられたりとか、実力以上(?)のことが出来たのは、こいつの存在があったからですかね。

母親を殺したって、まあ実際に勘太郎が手を下したわけじゃなく守れなかったとかそういうことだろうとは思ってましたが…。えと、墓は空っぽだったけど、ある意味ずっと勘太郎の中にはいたってことじゃないのかな? 勘太郎を見ていると愛情と憎悪は紙一重というのがよくわかる感じです。母親が自分をおいて死んだということより、大山さんに食べられることを望んだ(理解されることを望んだ)、というあたりが一番許せなかったのかな。

取り憑かれていた第六天魔王と融合する…ってどうなるんだろう? 見た目はとりあえず変わってなさそうだけど…思考も勘太郎のままっぽいけど、第六天魔王の思考も別で残っている? 第六天魔王の力だけ手に入れたとか、そんな都合のいいことはないよねぇ??

勘太郎は生い立ちのせいか、理解されることに関する欲求が過剰なんだと思う。母親に向けていた親子を超えた想いも、自分を多少なりとも理解してくれるただ一人の人だったから、そうなっていったんじゃないかなと思う。食べられたい、と思うようになったのは、母親のことがあったからだろうか。それが齟齬なく理解してもらえる方法だから。平たくいえばヤンデレというか、まあ究極の我が儘だよね。別々の存在だから良いことも楽しいこともたくさんあるのに、それを捨ててまで理解されて何になるのか。

ミニドラマCDは「秘湯と名探偵の夜」。なんか温泉率高くない?(笑)。福引きが当たるのも、都合よく鉢合わせるのもお約束(笑)。今回も男性陣だけでヨーコちゃんいない…なんかヨーコちゃんいないと寂しいんだけど、声が変わってても寂しいし、どうにも難しいところですなぁ。

蓮見も一緒に来てたんですね。名前はよく出てくるけれど、名前しか出てこないのはなぜだ。声優さんの都合? せっかくだから蓮見も出てきてほしかったなぁ。収拾がつかなくなりそうだけど(笑)。どうでもいいけど、蓮見はほとんど矢部(@TRICK)的な扱いになってる…髪の毛いじりがひどい(笑)。

名探偵とタイトルに入っていたけど、まさかコナンと金田一少年のパロでくるとは思わなかった。掴みだけだけどね! そして、そうだろうとは思ったけど、推理は何ひとつ合っていなかった…どこが名探偵や!(笑)。

再アニメ化、するといいなぁと私も思っています。ただし原作が完結してから!(何年後…)
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「東京ラビリンス」第41話・大人げない大人

「ぅぐっ……」
 誠一はくぐもった声を漏らしながら、瞼を震わせてそっと目を開いた。だが、あたりは真っ暗で何も見えない。手首は背中側でまとめて拘束され、足首と膝もそれぞれがっちりと縛られ、おまけに猿ぐつわまで嵌められている。立ち上がるどころか助けを呼ぶことさえできない。体のあちこちに壁や荷物のようなものが触れており、かなり狭いところに押し込められているようだと思う。
 体を少し捩ると、鳩尾のあたりに鈍痛を感じた。
 その瞬間、一気に記憶がよみがえって事の次第を理解した。楠長官に美咲とメルローズのところへ連れて行かれたあと、悠人と大地にそのときのことを報告すると、彼らは独断で警察庁へ直談判に行くと言い出し、それを制止した誠一の鳩尾を殴って気絶させたのだ。その後、体を縛り上げたうえでここに幽閉したのだろう。
 それからどれだけの時間が過ぎたのか、そもそもここがどこなのか、今のこの状況では判断のしようがない。それでも落ち着いていられるのは、命の危険はないとわかっているからだ。これは直談判に邪魔が入らないための一時的な措置であり、それさえ終われば解放してくれるはずだと確信していた。

「師匠!」
 不意に、澪の切羽詰まった声が耳に届いた。
 直後にガチャリと部屋の扉が開き、スイッチを弾いて蛍光灯がつけられたようだ。仕切りの隙間から僅かに灯りが漏れ入ってきたが、外の様子はおろか周囲さえほとんど見えない。ひとつの落ち着いた足音と、それを追いかける軽い足音が、部屋の中に踏み入ってくるのが聞こえる。だが、誠一の押し込められた狭い場所を開く気配はない。
「今までどこへ行ってたんですか? お父さまや誠一も一緒だったんですか? 櫻井さんが言ってました。誠一はお仕事から帰ってすぐ師匠に呼ばれたって。でも、探してもみんなどこにもいないし、帰ってきたのは師匠ひとりだし……」
 澪が心配そうな声で問いただしている。しかし、悠人は疲れたように深く溜息をついた。
「あとで話す。今はしばらく一人にしてほしい」
「じゃあ、お父さまと誠一が無事かだけでも教えて!」
 必死に追い縋るその声とともに、踏み込んだ足音も聞こえた。澪の思いつめた顔が目に浮かぶ。それでも悠人は心を動かされなかったようだ。訊かれたことに答えるどころか、まるで詰るかのように冷えた声を投げかける。
「僕の心配はしてくれないんだな」
「えっ?」
「ただの雇われの身だから当然か」
「あの」
「どうせ家族でも恋人でもないからな」
「師匠?」
 澪は戸惑いを滲ませて怪訝に聞き返した。暫しの沈黙のあと、悠人は静かに吐息を落として口を開く。
「すまなかった……澪、君を傷つけるようなことをしたくはないが、今は自分を抑えられる自信がない。一緒にいたら歪んだ感情をぶつけてしまいそうだ。だから頼む、落ち着くまでしばらくのあいだ一人にしてほしい」
「……わかりました」
 澪はそう答えると、一呼吸おいてから冷静に言葉を繋ぐ。
「これだけは言わせてください。私、師匠のこともずっと心配していました。心配しないわけがありません。家族じゃないけど家族も同然だと思ってますし、私にとってかけがえのない大切な人なんですから」
「だが、君は僕を選ばない。君だけじゃなく……」
 その続きが語られることはなかった。深い苦悶の滲んだ声を詰まらせて、何度目かわからない溜息をつく。クシャと髪を掻き上げるような音が聞こえた。
「すまない……」
「うん……私、もう行きますね」
 その言葉を耳にして、ずっと会話に聞き入っていた誠一はようやく我にかえった。澪に気付いてもらえるこの機会を逃すわけにはいかない。固く縛られたまま慌てて大きく身を捩ると、ガタガタッ、と足と肩が周囲にぶつかり音が立った。
「……何?」
「忘れていた」
 ひどく醒めた声が落とされたかと思うと、足音がまっすぐにこちらへ向かってきた。耳元でガタリと音がして扉が開かれる。暗かったそこに蛍光灯の光が差し込み、誠一の視界は一瞬で白んだ。その眩しさに眉をしかめて目をつむる。
「誠一?!」
 悲鳴のような甲高い声が頭上から降りそそいだ。おずおずと目を開くと、今にも泣きそうに顔を歪ませながら、混乱ぎみに覗き込んでいる澪がいた。遠慮がちに触れてくる細くもあたたかな指先に、誠一は安堵して体中から力が抜けていくのを感じた。

 誠一はすぐにそこから出され、手足の拘束と猿ぐつわを解かれた。
 幽閉されていた場所は、悠人の部屋に備え付けられたクローゼットだった。時計を確認するとあれからもう四時間半が過ぎている。縄で縛られていた部分はもちろんだが、無理な姿勢が祟ったのかあちこちが痛い。おまけに全身がカラカラに脱水しているかのようだ。
 そのことを告げると、澪がどこからかペットボトルの水を持ってきてくれた。受け取るなり勢いよく呷って流し込む。冷たい水が喉から五臓六腑に染み渡っていき、しおれかけた体が生き返ったように感じた。ただ、さすがに疲労までは回復されるはずもなく、いっそこのまま寝てしまいたい衝動に駆られるが、腰掛けているのは悠人のベッドなので横になるわけにもいかない。
「誠一にこんなひどいことしたの、師匠なんですか……?」
「僕たちの行く手を阻もうとしたからね」
「誠一が何したっていうの? ここまでやる必要があったの?!」
 澪は涙目になりながら悠人を責め立てたが、誠一が間に入り、彼女をやんわりと宥めて落ち着かせる。もちろん澪が自分のために怒ってくれたことは嬉しいし、こんなことをされた本人として腹立たしい気持ちもある。だが、今はそれに拘泥するよりも、気絶したあとに何があったのかを一刻も早く知りたかった。

 剛三の書斎にある打ち合わせスペースに、皆が集められた。
 そこで、今朝から立て続けに起こった重要な出来事を、悠人が時系列に沿って端的に説明していく。誠一が楠長官に連れられて美咲とメルローズのところへ行ったこと、美咲は自らの意志で公安のもとに身を寄せていること、それを聞いた悠人と大地が楠長官のところへ直談判に行ったこと、大地は橘家を離れて美咲とともに暮らす選択をしたこと、メルローズを安定させられれば二人は解放されること、それが可能になるまで数ヶ月ほどかかる見込みだということ――誰も口を挟むことなく、一様に難しい顔をして彼の話に聞き入っている。ただ、武蔵だけは敵意を露わにして悠人を睨みつけていた。
 話が終わると、剛三は大きく息をついた。
「勝手な行動はするなと言ったはずだ。おまえがついていながら何をやっていた」
「申し訳ありません。しかし、長官と会って感触を掴むのが最善だと判断しました」
「準備をしてから臨めば、美咲たちの居場所が早々に掴めたかもしれんだろう」
 剛三の言葉を聞いて、悠人は今さら気付いたかのようにハッとしていた。誠一が手がかりを掴んで来なかったことを責めておきながら、自分たちは何の準備もしていかなかったなど、大地も悠人もどれだけ間が抜けているのだろうと思う。
「篤史、進捗はどうだ?」
「難しいな。美咲さんが連れて来られたあたりの映像とも照らし合わせて確認してみるが、場所が突き止められる可能性は低いと思う。あちらさんもかなり警戒して慎重になってるみたいだしな」
 篤史は表情を渋くして剛三の問いに答えた。メルローズが橘家から拉致されたときには、警察庁所有とわかる車を使っていたため、比較的容易に行き先を特定することができた。だが、今回はそれとわからない車が使用されているのだろう。
「数ヶ月、待つしかないってこと?」
 今まで無言で聞いていた遥が、不意に口を挟む。
 その瞬間、武蔵は沸騰したようにカッと頭に血を上らせると、「ふざけるな!」と叫びながら、思いきり机にこぶしを叩きつけて身を乗り出した。鮮やかな青の瞳には激しい憤怒が燃えたぎっている。
「橘美咲は勝手にすればいいが、メルローズはどうしてくれる?!」
「落ち着け、武蔵」
 剛三は眉ひとつ動かさずそう言い、彼を見据える。
「メルローズは不安定な生体高エネルギーを抱えており、美咲はそれを安定させるために尽力しているのだ。メルローズにとっても君にとっても悪い話ではないだろう。今、メルローズを公安から救い出したとしても、暴発の危険があるのなら普通の生活は送れまい。それに、公安も彼女が安定するまでは実験を進められないはずだ」
「そんなものただの憶測だ」
 武蔵はテーブルに両肘をついて頭を押さえた。あいつ殴っておくんだった、といまいましげに吐き捨てて舌打ちする。あいつというのは大地のことだろう。もっとも、殴っておけば事態が好転したというわけではないが、そう思うしかない彼のやるかたない心情は理解できる。
 しかし、剛三は慰めるでも諦めるでもなく、凛然と前を向いていた。
「ただの憶測ではなく確度の高い憶測だ。絶望するのはまだ早い。メルローズを救えるよう共に力を尽くそう。美咲が彼女を安定させるまでの数ヶ月で、可能な限りの調査をして救出計画を立てる。南野君にも引き続き協力を頼みたい」
 そう視線を向けられると、誠一は背筋を伸ばしてしっかりと頷いてみせる。もとよりこのまま引き下がるつもりはなかった。役に立てるかどうかはわからないが、求められる限りとことん付き合うつもりである。
 遥は無表情のまま、剛三に目を向けて尋ねる。
「僕たちは?」
「今のところおまえたちにやってもらうことはない。とりあえず、そろそろ学校へ行った方がいいだろう。特に澪はもう一ヶ月も休んでおるのだからな」
 それを聞いて、澪は困惑まじりの何ともいえない表情を浮かべた。こんな状況で学校なんてという気持ちが滲み出ている。しかし、澪たちが学校へ行くことは誠一も全面的に賛成である。学生時代の一ヶ月は大きい。頭はいいようなので今ならすぐに取り戻せると思うが、長引けば長引くほど大変になる。まもなく受験生になるのだからなるべく早く復帰した方がいいだろう。
「わかった。あしたから行く」
「私もそうします……」
 遥が了承すると、澪も見るからに不満そうではあるがそれに従った。剛三は満足げに大きく頷き、悠人も篤史も同調している。そういえば篤史も大学生だがきちんと通えているのだろうか、と誠一は少し気になったが、自分が踏み込むことではないと考えて口には出さなかった。

 話は一段落した。
 誠一たちは、剛三と悠人を残して書斎をあとにした。篤史と遥はさっさと自室へ戻っていく。武蔵も自室へ戻ろうとしていたが、澪が追いかけて後ろから呼び止めていた。何かを話しているようだが距離があるためよく聞こえない。やがて澪は申し訳なさそうにペコリと頭を下げるが、武蔵は彼女の顔を上げさせ、宥めるように優しくポンとその頭に手を置いた。そのまま互いに言葉を交わしたあと、二人は笑顔で小さく手を振り合って別々に歩き出した。
 澪は離れたところに立っていた誠一に気付くと、小走りで駆け寄って来た。
「もしかして、心配してくれてた?」
「少しね」
 誠一がそう答えると、澪はほんのりと嬉しそうな笑顔を見せる。何の話をしていたのかも気になるが、それはあえて尋ねないことにした。だいたいの想像はついている。おそらく大地のやったことを彼女が謝罪していたのだろう。血の繋がりはないが身内であることに変わりない、少なくとも彼女の方はそう思っているはずだ。そして、武蔵は「おまえが謝ることじゃない」などと言って宥めたに違いない。まるで聞いていたかのように会話が脳裏に浮かんでくる。
「あ、こっちだと遠回りだよ?」
 考えながら歩いていると、隣の彼女がふと気付いたかのようにそう言ってきた。澪の部屋へはまっすぐ向かっているのだが、誠一の使っている客間は反対側なので、確かに誠一には遠回りになるだろう。もちろん、それをわかったうえでこちらへ歩いているのだ。
「部屋まで送っていくよ」
「えっ……うん、ありがとう」
 澪は少し驚いていたが、すぐ屈託のない笑顔になり嬉しそうに頷いた。誠一の腕にぎゅっと抱きつき身を寄せる。シャンプーなのかボディソープなのかわからないが、微かに立ち上るその甘い匂いにひたっていると、彼女が小首を傾げながら遠慮がちに覗き込んできた。
「ね……今日、一緒に寝てほしいな」
「えっ?!」
 まさかこんな状況で誘われるとは思いもしなかった。嬉しくないわけではないがどう考えてもまずい。なにせ隣は遥の部屋なのだ。どこか別の部屋だとしてもやはりまずい。理性を総動員してどうにか踏みとどまろうとする。
「いや、それは……その、声とか聞こえるかもしれないし……」
「あ、そうじゃない! そういうのじゃなくて!」
 澪は慌てふためいて両手をふるふると左右に振りながら、一気に顔を紅潮させた。それから困ったように顔をうつむけると、ちらりと横目を流し、どこか恨みがましく小さく口をとがらせる。
「ただ一緒に寝るだけなんだけど……ダメ?」
「あっ……ああ、そういうこと……」
 先走った勘違いがたまらなく恥ずかしいが、あれは勘違いしても致し仕方ないだろう。そう自分に言い訳しつつ、誤魔化すように顔をそむけて前髪を掻き上げる。露わになった額には少しだけ汗が滲んでいた。

「子供のころは、よくこんなふうに師匠と一緒に寝ていたの」
 澪はパジャマに着替えてベッドの上に座り、枕代わりのクッションを抱えながら、過去を懐かしむような口調でそう言った。少し寂しげな表情だったものの、すぐにパッと明るい笑顔を取り繕う。彼女が何を思っているのか察しはついたが、そこに踏み込むことなく、誠一は冗談めいた物言いでおどけてみせる。
「俺は保護者代わり?」
「ダメ?」
「それはそれで嬉しいよ」
 不安そうに顔を曇らせた澪が、ほっと小さく息をついた。
 求められたのが保護者としての役割だとしても、澪の不安を解消する手助けになるのなら、彼女の恋人として嬉しく思わないはずがない。ただ、その気持ちの根底には悠人への対抗意識もあるのかもしれない。そんな自己分析をしながら、誠一は蛍光灯を落として澪の待っているベッドへ向かった。

 薄暗い部屋の中、二人は狭いシングルベッドで寄り添って横になった。
 ただ一緒に寝るだけなら問題ないと了承したものの、こんなにも密着しながら何もしないというのは難しい。もちろん自制はするが、さすがに熟睡することは出来ないだろうと思う。それでも、彼女が少しでも安心して眠れるというのなら――。
「師匠、何かあったのかな」
「……多分ね」
 天井に顔を向けたままぽつりと言葉を落とした彼女に、誠一は率直に答えた。あのときの様子を見れば誰でもそう思うだろう。おそらく警察庁で何かあったのだと思うが、何があったかまではわかるはずもない。父親である楠長官に挑発されたのかもしれないし、身勝手な大地と言い合いになったのかもしれない。
「今日の師匠、駄々をこねる子供みたいだった」
 今まで親同然の存在だっただけに、彼女が困惑するのも理解はできる。だが――。
「大人だからって立派になるわけじゃないよ。本質は子供のころとそんなに変わらない。取り繕うのが上手くなって理性的に振る舞えるようになる、それがある意味で大人になるってことかもしれない。楠さんもそうだろうね。でも、あのときはきっと許容量を振り切っていて、取り繕う余裕がなかったんじゃないかな」
「そっか……」
 澪はもぞもぞと動いて誠一の方へ体を向けると、そっと袖を掴んで頭を寄せる。
「私、本当に師匠のことを大切に思ってるし、師匠が苦しんでるなら力になりたい。だけど、師匠を選ばなかった私が何を言っても、傷つけてしまうだけなのかな……白々しい慰めとしか受け取ってもらえないのかな……」
「それは、楠さんが自分で乗り越えるしかないだろうね」
 冷たいことを言っている自覚はあるが、実際そうするしかないように思う。澪がどう慰めたところで、彼自身が変わらなければ心から受け入れられはしないだろう。彼に多少の同情はするが、自分と相手の気持ちが重ならないなど誰にでもあることだ。みんな気持ちに折り合いをつけながら生きているのである。
 暫しの沈黙のあと、袖を掴んでいた彼女の手に力がこもった。
「師匠との結婚、受け入れられたら良かったのに」
「……澪、変なことを考えてないだろうな?」
 誠一は心臓を冷たい手で鷲掴みにされたように感じて、思わず低い声で問いただす。
 彼女はゆるく頭を横に振った。
「誠一と出会ってないときに師匠に結婚しようって言われたら、少し迷うかもしれないけど、受け入れて結婚して幸せになったんじゃないかなって思う。でも、誠一と付き合っている今はとても受け入れられない……もし受け入れたとしても、お互いにわだかまりが残っちゃう気がする……上手く言えないけど……」
「わかるよ」
 誠一は密かにほっとして答えた。しかし、彼女は伏せた瞼を震わせる。
「私はますますわからなくなってきちゃった。ひとに対しての気持ちって何なんだろうって。状況によって変わるものなのかな。相対的なものなのかな。私が流されやすいだけなのかな」
「相対的、か……自分としては縁と言いたいかな」
「縁?」
 澪はうつむけていた顔を上げ、半分布団に埋もれた状態で小首を傾げた。
「たとえば、俺と澪がもう一年早く出会っていたら、付き合っていなかったかもしれない。もう一年遅く出会っていたら、もう楠さんと婚約していたかもしれない。でも、俺たちはあの日に出会って付き合っている。それは縁があったってことなんだと思う」
「うーん、わかったような、わからないような……」
「別にわからなくても構わないよ」
 眉を寄せながら混乱した様子で考え込んだ澪に、誠一は軽く笑いながら言った。運命と言う人もいるだろうし、奇跡と考える人もいるだろうが、それを縁と呼びたいだけのことだ。他の人に押しつけようという気はない。
「ただ、俺がこの出会いに感謝してるってことだけわかってもらえれば」
「うん、私も……ずっと今みたいに誠一を好きでいたいな」
 澪ははにかんだ微笑を浮かべて、そんないじらしいことを言う。誠一はたまらず華奢な体を抱きしめた。腕を緩めて至近距離で彼女を見つめると、少し戸惑った顔をしていたが、その表情にかえってそそられてしまう。思わず、赤みの差した柔らかな頬に口づけを落とした。
 それだけで終わるつもりだった。しかし――。
 彼女の潤んだ瞳の中に自分と同じ熱情を見つけると、今度は火が付いたように激しく唇を奪った。そのまま裾から手を滑り込ませる。指先に感じる柔らかな肌、首筋に掛かる熱い吐息、耳に届く押し殺した喘ぎ声、微かに鼻をくすぐる甘い匂い――理性は溶け出し、歯止めが利かなくなっていった。

「ねえ」
 ガチャ、と扉が開くと同時に聞こえた不機嫌な声。
 誠一は澪の胸元に顔を埋めた状態でビクリと凍りつき、思考が真っ白になった。
「ちょっ……ノックくらいしてよ!」
 澪ははだけた胸元を大慌てで掻き寄せながら、上気した顔のまま、誠一を押しのけるように体を起こした。今さら無意味だと思うが、布団を引いて誠一の頭を隠そうとする。扉のところに立っていた遥の、呆れたような大袈裟な溜息が聞こえてきた。
「隣に僕がいることわかってるよね」
「え……あ、うん……」
 澪は消え入りそうに返事をした。遥はさらに険のある声を張る。
「誠一もわかってるよね?」
「……ああ」
 誠一は頭から布団をかぶったままぼそりと答えた。顔を出して謝罪すべきかどうか迷ったが、澪が望んでいないだろうと思い、その場で身じろぎもせずにじっとしていた。酸素不足のせいか、この状況のせいか、やたらと顔が火照って息苦しい。
 やがてパタリと扉の閉まる音が聞こえ、足音が遠ざかっていく。
 誠一は無意識にホッと安堵の息を漏らし、体を起こした。念のため見まわしてみるが遥の姿はもう見えない。澪と視線が合うと、気恥ずかしさから互いに目を泳がせて薄く頬を染める。
「ごめんな」
「うん、私も……」
 そう言って照れ隠しに小さく笑い合うと、二人は再び横になった。もう暴走はしないと気を引き締める誠一の隣で、澪はあっというまにすやすやと寝息を立て始める。誠一はときどき恨めしげに彼女の寝顔を眺めつつ、いっそ部屋を出ようかと葛藤しながらも、結局は彼女の隣からさえ抜け出せず、そのまま朝方まで寝付くことが出来なかった。


…これまでのお話は「東京ラビリンス」でご覧ください。

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