写真は20年以上も前のものとなりました

つれづれなるまゝに日ぐらしPCに向かひて心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつづっていきます

本3冊

2016年12月30日 | 随想

またしても3冊の「併読」である。うち、1冊はコミックだけど。


まず、誰が天照大神を女神に変えたのか。リンク先の紹介欄には、 

もともとは「天照(あまてる)」などと呼ばれる男性の太陽神の信仰があったのだが、六世紀半ばに巫女の神「大日女(おおひるめ)」が合祀されて女神となったという。古代史を専門とする歴史家である著者によると、天照大神を女神に変えたことで、天皇家の権威が確立したと考えられる。それはなぜか? そして、誰が天照大神を女神に変えたのか?

と、ある。

~ネタバレすれば、それは継体天皇だった、というのが著者の説。へ~、そうだったのか。まぁ、一応、面白い。

今年は天皇の譲位発言が大きく採り上げられたが、天皇と皇后の役割について本書では日本が古来、「母親を尊重した上での男系」であると指摘した上で、 

日本では、古くから母親となる女性を尊重する発想がつよかった。武士の家ができた後でも、後継ぎを生む武士の嫡妻が重んじられて、家の財産の管理をすべて委ねられていた。

皇室では古くから、「天皇と皇后が一体となって国を治めていく」とする考えが受け継がれてきた。

天皇と皇后とは、それぞれ別の役割をもつ。そのどちらが欠けても日本の君主としての役割ははたせない、とされたのである。

政治や朝廷の主要な祭祀は天皇の役割であった。しかし、皇室を束ねる役目は皇后が握っていた。皇后の意向によって、皇位を継承する皇子が決められた場面も少なくなかった。

との記載が見える。このあたりは日本の女性の賢さというか、たくましさであろう。前には出ずとも勘所はしっかりと押さえている。こういうところが諸外国からは理解できないらしく、管理職とか議員に女性の割合が少ないとか言って騒ぎ立てている。

目次を見てみると、

 序 天照大神が女性であることは、日本史最大の謎

 第一章 複雑な性格をもつ天照大神

 第二章 なぜ縄文人は女神を信仰したのか

 第三章 祖霊信仰と婿入り習俗

 第四章 男性の太陽神

 第五章 天照大神はいかにして女神となったか

 第六章 天岩戸神話はどのようにして生まれたか

 終章 伊勢神宮はいかにして誕生したか

となっている。

前書きのところでは、西行が伊勢神宮で詠んだ歌「なにごとの おはしますをば  しらねども かたじけなさに なみだこぼるる」の歌が紹介してある。天照大神を祀っているのが伊勢神宮だからなのだが、その西行と言えば、白州正子の書で「待賢門院璋子への叶わぬ(悲恋)」が出家の原因らしい、ということを初めて知った。ひょっとしたら、その筋では常識なのかもしれぬが、こちとら、ちょっと前まで歴史などに関心が無かった身である。・・・・にしても、平安の昔だからなのか、やんごとなき人たちだからなのか、ちょっと男と女の世界が乱れすぎなのでは?と思わずにはいられないような風習だったようで・・・。「いちばんアンモラルな恋愛こそが、純愛を生みだす」と渡辺淳一センセイは宣ってますが、まぁ、その筋が専門の作家だからの言であって・・・・う、裏山・・・・しい、などと突っ走るほどのエネルギーというか情熱は無くなったよなぁ (^_^;)

 

月影ベイベ8 ~第8巻、40話ともなって、いささか食傷気味になってきた。

物語の展開としては、もともとの設定に沿っているのだろうが、想定していたと言うか、懸念していたと言うか、まぁ、「社会通念に沿った恋愛なんて、恋でも愛でもない。」というのが、上記の渡辺淳一センセイをはじめとする作家の世界では常道らしいが、ん~ッ、何か違うというか、無理があるというか、どうでもいい、っていうか・・・、あっ、突き放しているんじゃなくて、ちょっと寄り道をしてみた、というような感じでのクライマックスへの溜まり、兆しなのかもしれない。

 

科学の今を読む

副題が「宇宙の謎からオートファジーまで」となっている。まぁ、2016年の話題となったものを集めたような書である。帯として紹介されている目次には、

 [科学の新たな地平]

   細胞の「掃除屋さん」オートファジーの不思議

   「日本発」の新元素が周期表の“空席"埋めた      

 [人類の誕生・進化]     

  人類はいつ“人間"になったのか           

  意外と多様だった、旧石器人の生活スタイル      

 [生命の神秘]         

  生命の源は彗星由来?               

  地球外での生命発見に期待!土星の衛星で熱水活動 

 [生き物の不思議]

  ウナギと深海魚の深い関係

  まさか、毒が主食に!?昆虫と食草の共進化

 [地球・自然・環境]

  温暖化で巨大高潮の発生頻度10倍化

  6回目の大量絶減を迎えている地球

 [宇宙の謎に挑む]

  地球に帰つてきた傷だらけの探査機はやぶさ

  スペースシャトル引退30年間の「光と影」

など、それぞれのテーマに2つずつの内容が紹介されているが、もっと他の話題を紹介しといたほうが興味をそそるぞ、というものが少なくない。たとえば、[科学の新たな地平]の中だけでも、

  「役立つ」研究、「すぐに役立つものではない」研究

  「ヒッグス粒子」がひっくり返した世界観

  ヒッグス発見の次は? 加速器実験新段階へ

  アインシュタインの宿題 ついに重力波とらえた

などの記事というか解説がある。まぁ、1つ1つ独立した内容なので、そこだけ読んでいても面白い。

 

この書の出版社が新日本出版社。ゴリッゴリの日本共産党系メディアである。ムカシは「新日本新書」シリーズとして科学ものを積極的に出版していたように記憶していたが、最近は見ないなぁと思っていたら、案の定、2002年以降は新書が刊行されていないようだ。

往時の科学雑誌とかには至る所に真っ赤っかの臭いがプンプンと溢れていて、こんなんじゃ世の中で通用しないだろうなぁ、などと思っていたものだが、それが赤の赤たるプライドらしく、独特の世界を作っている観があった。

オウムのサティアンではないが、日本共産党 伊豆学習会館静岡県熱海市上多賀1136)という資金源不明の巨大施設があったりする。

左下の銀色の屋根の建物が大集会所、赤い屋根の建物は研修室や宿泊施設(らしい)。ここで開催される党大会では、弁当が「赤飯」、通行は「左側」というが、おいおい、大丈夫か? (^_^;)

まぁ、そのあたりが赤の赤たる面目躍如なのだろうが、何を学習してるのかというと、やはり、党の綱領とか規約なんでしょうなぁ。

復活?日本共産党の暴力革命路線!日共と在日の暗い過去。私たちが教えられていない日本の戦後史」というサイトの後半部分に紹介してある『永久保存版 「日本共産党と在日韓国朝鮮人が引き起こしてきたテロの数々」』などという歴史の数々はどう見てるんですかねえ。日本共産党の正体というサイトでは、「このようなポスターに騙されてはいけません。」と始まっているが、確かに、「気をつけよう 甘い言葉と 共産党」であることは間違いない。

 

ところで、その綱領には、「ひとにぎりの大企業は、ますますどん欲に富を蓄積し、巨大化し・・・」などの記載も見受けられるのだが、企業は再投資のために富を蓄積するのは当然として、じゃぁ、前・中央委員会議長の不破哲三(本名:上田建二郎)の大豪邸の資金はどう説明できるんじゃ? ん?

何でも、敷地が1000坪とかで、左上の小学校の敷地より広いのだとか。敷地内(私有地!)の一番手前に3階建ての事務所・召使い・料理人などの宿舎があり、その奥のグレー屋根2練は不破哲三の専用図書館と客間としても使われる郷土玩具コレクション館、一番奥の茶色屋根が本宅なんだとかで、中国共産党のトップとたいして変わらぬ蓄財ぶりなんだが、こいうのは綱領に・・・載せてある訳ゃないよなぁ。

赤い貴族と呼ばれる人たちの組織が一番のブラック、っちゅうのもユーモアがあってよろしい・・・という訳はないのだが、歴史と実態を知らずにイメージだけで票を入れている人たちも多いんだろうなぁ。バッカだよなぁ。

・・・・なんか、3冊の本の話からどんどんずれていってしまった (*_*;)