ビタミンD(VD)が大腸癌と乳癌の予防に有効であることはすでに報告されている。動物実験によると、VDは異常な細胞を抑え、血管新生を阻止する。
450IUを摂取することで膵臓癌リスクを43%減少させることができるとハーバード大学とノースウェスタン大学の研究で明らかになった。摂取量を450IU以上に増やしてもベネフィットに有意差はみられなかった(リスクが減少することはなかった)が、それ以下だと有意なベネフィットの低下がみられた。1日150~300IUだと膵臓癌リスクを22%減少させた。
今回の研究は以前の2つの試験に基いて行われた。1つは女性4600人、もう1つは男性75000人を対象とした試験で、その後数十年追跡調査を行った。1980年代に行われた試験では、被験者に食事の詳細な質問をし、ビタミンD、カルシウム、ビタミンA(レチノール)の摂取量を計算した。そののち、膵臓癌発症率、喫煙歴などを調査した結果、毎日ビタミンDを600IU摂取していた人々での膵臓癌発症は100,0000人中12.5例、150IU以下だと21人であった。ビタミンDは日光によって体内で作られるが、今回の試験では調査に考慮されていない。
ビタミンDはまた、サケ、マグロなどの魚にも多く、また、牛乳にも添加されている。政府顧問は、50歳~70歳の人に400IU、70歳以上には600IUを推奨している。マルチビタミン剤には骨のためにビタミンA(VA)がVDとともに含有されているが、VAはVDの膵臓癌へのメリットを希釈してしまうようである。CNN英文記事、過去のTips記事ビタミンD
脂肪の多い魚を最高に多く摂取する女性は、全く摂取しない女性に比べて74%腎細胞癌リスクが低下する。(JAMA9月20日号)また、前立腺癌リスクの減少の報告もある。これらの魚はオメガ3脂肪酸(制がん効果:JAMA2006;295:403-415)とVDを多く含む。
一方、放射線治療を受けた頭頸部癌患者における1日あたり400IUのビタミンE(αトコフェロール)摂取は、死亡率38%増加に関与している。癌治療中の抗酸化ビタミンの過剰摂取は危険。(日本語訳)
450IUを摂取することで膵臓癌リスクを43%減少させることができるとハーバード大学とノースウェスタン大学の研究で明らかになった。摂取量を450IU以上に増やしてもベネフィットに有意差はみられなかった(リスクが減少することはなかった)が、それ以下だと有意なベネフィットの低下がみられた。1日150~300IUだと膵臓癌リスクを22%減少させた。
今回の研究は以前の2つの試験に基いて行われた。1つは女性4600人、もう1つは男性75000人を対象とした試験で、その後数十年追跡調査を行った。1980年代に行われた試験では、被験者に食事の詳細な質問をし、ビタミンD、カルシウム、ビタミンA(レチノール)の摂取量を計算した。そののち、膵臓癌発症率、喫煙歴などを調査した結果、毎日ビタミンDを600IU摂取していた人々での膵臓癌発症は100,0000人中12.5例、150IU以下だと21人であった。ビタミンDは日光によって体内で作られるが、今回の試験では調査に考慮されていない。
ビタミンDはまた、サケ、マグロなどの魚にも多く、また、牛乳にも添加されている。政府顧問は、50歳~70歳の人に400IU、70歳以上には600IUを推奨している。マルチビタミン剤には骨のためにビタミンA(VA)がVDとともに含有されているが、VAはVDの膵臓癌へのメリットを希釈してしまうようである。CNN英文記事、過去のTips記事ビタミンD
脂肪の多い魚を最高に多く摂取する女性は、全く摂取しない女性に比べて74%腎細胞癌リスクが低下する。(JAMA9月20日号)また、前立腺癌リスクの減少の報告もある。これらの魚はオメガ3脂肪酸(制がん効果:JAMA2006;295:403-415)とVDを多く含む。
一方、放射線治療を受けた頭頸部癌患者における1日あたり400IUのビタミンE(αトコフェロール)摂取は、死亡率38%増加に関与している。癌治療中の抗酸化ビタミンの過剰摂取は危険。(日本語訳)
TBありがとうございました。
こちらもTBさせて頂きます。
fatty fish(脂肪の多い魚)を取ると腎細胞がんのリスクが低下するというJAMAのデータをすぐにブログに書こうと思っていたのですが・・・・・
これからもよろしくお願いします。
fatty fish(脂肪の多い魚)、昨日も講演で触れられていましたね。どうぞ詳しく書いてくださいー。
日本人も最近は不足する栄養素が多いかもしれません。
こちらこそよろしくお願いしますー
膵臓の場合、Ca濃度のわずかな上昇が膵液分泌に影響するのか興味はありますが、あんまり関係なさそうな気がします。
この調子で、すべての上皮性腫瘍(つまり癌)に有用なのでしょうか?こっそり飲もうかしら。
膵臓癌とCaですか??う~ん、私にはなんのことやら。
Setochanさんのところでは、カルシウム+VDで乳癌に効果と書かれてまして、でもたしか少し前には、カルシウム+VDで大腸癌には無効という発表だったですよ。
2種類の組み合わせで希釈・・ということもあるんですね。ビタミンDは重要のようです。
JAMAのfatty fishと腎細胞がんとの論文について,本日記事にまとめましたので,TBさせて頂きます。
また,ちゃしば先生がご指摘の論文の今年の追跡調査の結果がCancerに掲載されており,僕も記事にしていましたので,合わせてTBします。
特に放射線治療には酸素が欠かせないので、患者さんの抗酸化ビタミン(CoQ10なども)は注意する必要があるのでしょうね。なににせよ、明らかになってくることはいいことですね。
Setochanさん、TBありがとうございました。書ききれなくて省略していましたので詳しく書いていただいてよかったですー。
患者にとって治療はごく一部で、多くの方は普段の生活でがんと闘える健全な生活をしたいと考えています。Setochanさんの勧められることは貴重なことだと思います。
旬の秋刀魚、多く食べたいと思います。仙台ほど生きのいいのはないでしょうが・・
「一日250IUだとすい臓がんリスクが25%減、450IUだと43%減だが摂取量をそれ以上に増やしてもさらにリスクが減ることはない』ということなんですね。(当方の言語力の問題かも)
ちょっと修正しておきました。
ご指摘ありがとうございます。
癌はこれからは化学予防の時代に入ってくるようですね。少しでも癌撲滅に向かってほしいです。
では、こちらもTB用意して待っていますね。