「共謀罪反対 THE INCIDENTS」サイトで前に少し紹介されていたが、亀井静香氏の共謀罪に関するインタビュー記事が『週刊金曜日』 2006.05.26号に掲載されていた。そこから彼の意見などを少しピックアップしてみる。
次に他サイトの「共謀罪」についての意見ページなど。
・共謀罪法案の今国会の成立は無くなったが・・・ [法と常識の狭間で考えよう]
・刑法が変わると捜査も変わる──共謀罪とは別法の大改正だ── 梓澤和幸(弁護士)
・国連の権威を疑え!──国際機関を利用した治安立法制定の動き── 海渡雄一(弁護士)
・大谷昭宏氏に聞く「共謀罪こんなにデタラメ」 [ゲンダイネット]
「らんきーブログ」の”政治家の情報源は?”というエントリーで教えられたのだが、「カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの虚業日記」の次の記事には驚かされた。トンデモ法案などの反対運動で、議員などにロビー活動をしに行くと、法案の詳しい内容や解説を聞いた議員からは「知らなかった!」という台詞がよく出てくるらしい。しかし、ここまでとは…
・子供を電子映像メディアから離そう!元NHKマン、明日東京でアピール [下村健一の「眼のツケドコロ」]
・「NHKに希望はあるのか?」 [魚住昭取材ノート]
同じく『週刊金曜日』の同じ号からの共謀罪関連記事。こちらは『週刊金曜日』のWebサイトの”金曜アンテナ”のコーナーにも載っている。
『週刊金曜日』 2006.05.26号
「だから共謀罪に反対です」亀井静香インタビュー
聞き手・林克明
亀井静香(かめいしずか)
69歳。衆議院議員(広島6区)。警察庁勤務を経て1979年、衆院議員に初当選。自民党元政調会長。郵政民営化に反対し、昨年8月に自民党を離党。国民新党を結成し、代表代行を務める。
──亀井さんは警察庁出身、しかも一九七一年には、いわゆる”極左事件”に関する初代統括責任者に就き、成田空港事件、浅間山荘事件、日本赤軍テルアビブ空港事件等を陣頭指揮していました。捜査に携わっていた人物から見た共謀罪法案についてぜひ語っていただきたいのですが。
「まず、国民新党は党として反対です。通常、警察庁のキャリアは捜査の現場にはたずさわらないが、当時は非常事態でしたから、私は自ら全国的な捜査の指揮をとっていた。(連合赤軍の)坂東国男、森恒夫も取り調べました。
その私に言えることは、この法律が成立すると、実務上、きわめて広い範囲に共謀共同正犯が拡がる。これまで立件できなかった事件にまで拡がる可能性が高い。
たとえば、ある被疑者を逮捕したとします。『君だけの犯行じゃないだろ。誰かと話はしただろう』と誘導していくと、捕らえられている人間は非常に弱い立場ですから、誘導にそった供述をしてしまいます。それが捜査の現実です。人間の弱さだと言ってもいい。
…(略)…
当局にとって都合の悪い人間をどんどん捕まえるという刑事政策的な考えもあります。確かに犯罪を抑止したり、犯人を検挙することは大切ですが、一方で市民生活の自由を守らなければならない。共謀罪は、このバランスを崩し、市民生活の権利や自由を不当に侵す危険性があります。
しかも、いま現在の実態がそうでしょう。検事調書に書かれてしまうと、公判で『違います』と言ったって裁判官は認めてくれない。検事調書にサインをしなければ釈放されないのが、現在の司法の実態です。
そういう実態の中で共謀罪ができて、(犯罪の)合意があったと誰かが供述したとします。裁判官が証拠としてこの供述を採用すれば、本人がいくら否定しても通らない場合がほとんど。公判での被告人の供述よりも検事の前で話した供述・検面調書(検察官面前調書)が重要視される裁判構造がずっと続いているのです」
──犯罪の「合意」の有無は、供述以外では認定できない?
「それが難しいのです。契約書にサインするわけでもないでしょ。仮に飲み屋で『やろうじゃないか』と言ったとか言わないとか、証人もいないで一方的な供述だけで、事件に引き込まれる危険性がありますね。今は自白が証拠の王ですから」
…(略)…
──昨年の郵政民営化を巡っては、権カ内部にいる自民党議員でさえ、あれだけの圧カを受けた。そのうえ共謀罪新設となればどうなることか。自民党内でも反対や疑問の声はあがらないのでしょうか。
「小泉さんのやることに反対して何の得もない。いまの国会議員というのは、ポスト争いや自分の議員バッジを守る観点でしか対応しなくなってしまった。
見てご覧なさい。郵政法案のときに反対した人たちは、選挙後にシュンとしてしまっています。あのとき郵政民営化法案に反対した人たちでさえ、出される法案に全部賛成してしまっている。
まして、あのとき自民党内の議員は、ほとんどが郵政民営化法案に反対だったのです。だけど、保身のために賛成に回ったでしょ。そういう人たちが共謀罪に関して、党議決定に反対することなどありえない、期待できない。腐っている。
強行採決されたなら、国会戦術も含めて野党と世論で盛り上げていくしかないです。国民が、どの程度目覚めるかもカギになります。
歴史を見れば、変革とか改革は常に少数派によるものであって、多数派は現状維持です。だから、いま少数派だからといってがっくりするのは間違い。少数派が未来を変えるのは宿命であり、どんなに苦しい闘いでも自信をもって進むべきです」
今の2006/06/09号の”金曜アンテナ”には、「自民 下心丸出しの共謀罪 次期国会での成立に執念か」が載っている。
まばたきして現行犯逮捕?
共謀罪廃案へ“世”野党結束
衆院法務委員会が19日、共謀罪の強行採決を回避し、三度目の廃案となる可能性も出てきた。野党各党は世論を味方に、与党との対決姿勢を鮮明にしている。一方、審議では「まばたきで現行犯逮捕」もあり得る実態が発覚した。(三宅勝久・ジャーナリスト)
「民主との共同修正作業は決裂した」――。19日午後、「強行採決必至」との観測が流れ、衆院法務委員会室はごった返していた。
与党は、「実行に必要な準備、その他の行為」を処罰要件に加えた単独の再修正案を提出。しかし、この要件には、ホテルの予約や、貯金を下ろすといった日常的な行為も入ると言われる。
そればかりか、同日の質疑では、法案の危険性が一層浮き彫りになった。
「共謀だけで現行犯逮捕はできないですね?」と質す細川律夫議員(民主)に、修正案提出者・漆原良夫議員(公明)は「現実的にはあり得ない」としながらこう答弁した。
「(「……行為」は処罰要件にすぎず)犯罪自体は共謀だけなので、共謀の段階で法的に(現行犯逮捕は)可能です」
共謀に加えて「……行為」があれば、当然、現行犯逮捕できるとの見方も明らかにした。ホテルを予約した瞬間に現行犯逮捕というわけだ。
一方、共謀があったかどうかはどう判断するのか。この点について保坂展人議員(社民)が大林宏・法務省刑事局長を追及する。
保坂議員 「暗黙の共謀」というのがあるが、目配せ、まばたきも含むのか?
大林局長 目配せ、まばたきも共謀の一部になり得る。
保坂議員 目配せとまばたきの違いは?
大林局長 言語を用いない形で、サインといいますか。仲間の中で意味がわかれば……。
つまり目配せ、まばたきでの現行犯逮捕も、法的には可能だということだ。「審議すればするほどわからなくなる」と、保坂議員はあきれる。
法案に潜む凶暴性があらわになる中、国民新党も共謀罪反対を表明。事実上の廃案を求め、野党は世論を追い風に超党派で結束している。民主筆頭理事の平岡秀夫議員が言う。
「予断を許さない(いつでも採決される)状況に変わりはない。世論の盛り上がりが必要です」
次に他サイトの「共謀罪」についての意見ページなど。
・共謀罪法案の今国会の成立は無くなったが・・・ [法と常識の狭間で考えよう]
・刑法が変わると捜査も変わる──共謀罪とは別法の大改正だ── 梓澤和幸(弁護士)
・国連の権威を疑え!──国際機関を利用した治安立法制定の動き── 海渡雄一(弁護士)
・大谷昭宏氏に聞く「共謀罪こんなにデタラメ」 [ゲンダイネット]
「らんきーブログ」の”政治家の情報源は?”というエントリーで教えられたのだが、「カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの虚業日記」の次の記事には驚かされた。トンデモ法案などの反対運動で、議員などにロビー活動をしに行くと、法案の詳しい内容や解説を聞いた議員からは「知らなかった!」という台詞がよく出てくるらしい。しかし、ここまでとは…
ちょっと話題はかわるのだが、次の二つの記事には考えさせられた。
マスコミ、とくに新聞は、誰を騙すつもりで「嘘」を書いているのか
マンガ規制反対運動なんかに参加しなきゃ、議員さんとこに陳情したりする機会なんてなかったとは思うが、議員さんなんかにちょくちょく陳情したりしに行って、気づいたことがある。
実際に議員さん周辺と接触する以前には、私は、国会議員は特殊な情報源があって、我々の知らないこと・我々には納得いかないことの正解をすぐに参照できるはずだ、と、何となく思っていた。
が、実際に議員さん周辺に接触して分かったことは、議員の情報源は、基本的には我々と同じだ、ということだ。すなわち新聞でありテレビであり週刊誌、原則的にはこれらが議員の情報源だ。
だから新聞が「嘘」をヌケヌケとしつっこく書くと、国会議員はその「嘘」を「嘘」と気づかないまま鵜呑みにし、嘘・誤情報を元に政策立案し立法することになる。マスコミが、とくに新聞が延々「嘘」「誤情報」を流しているのは、つまるところ、国会議員(や地方議員)を(「嘘」でもって)「洗脳」することを目的としている。
新聞(やその他マスコミ)が「嘘」を書いていると気づいた人は、その新聞にだけ異議申し立てするのではなく、地元議員に対しても「この新聞にはこういう嘘が書いてあった。これを嘘だと証明する根拠は以下です」という葉書・手紙を書くのが賢明だ。
例外的に賢明な議員がいて、新聞など報道に「嘘」が書かれていることに気づいても、その議員が生で接する「一般人」が皆その「嘘」を前提として振舞っていたら、議員もその「嘘」に付き合わざるを得なくなる。「嘘」を「嘘」として認識する人が無視できない数存在することに議員が自信を持てば、議員は「嘘」を「嘘」だと指摘する勇気を得ることができる。
国会には平日昼間、色んな人が陳情に行く。ところで、平日の昼間に動ける人というのは、特殊な例外的な人ばかりだ。だから議員が接する「一般人」はおのずと特殊な例外的な人ばかりになりやすく、「一般人」と称する異様な人とばかり議員は接触しがちになる。
国会では、平日昼間に動けるヤクザやカルトがしばしば足しげく通い、ヤクザやカルトの要求が「市民の声」「庶民の声」とされる。これは戦前からあったことであり、戦後もずっとそうである。
マスコミ、とくに新聞が「嘘(たとえばメディア有害論)」を書き、議員はそれを読み、ヤクザやカルトが同じ「嘘(たとえばメディア有害論)」を議員に陳情する。たいがいの人間は、一見無関係そうな三方向から同一の情報を得ると、それは事実であると認識してしまうものだ。そうとうに賢明な議員でなくてはこの「呪的闘争」「情報操作」に耐えるのは困難だ。
だからこそ、我々は、機会を見て、地元選出議員に手紙を書き送るべきである。我々の眼から見た事実を書き送るだけで、それは議員にとってはたいへんに貴重な情報となるはずだ。そして賢明で理性的な議員を、我々の味方になりうる議員を、勇気付けるはずだ。我々は理性的な議員たちに勇気を与えなくてはならない。
・子供を電子映像メディアから離そう!元NHKマン、明日東京でアピール [下村健一の「眼のツケドコロ」]
・「NHKに希望はあるのか?」 [魚住昭取材ノート]
しかし、こうして考えていけばいくほど、なにが『民主主義』なの?・・・と言いたくなる今日この頃ですね。(爆)
『個人情報保護法』は古川利明氏がブログ( http://toshiaki.exblog.jp/ )でいくつも検証をしているように、創価学会=公明党が第一首謀者でしょう。彼らはずっと「池田大作氏を守る」という使命をさずかっているため、使えそうなものを見つけるのに聡いと思います。今度の『共謀罪』のように、『個人情報保護法』が国際的な取り決めから日本でも作成することが決った時、名誉毀損訴訟の常連のような彼らは「これは使える!」とぴんときたのかもしれません。『個人情報保護法』の自民党の推進議員はみな創価学会と近しい連中だったといいますが、もう一つの要素、ちょうど森元首相の売春疑惑スキャンダルが持ち上がっていた時期でもあったので、合流する人間たちが増えたともいえるかもしれません。
官僚たちにとっても、もちろんメディア対策になるものは好都合だったと思われます。
官僚、政治家、財界人はいつでもメディアの統制はねらっていると思います。『個人情報保護法』は彼らにそのよい機会ととらえられたのだと思います。
一方で、彼らにとっては危険なものとなるネットについては、直接狙い打ちする法案も水面下で進んでいるようなデータもあるようです。こちらも公明党主導です。
kitanoのアレ - IT安心会議:インターネット上における違法有害情報対策
http://d.hatena.ne.jp/kitano/20050905/p1