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雑木帖

 ─ メディアウオッチ他 ─

「赤報隊」と朝日 (その1)

2006-05-22 22:00:00 | 記事


 「赤報隊」と朝日(その1)  2003.07.22

 「赤報隊事件」の「神奈川県警共産党員宅盗聴事件」にまつわる、神奈川県警現職警察官(「赤報隊事件」当時)の関与ということについて、少し書いておきたい。

「スパイ防止法」(国家秘密法)は、1980年代に、統一協会の勝共連合が推進した旧内務省の治安維持法的なものなのだが(2003年現在も彼らは事あるごとにそのプロパガンダを行っている。また現在の警察庁長官の佐藤英彦は「スパイ防止法」を作りたくてうずうずしている人間だ。防衛庁、警察庁には勝共連合と縁の深い人間が多い。注意が必要である)、この勝共連合は86年末から87年にかけて、連日のように、その法案に反対する朝日新聞の東京本社周辺に街宣車を派遣していたらしい。またこの時期は、統一協会の霊感商法がマスコミの批判の対象となっており、86年の末からは「朝日ジャーナル」が批判キャンペーンを行っていたということである。
 87年5月3日に起きた朝日新聞の阪神支局襲撃事件の犯人とみられる自称「赤報隊」は、その襲撃事件に使われたのと同じ薬莢二個を同封した手紙に”「とういつきょうかいの わるくちをいうやつは みなごろしだ」”という脅迫状も添えて送付してきた。
 それやこれやで、「赤報隊」の犯行には統一協会が絡んでいるのではないかとする一部の意見も出ているらしい。警察も、右翼と統一協会とを重点において捜査を行っていたようだ。
 しかし、上の時期にはもう一つの事件が世間を騒がせていた。
 神奈川県警による盗聴事件である。

 この盗聴事件は、東京都町田市の共産党国際部長・緒方靖夫宅の電話を、1985年の夏から、翌86年秋にかけて、神奈川県警警備部公安一課に所属する公安警察官が任務として盗聴をしていたもの。緒方靖夫が電話使用中に雑音や音声の低下があることから不審に思い、NTT町田局に調査を依頼したところ、緒方宅につながっていた電話ケーブルが引き出され、100メートルほど離れた「メゾン玉川学園」の二〇六号室の電話端子に接続されていたのを発見。神奈川県警警備部公安一課の公安警察官数人が、一種の親子電話のような形式で盗聴をしていたのが発覚。86年11月のことだった。
 その後の東京地検の捜査、被害者の国家賠償請求訴訟の場を通じ、「サクラ」を中心とした公安警察の組織的工作だったことが明らかになった。

 阪神支局襲撃事件の犯人が自称しているとされる「赤報隊」という名称は、1868年に民間の同志で結成された東征軍の先鋒で、「偽官軍」という流言のもとで維新政府により処刑された赤報隊の名を拝借したものだとされるが、東京-西宮-名古屋という当時の赤報隊が辿った道と一連の犯行現場が同じということからも、そう考えることは正しいのかもしれない。
 だが、だとすると、どうも釈然としないものが残る。
 辿ったルートまで、名前とともに合わせたとなれば、犯人たちは維新時代の赤報隊については詳しい筈である。しかし、現在の「赤報隊」は、維新時代の赤報隊とは、場所と名称を除いては、どうにも共通項が見出せない存在なのである。
 それより、維新時代の赤報隊は、軍資金の調達に苦慮していた維新政府が、赤報隊の進言により最初唱えた「年貢半減」という方針の一つを、特権商人と結託することで撤回し、その「年貢半減」の布告をしていた彼ら先鋒隊の赤報隊──最初はちゃんと「官軍」という御墨付きをもらっていたらしい──の始末をつけたとされているものでもあり、僕にはどうも神奈川県警の「盗聴」に関った人間たちの姿がそこにだぶるのである。無論それが彼ら「盗聴」に関った人間たちの、現実の実情などを無視した牽強付会的な錯誤的なものであったとしても、単なる筋書き的には一番近いものなのである。
 それに、犯行声明というのは、存在が確とした団体が本来やるものではないのだろうか。でなければ、愉快犯でもない限り意味があまりないものなのではないか。この現代の「赤報隊」は未だに実態がつかめない「団体」なのである。
 また、「赤報隊」は、リクルート疑獄にからんで中曽根康弘の名を出しているが、中曽根康弘は日本において統一協会や勝共連合での一番の立役者でもあったのであり、当時も他ならぬ「スパイ防止法」を推進していた議員である。また中曽根はリクルート疑獄の本命であったにもかかわらず、司法が表にその名前を出していなかったのに、統一協会がわざわざその名前を出すというのも怪訝なことなのである。そもそもリクルート疑惑の本格的な追及などは、中曽根以外にも統一協会の人脈に打撃を与えたに違いない。
 リクルート社の自民党中枢への浸透は強力で、本命である中曽根前首相は言うに及ばず、竹下、宮沢、安倍などの幹部らも賄賂性の強い金を一億以上も受け取っていたので、元警視総監で中曽根内閣の法相をやった奏野章が、川崎市の助役のリクルート株の収賄事件が発覚した時点で、汚職容疑で内偵していた神奈川県警に対し圧力をかけ捜査を中止させようとしたほどだという。
 そもそも、リクルート疑獄が、神奈川県警の捜査ニ課の警部が、くだんの神奈川県警の盗聴事件を取材していた朝日新聞の社会部記者に「川崎駅前のリクルート・テクノピアを調べた方が、盗聴事件より大きなスキャンダルがものに出来る」とリークしたため、川崎市の助役のリクルート株の収賄事件が発覚して、発展していったものである。
 無論統一協会というのは、統一協会員だった児玉誉士夫が右翼の6割を握っていたと言われていたり、笹川良一が関っていたとかとも言われているように右翼団体とは親密な関係にあるし、世界各国の反共テロ組織ともつながっているような集団でもある。また実際に凶悪な事件も起こしている。しかし、「赤報隊」の事件の主犯が統一協会であるとはどうも思えないのだ。
 テレビ朝日の或番組を『統一協会の広告塔か』と言ったジャーナリストがいるが、統一協会ということなら、今回僕が問題にした「訪朝をスケープゴートにした支配階層の深い闇」に関わることでのような共謀のほうを疑ったほうがいいように思われる。
 1998年8月31日の北朝鮮のテポドン騒動も同じだ。
 この騒動は、自民党の一議員をして「テポドン効果」と言わしめたほどの恩恵を自民党にもたらした。当時自民党は7月の参院選挙で議席が過半数大幅割れとなり、急遽自由党と公明党が馳せ参じ(99年1月に「自・自」連立。99年10月「自・自・公」連立)、利害連立与党を組んだほどの凋落ぶりだった。それが北朝鮮のテポドン騒動で持ち直してしまった(もちろん重篤な経済の問題その他から国民の注意をそらさせただけのものだ)。もしその騒動がなかったなら、自民党は深刻な経済危機を招かせた亡国議会の責任を問われて自然崩壊をしていたのではないかと思われるほどだ。
 その参院選では、産経新聞でさえ『自民大敗 首相退陣へ 経済運営に厳しい批判』と一面で大見出しでのせ、「今回の参院選は、橋本政権への信任投票の意味合いが込められていた。”日本発の世界恐慌”が懸念されるほどの危機的状況にあって、一連の経済・金融政策を国民がどう評価しているか、当面の景気対策にどれだけ期待を寄せているか-が試されたのである」「自民党の今回の敗北は、消費税、リクルート事件への批判が吹き荒れた平成元年の三十六議席に次ぎ、新進党が躍進した平成七年の四十六議席(いずれも追加公認を含まず)と並ぶ敗北となる。」と報じた。

1998年7月参院選結果 (注)選挙区と比例区の合計

 自民  民主  共産  公明  自由  社民  さきがけ  その他
獲得議席数 45 27 15 9 6 5 0 19
増減 -15 +9 +9 -2 +1 -7 0 +5
非改選 58 20 8 13 6 8 3 10

 ちなみに平成元年のリクルート事件での自民党の危機の時は、やはりリクルート疑惑の民社党と、リクルート疑惑の他にも明電工事件が明るみに出ていた公明党が馳せ参じ、「リクルート汚染連合」を組み、しのいでいる。

 テポドン騒動から3週間後の9月20日、高村正彦外務大臣と額賀福志郎防衛庁長官がアメリカへ行き、オルブライト国務長官及びコーエン国防長官との四者会談をやり、TMD(ミサイル防衛構想)の技術研究を翌年の99年から日米共同で行うことに合意したと発表をする。
 このTMDとは Theatre Missile Defense の略語であり、theatre (劇場)は戦争の時の戦場を意味し、「実戦」「野戦」というような意味あいであるらしい。内容は、偵察衛星の赤外線で敵のミサイルを探知して、地上やイージス艦の迎撃システムで撃墜するというもの。
 20年の歳月と、総額が3兆円から5兆円にもなるとみられるこのミサイル撃墜システムは、アメリカが早く導入するようにとせっつき、日本の防衛庁及び軍需産業がやりたくて仕方がなかったものである。しかし、航空自衛隊の幹部たちは「TMDはただの遊び(現実には役に立たない代物という意味)だ。やられたら報復するのが一番だ」と言い、アメリカの軍事関係者も「いつか実験に成功しても、そんなものはまったく信用できない(技術的に)から使えない」と認めているものだった。
 このTMDに関連したことでは、週刊ポスト1999年2月5日号に次のように書かれている。


 新連立は福音か─自自連立の裏側

 【情報収集衛星をめぐる利権の再構築】


 …(略)…
 自民党のある有力代議士は語る。
「5年半前の自民党分裂で、多くの族議員を擁する旧経世会が支配していた『霞が関利権構造』が、いったんは崩壊しました。今回、自由党が自民党に擦り寄った背景には、長い野党暮らしの間に官庁パイプが薄れ、情報が入らなくなり、利権にもタッチ出来なくなったという彼らの悲哀がある。
 その旧経世会の『霞が関利権構造』のなかでも、特に小沢氏がガッチリと握っていたのが防衛庁でした。野中氏の小沢嫌いは有名で、『あの人のように国を売る人は嫌いだ』と、公言していましたが、それはアメリカ政府や米軍需産業との間にパイプを持つことで、防衛利権を我が物にしてきた小沢氏への、痛烈な批判だったのです。そして、小沢氏の下野により、この防衛利権はまさに宙に浮き“空洞化”した。
 自自連立が成立した今、今後の焦点は、崩壊し、空洞化していたそれらの利権を、誰が、どのように再構築するか、です。それゆえ小沢氏は、かつて自分が牛耳っていた防衛庁に存在感をアピールするためにも、突っ張らなければならなかった」
 自自連立の陰で進む“利権再編”――。
 実は、この自自連立の動きと軌を一にして、既に水面下での駆け引きは始まっていた。今後の防衛利権支配への“入り口”ともいえる「情報収集衛星」がその嚆矢となった。この「情報収集衛星」の導入をめぐる「国産派」と「輸入派」に分かれた抗争は、防衛庁における政治の復権と利権の再構築を予感させる蠢きに満ちていたのである。

「情報収集衛星」は、高度300~500キロの上空から、細密な写真を撮影することを目的としている。光学機器による撮影と、レーダー撮影の2種類を用意、どんな天候条件にも左右されないようにする。どれだけ鮮明な画像を得られるかという能力を「分解能」というが、日本が計画しているのは1メートル。1辺が1メートル以上のものであれば形が判別できる。したがって、航空機の基地施設、車両、ロケットなどの識別は、十分に可能だといわれている。
 依田智治・参院自民党副幹事長(元防衛事務次官)は語る。
「日本は専守防衛であり、そのためにはまず情報を持たなければならない。確かに、アメリカから情報を買うこともありますが、安全保障、危機管理の観点から、やはり独自の情報収集衛星が必要なのです」
 本来、この衛星は「偵察衛星」と呼ぶのが相応しい。それが、科学技術庁の「地震や海洋汚染などの大規模災害への適用」、内閣情報調査室の「内閣の重要政策に関する情報収集」、農水省の「漁業取り締まり」などと多目的利用を挙げ、「情報収集衛星」としたのは、30年前の国会で「宇宙の平和利用」を決議しているためだ。しかし、もちろん「本音が軍事目的であることは明らか」(米田建三・自民党代議士)である。
 数々の制約を抱えた防衛庁に代わり、「情報収集衛星」の導入推進役を務めたのは、外務省、内閣官房、科学技術庁などの省庁である。「防衛庁と違って、中国などを刺激せずに推進できるため」(軍事評論家)で、1996年、最初に1000万円の開発調査費を計上したのは外務省だった。
 官庁のヤル気に恵まれ、三菱電機やNECの売り込みも活発化した。三菱電機の谷口一郎社長は、昨年8月25日に、自民党代議士数10人に対して、説明会を開いている。NECもそれに負けておらず、衛星担当者は分厚い資料を手に、与野党国会議員のもとを訪れ、PRに励んでいた。
 そして、8月31日。北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が放ったミサイル、テポドンが飛来する。

 官民一体となった「日の丸情報収集衛星」の開発は、このテポドン・ショックで、一気に上昇気流に乗るかと思われた。テポドン発射を事前に察知できなかった防衛体制の不備がクローズアップされ、情報収集の重要性が再確認されたからだ。
 しかし、逆にここから政界からの猛烈な巻き返しがはじまる。官民任せだった衛星の主導権を、政界が握ろうと動き始めたのだ。
 最初にアクションを起こしたのは、中山太郎元外相、玉沢徳一郎元防衛庁長官、大野功統代議士の3人だった。3人は9月初旬に訪米、アメリカ政府との協議を重ねている。
「北朝鮮が、無警告、無通報でミサイルを発射、我が国の領空を侵犯した。これは言語道断の話です。そこで、国際世論を喚起しようと、中山さん、玉沢さん、私の3人で出掛けました。
 最初はニューヨークの国連に行って、各国の国連大使と次々に会った。そして、国連安保理で議長声明を出すところまでこぎつけた。続いてワシントンに行き、コーエン国防長官やオルブライト国務長官に会い、日本の危機感を説明、コーエン長官が『日本の脅威はアメリカの脅威である』と、いってくれた」(大野功統・自民党代議士)
 時を同じくして、防衛族を中心に自民党内に「情報衛星に関するプロジェクトチーム」が発足。メンバーには、野呂田芳成・防衛庁長官を始め、愛知和男、衛藤征士郎、玉沢徳一郎各代議士ら防衛庁長官経験者など、そうそうたる顔ぶれが並び、中山元外相が座長となった。
「情報収集衛星」の導入は、急ピッチの展開を見せる。11月6日には、政府の閣議で早期導入が決定。この段階でリードしていたのは「国産派」である。ことに三菱電機・谷口社長は政界工作に熱心で、防衛族としてメキメキと力をつけてきたといわれる山崎拓前政調会長の勉強会や、「中山プロジェクトチーム」にも出向き、自社の優秀さをアピールした。11月6日の政府方針の内容が、三菱案に類似しているといわれたほどである。
 …(略)…
 参考:「情報収集衛星利権に群がる天下り特殊法人の実態」社会新報 2002.10.30

 ところで、アメリカに渡り、TMD合意をおこなってきた高村正彦とは如何なる人物かご存知だろうか。議員になる前までは、統一協会の日本での「霊感商法」の中軸企業だったハッピーワールド社の顧問弁護士をやっていた御仁であり、議員になってからも、統一協会からは秘書を提供してもらっている統一協会とは関係の深い人物である。(ハッピーワールド社の社長だった古田元男は、統一協会の重鎮幹部であり、統一協会が90年初めから始めた北朝鮮進出の担当者トップである)。

「北朝鮮社会はいま、どのようになっているのか」荒沢峻
 http://www.jrcl.net/web/frame02I.html

 北朝鮮の主な権力機構

 核心をなす権力機関として、労働党、人民軍、政務院(内閣―党の決定履行を要求される行政機関)などが存在している。そして日本のマスコミなどであまり明らかにされていないが、最も権力を持っているのが執務室という金正日直属の機関だと言われている。日本で言えば首相官邸、韓国だと青瓦台(大統領府)に該当する。
 労働党は、人事権を掌握しているからもちろん権力の核心をなしている。だがそれより上に位置しているのが執務室だと理解していい。執務室は金正日の直接の指示の下、外貨獲得など様々な活動を行う。労働党や軍をさしおいて独自の領域、ネットワークを持っている。ここ数年で明らかになったことは、この執務室が統一協会系列の企業集団とかなり親密だということだ。統一協会関係の幹部や「信者」が相当数ピョンヤンに入っており、ホテル関係の事業などにかなり浸透しているらしい。
 人民軍百万人の存在がことさらに強調されたりもするが、その置かれている現実はかなり厳しいものになっている。北朝鮮の予算は、軍が優先的に確保し、その残ったカネが国家予算と言われるぐらい莫大なものだ。だがそのことが強大な軍事力を持っていることと必ずしもイコールではない。最近の情報では、軍組織の末端では食糧を確保するのに精一杯とか、あるいは軍独自の会社を作って外貨稼ぎ、災害復旧などの活動に時間がとられている。どこかの国と事を構えるとか、そういう余裕がある軍ではなくなっているというのが実態のようだ。
 政務院は、日本の内閣に相当するところで、これは国家や党が決定した政策を全国的に遂行していく責任を負っている。この行政機構の下にいわゆる外交、経済のテクノクラート層が配置されている。「優秀」と言われている人たちは、政務院の中にだいたい入っていると言われている。昨年12月に始まったばかりの四者会談(韓中米と北朝鮮)や対日・対米交渉などの国際会議などに出てくるスタッフはここにいる人たちだ。

 …その2へ続く


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