富岡製糸場からの眺め。
案内板にもある通り女工さんたちも眺めていたはずで、興味あるのはこの製糸場での彼女らの労働環境。
製糸工場で働く女工を描いた映画「あゝ野麦峠」で、若い女工が便所で切羽詰まって「早くしてよ!」と戸をドンドン叩くシーンを思い出す。
「あゝ野麦峠」のモデルは長野県の岡谷市あたりの工場らしいが、その労働条件は極めて過酷で、朝メシ昼メシは立ったまま10分で食わねばならず、しかもそのメシはごはんと漬物と味噌汁だけの粗食だったという。飯に味噌汁をぶっかけてタクアンかじりながらワーっと食う状況だったのだろう。まるで養鶏場のブロイラーのよう。
民間製糸場での女工は使い捨てだったのだ。
富岡は官営工場で映画よりはマシらしいが、どうだったのだろう。労働の実態を記録した資料があれば一度見てみたい。