ボスの山日記

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登録基幹技能者とは

2012年07月13日 | 人材育成・教育・技能士
 7月11日 日管連総会が開催され、その後建設業振興基金 参事 鮫島優氏による
登録基幹技能者についての講演がありました。
その内容 国交省の建設産業の再生と発展のための方策です。

●登録基幹技能者
 建設工事で生産性の向上を図り、品質、コスト、安全面で質の高い施工を確保するためには、
現場で直接生産活動に従事する技能労働者、とりわけその中核をなす職長等の果たす役割が重要です。
 登録基幹技能者は、熟達した作業能力と豊富な知識を持つとともに、現場をまとめ、
効率的に作業を進めるためのマネジメント能力に優れた技能者で、
専門工事業団体の資格認定を受けた者です。現場では、いわゆる上級職長などとして、
元請の計画・管理業務に参画し、補佐することが期待されています。

●登録基幹技能者の役割
登録基幹技能者の役割は概ね次の業務を内容とし、建設現場における直接の生産活動において
中核的な役割を担っています。
①現場の状況に応じた施工方法等の提案、調整等
②現場び作業を効率的に行うための技能者の適切な配置、作業方法、作業手順等の構成
③生産グループ内の技能者に対する施工に係る支持、指導
④前工程・後工程に配慮した他の職長との連絡・調整

●将来的にも地域を支え得る足腰の強い建設産業の構築
 受注競争の激化と、重層下請構造における不透明な契約関係、
下請契約の当事者間における交渉力の格差等による下請契約の片務性等とが相まって、
専門工事業者や技能労働者等へのしわ寄せが生じている。
将来的にも地域を支え得る足腰の強い建設産業を構築するためには、
公正な下請契約の締結や技能労働者等の雇用・育成に努めるなど、
人を大切にする施工力のある企業が評価されるとともに、
公正な契約・取引関係の構築が図られる適性な競争環境を整備することが必要である。
さらに、現場の施工力の再生を図るなど、担い手となる技術者や技能労働者の確保・育成を
積極的に展開することが必要である。

●対策1 適性な競争環境の整備~公共事業の入札契約制度の改革編
 専門工事業等の新たな評価の仕組みの導入

 足腰の強い建設産業を構築するためには、不良不適格業者を排除するとともに、
人を大切にする施工力のある専門工事業者が建設市場において生き残り、
能力を発揮できる環境を整備することが必要である。
具体的には、技能労働者の雇用・育成の促進や工事の適性施工による品質確保
さらには重層下請構造の是正に資する専門工事業者等の新たな評価の仕組み
(発注者から直接受注する元請としてではなく工事を請け負う企業に対する評価を行う仕組み)
を導入すべきであり、早期に検討を開始すべきである。
 評価の項目としては、人を大切にする施工力のある専門工事業者等の取組として考えられる
共通の項目、例えば、
建設工事の施工を担う登録基幹技能者など技能労働者の雇用状況や施工実績、
若年者の継続的な雇用や育成の状況、社会保険加入等状況を対象とすることが考えられる。
その際、制度の持続可能性や利用促進等の観点から、既存の企業の選定に当たって
その下請契約の相手方まで含めた適格性を評価する際にに用いることが想定されるが、
より広く建設市場で利用される仕組みとするため、民間工事においても元請企業が
下請契約の相手方の選定に活用できるようなものとすることが望ましい。

●対策2 総合的な担い手の確保・育成支援
 技能労働者の処遇の改善
 更新期を迎える登録基幹技能者制度の更なる復旧

 優秀な技能労働者に対する適性な評価による処遇の改善と、
中核的な役割を担う技能労働者の育成を図るため、
創設から5年目の更新期を迎える登録基幹技能者制度について、これまでの復旧状況や
登録基幹技能者を配置することによる効果を検証するとともに、
その技能を維持・向上させる取組の推進、公共工事の入札契約制度とも連携した活用方策
の検討など、同制度の更なる普及促進を図る必要がある。
専門工事業者等の新たな評価の仕組み(対策1)においては、
登録基幹技能者の雇用状況を評価項目とすることが考えられるため、
登録基幹技能者制度の活用の観点も踏まえ、当該仕組みの導入に向けて検討することが必要である。
 また、こうした取組に併せて、建設業界においても、登録基幹技能者を最上級の技能労働者として
入職後のキャリアパスの中に位置付けることにより、登録基幹技能者の評価・活用と
処遇改善を進める必要がある。



                           平成24年7月10日 国土交通省

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