まんじゅうのつぶやき

まんじゅうです。読んだ本の感想や日々のできごとの忘備録です。最近栖が変わりました。

宮部みゆき「三鬼」

2017-05-01 10:33:01 | 読書のすすめ
昨日も今日も 不安定な天気のようですね。
お出かけの皆様は どうかご注意を!

さて 宮部みゆきの「三鬼」を読みました。

三鬼 三島屋変調百物語四之続
宮部 みゆき
日本経済新聞出版社


これは いろいろな事情があって叔父夫婦の店に身を寄せている おちか という娘が
黒百の間という部屋で お客の百物語を聞くと言う話の 第4巻。

宮部みゆきの作品の中は 好きなシリーズだ。
最近はこれと 「名もなき毒」のシリーズしか読んでいない。

お伝えしている通り 図書館に予約してあった本が集中して到来しており
その中の1冊が この分厚い「三鬼」だということがかなり重荷だった。

1週間くらい持ち歩いていたが お昼休みも隣席の新人さんと世間話などしてたら
なかなか読み進めず まさかこのまま返却?という事態に陥っていた。

でも家に帰ってきて集中して読めば 読みにくいわけでもなく
宮部みゆきの世界に引き込まれてしまった。

迷いの旅籠
食客ひだる神
三鬼
おくらさま

の4つの中編で成り立っている。

個人的に好みだったのは「ひだる神」
飢えて亡くなった人が旅人に取り付く。
すると 取り付かれた旅人は急に めまいと空腹で脱力し 前にも後ろにも進めなくなる。
ひだる神への対処はひとつ。
取り付かれた旅人が お腹を満たすことである。
そうすると ひだる神も腹を満たして 離れていく。

ところが料理人の房五郎についた ひだる神は
房五郎についたまま江戸へやってきてしまった。
普通ならなんとか追い払おうとするところだが
人のいい房五郎は 「かみさんやお客さんをおどろかさないこと。」
を条件に ひだる神の同居?を許す。

気付くと房五郎の商売は どんどん成功して行った。
そのうちにおかみさんにも ひだる神のことがばれるが
おかみさんも「ひだるさん」とひだる神をありがたがり
夫婦は ひだる神を大切にした。
ところが そんなある日・・・・

表題の「三鬼」は ただただ怖い。
人間の深い業を感じる。
ついこの間まで こういう世界が普通にあったんだなと思うと
本当に恐ろしい。

微笑ましかったり 恐ろしかったり 
きづくと 分厚い1冊が 終わっていた。

ストリーテラー 宮部みゆき健在!
ゴールデンウィークにお勧めの1冊です。

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コメント (2)
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