風土記の丘だよりinかい

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カシワの話

2009年05月05日 | 草や木そして花・実


 風土記の丘の中の歴史植物園(遺跡名でいうと東山北遺跡のあるところ)に、
カシワの木があります。
これがそのカシワの葉です。

 今日は、5月5日、こどもの日ですので、このカシワの話題です。



 若葉がたくさん開いてきていて、花も咲いているようです。



 昔から、屋敷(家の敷地)に、女の子が生まれたらキリ(桐)の木を植え、
男の子が生まれたらカシワ(柏)の木を植える・・・といわれてきました。
カシワの葉を使って、柏餅をつくり、端午の節句を祝うしきたりから、
男の子の誕生に際しては、カシワを植えるというのです。



 さて、これがカシワの木の全体像、自然樹形です。
真ん中の濃いめの緑の2本が、カシワです(右手は、エノキです)。
 今でこそ、カシワは、このように緑で包まれていますが、
わずか半月ほど前は・・・。



 こんなでした。
こんなというのは、まだ木の上の方から芽吹きが始まったばかりで、
下の方には、枯れ葉がついていたのです。
わずか2週間ほどで、柏餅が作れるほど大きな葉が出てきたのです。



 この写真は、さらにその1週間前のようすです。
焦げ茶色の枯れ葉がたくさんついているのがわかりますね。



 今、カシワの気のまわりには、カシワの木が落とした
落ち葉がたくさん見られます。

 カシワは、ブナ科コナラ属の落葉高木ですが、
晩秋に葉が枯れた後、すぐに散り落ちないで、
ずっと枝にしがみついているのが特徴です。
これは、冬の寒さから、大切な若芽をしっかりと守ってきたのであり、
霜のおそれなどが小さくなるころに、ようやく散り、
その後、暖かい春の日を受けて、急速に芽が開き、
大急ぎで、いっぱいに葉を広げるのです。

 男の子の誕生にあわせてカシワを植えるのは、
柏餅のためだけでなく、こうした若い芽を大切に守り育てる
カシワの木のスタイルが、わが国の前近代の社会での
男の子を重んじるのに通じていたからということもあるのではないかと考えます。

(撮影: 1~4・7点目=2009.5.1 5点目=2009.4.15 6点目=2009.4.7)



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