松本旅行記の最後は、サイトウキネンフェスティバルについて。
桐朋学園創始者の一人である斉藤秀雄の教え子たちが1984年に追悼コンサートを開いたのをきっかけにサイトウキネンオーケストラが結成されました。メンバーは流動的ですが、総監督はずっと小澤征爾がつとめています。
定期公演が毎年長野県松本で行われ、その催しが「サイトウキネンフェスティバル」です。
私が聴きに行ったのはプログラムB。その日はNHKでも放映されたそうですが、松本城公園など松本の3箇所でも無料のスクリーンコンサートが開かれていたそうです。
地元の人優先でチケットが購入できるとはいえ、プラチナチケットであることは変わりありません。こうやってスクリーン越しとはいえ毎年コンサートが気軽に楽しめるのは松本市民の特典ですね。
今年のコンサートは松本文化会館(写真)で行われました。心なしか、入り口のかまぼこ形のデザインが、小澤征爾が30年音楽監督をつとめたボストン交響楽団のタングルウッド音楽祭会場の一つ、SEIJI OZAWA HALLに似ているような。
朝早く新宿から高速バスに乗り、その後松本を観光して疲れたのか、おととしの水戸管弦楽団(@水戸芸術館)以来、楽しみにしていた小澤征爾の指揮だというのに、実は一曲目のラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」のときは不覚にも舟を漕いでしまいました。
不覚にも・・・という気持ちは本当ですが、実は私は以前別府にアルゲリッチ音楽祭(ピアニストのマルタ・アルゲリッチが音楽監督を務め、ちょっとだけ彼女も演奏する)に何度か行ったときも、同じようなことが・・・。しかもそのときは、唯一アルゲリッチが参加する演目(チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番)の2楽章(しかもピアノをよく聴けるいいところ!)で睡魔が襲ってきました。何のために飛行機に乗って別府までがんばって行ったのだろうと自己嫌悪。家族に肘でつつかれながらの鑑賞で演奏の記憶が全然ありません。
いい音楽を聴くとα波が脳内に出て、気持ちが安らかになるらしいのでその効果、でしょうか・・・・。皆さんもそんな経験ありませんでしょうか。
話は戻りまして、ラヴェルさんには失礼をいたしましたが、休んだおかげでメインのベルリオーズ「幻想交響曲」を堪能できました。
小澤征爾の面目躍如という感じで、ローリンマゼールなど他の指揮者とはまったく違った解釈でダイナミックな演奏でした。鐘が鳴るところがどうも録音のような感じだったのが残念でしたが、指揮もさながら一流の奏者たちの力量でしょう、全体的にとにかく素晴らしいもので、スタンディングオベーションになりました(小澤征爾なのでいつものようにアンコールはなし)。
ご存じのように、この曲はベルリオーズが見た夢を下敷きにしています。好きな女性が他の男性と踊るところを見て嫉妬のあまり彼女を殺してしまい、死刑になるところで目が覚める、という心の闇の部分を交響曲にしたもので、その主題からか、他の指揮者の場合、激しい旋律の部分含め、暗さで全章統一されている印象でした。
でも小澤征爾の場合、上に書いたようにとにかくダイナミック。妙な明るささえ漂っていました。メリハリが効いた心沸き踊るような演奏を私はとても楽しみましたが、プロの方はどういう感想を持つのだろう、とふと思いました。
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