NHK「あの人に会いたい」阿久悠(1937-2007)の回。
社会に対するメッセージをこめて詞を書いていたのだと知りました。
30歳で作詞者デビュー。都倉俊一、筒美京平などの作曲家とコンビを組みヒット曲を連発。10年後の40歳で年250曲作詞する超売れっ子となりました。
・狙いうち(山本リンダ)
・時の過ぎゆくままに(沢田研二)
・津軽海峡冬景色(石川さゆり)
などのヒット曲も彼の作品です。それぞれ違う作風が、類まれな才能をあらためて感じさせます。
作詞で大事なのは「時代」。時代を思い出す最初の扉が歌であればいいなとのこと。
中でも、「時の過ぎゆくままに」(1975年の作)、「時代おくれ」(1985年の作)について阿久悠が語っていたことが印象に残りました(歌詞はそれぞれタイトルをクリックしてご覧ください)、
「時の過ぎゆくままに」の場面設定について。
食べていくだけで精一杯だった戦後の日本。これまで、だるそうにピアノを弾いている女の姿は日本のドラマにはなかった
日常生活の中で、栄養失調ではなくだるい、つまり「満たされているのにだるい」ということが成立するようになったという時代を書きたかった、とのこと。
また、1985年の「時代おくれ」(河島英五)で豊かさと日本人との関係に警鐘を鳴らしています。
高度成長期で日本には金ぴかな人ばかり目にするようになった。幸福そうになったならいいのだけど、不機嫌な顔をしている。自分よりもっと金ぴかなやつがいるのが気に入らないのだろう。
そのために失っていく人間の魅力を書きたかった。「あの人は金儲けはへただけど立派な人」といういいかたがある。下の句の「立派な人だ」というのがついてこず、上の句だけで評価されるような時代はいやだと思ってこの詞を書いた。
では、20年後の今はどうなのか。色々と考えさせられます。
「あの人に会いたい」飯田深雪編はこちら
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