箱根のポーラ美術館。9月までマルク・シャガールの版画展を開催中。
ご存じ、化粧品のポーラが経営している美術館。五反田の本社ビルの受付ロビーもシンプルなレイアウトで彫刻が並んでいて素敵ですが、美術館も同じような美意識が広がっています。
シャガールの版画は、前回上野で見たダフニスとクロエーの他にも、ホメロスのオデッセイ、旧約聖書(シャガールはユダヤ系ロシア人で、敬虔なユダヤ教徒)などの挿絵でした。
上記のような、既存のテーマに沿って描いたものではなく、オリジナルのシャガールの絵に登場する女性は、彼の女神(ミューズ)であるベラ(シャガールの最初の妻。彼女が結婚30年後に亡くなって数年間、シャガールは失意のため筆が取れなかったとか)をモデルにしていることはあまりにも有名ですが、同じくよく登場する牡牛は、実はシャガール自身のことを指しているそうです。
常設展示は
・国内外の有名な画家(藤田嗣治、黒田清輝、ルノワール等)が少しずつ飾られ、さながら近代の美術史を見ているような部屋
・さすが化粧品会社だけあり、江戸、明治期の女性の風俗(髪型、化粧、服装)を描いた浮世絵のコーナー
がありました。特にちょっとした違いなのに、女性の髪の結い方が違うと、どのような身分の、どのくらいの年齢、など特定できるのが身分制度がはっきりしていたことの一端を示しており興味深かったです。
また、ミュージアムショップが充実していて、なかでも日本の工芸作家の作品(アクセサリーなど)の割合が多かったです。黒いサテンでできた小さなアーティチョーク(西洋アザミ)がひとつついたチョーカーなどVネックのセーターにつけたら素敵だろうと心ひかれました(家族に阻まれ買えず振り切って買えばよかった・・)。
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