ヨンチョル 兵役の義務は無し

アルビサポの皆さん御存知の通り、チョ・ヨンチョル選手は一刻も早くプロサッカー選手になりたくて、通っていた韓国内の高校を中退して渡日し、Jリーガーになりました。
横浜FCの選手になり、そして昨季からはアルビレックス新潟でプレーしています。

で、ヨンチョルの「高校中退」という経歴が、この場合は〝幸いして〟と書けば良いんでしょうか、彼の徴兵義務を消失させているんだそうです。
要するに、ヨンチョルは高校を卒業していないおかげで、軍隊に行かなくてOK、ってこと。
FIFAワールドカップでベスト4にならなくても、五輪サッカーで優勝しなくても、ヨンチョル選手は兵役に従事しなくていいと。

ちょっと前のことだけど、在日の韓国の方に教えてもらいました。

韓国人男性は兵役の義務を負うけど、その条件は、韓国内の高校を卒業した健康な男子。
逆に言えば、高校を卒業していないと軍隊に行く義務が発生しないということ。
「脱法」と表現するのは変だけど、合法的に兵役に就かない方法があるわけですな。
軍人になりたくなければ、高校に行かないか、高校を中退すればいい。
※念のために書きますが、別に高卒者でも徴兵を免除されるケースは定められています。※

ただ、韓国というのは日本以上の学歴社会。
日本でも、高校中退というと就職や結婚に当たって随分と不利な目に遭うけど、韓国はもっと酷いって話。
まあ、自分は韓国で生活した経験が無いので、実際のところ、どの程度の学歴社会かは皮膚感覚で理解らないけど、大学受験で警察まで動員されるなどのニュースを読むと、日本の〝お受験〟はカワイイもんだなと思います。

とまあ、そんなお国柄なんで、高校を卒業しないと、その後の人生に大いなる悪影響が出てくるわけで。
だから、そんな人生のリスクを冒してまで、高校を卒業しないで兵役逃れをする韓国人は稀だと思います。

だからヨンチョルが高校中退という選択をしたことは、韓国人の一般感覚で書けば、ひどい馬鹿げた話。
でも別の見方をすれば、〝人生の退路〟を絶って、サッカー一本に人生を懸ける覚悟で決断した、ってわけですな。


話が横道に逸れたので戻しますが、ヨンチョルは韓国の高校卒業資格がありません。
故に、徴兵に応じる義務は生じません―
っていうのを教えてもらったときは、俄かに信じられなかったんだけど、サッカー誌『フットボリスタ』に、同様の記事が載っているのを読んで、“あ〃本当だったんだ”と！！

6月のFIFAワールドカップで、セルティック所属のキ・ソンヨンという選手が韓国代表の一員で出ていましたよね。
『フットボリスタ』によれば、彼はオーストラリアの高校を卒業したので、兵役の義務は生じないんですって。
〝ミソ〟は、ソンヨンの出身校が、韓国内の高校じゃないというところ。

欧州のサッカークラブは、韓国人選手を獲得する際に、二の足を踏むという話。
というのも、兵役のせいで契約期間中にも拘わらず、チームを離脱せざるを得なくなる可能性があるから。
けど、ソンヨンやヨンチョルのように兵役義務がないと、話は違ってきますよね。

ヨンチョルって、だから実は他の韓国人選手に比べたら、欧州クラブに移籍し易い〝条件〟が整ってんですよね。
でも、可能ならば現役引退まで新潟でプレーし続けて欲しいんだけどさ。
まあ、それは無理な話なんでしょうね。