環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

緑の福祉国家19 オゾン層保護への対応 ②

2007-02-06 23:03:57 | 市民連続講座:緑の福祉国家


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これらの規制に対応して、スウェーデン最大の家電メーカー、エレクトロラクス社は、1994年8月から家庭用ノンフロン冷凍冷蔵庫の販売を開始しました。冷媒には「イソブタン」断熱材には「シクロペンタン」が用いられています。

これらはいずれも炭化水素系物質で、自然界に存在している物質です。日本の冷凍冷蔵庫の冷媒として使用されている「HFC・134a」という物質(強力な温室効果ガス)に比べてイソブタンは温室効果がきわめて低く、環境に与える負荷も少ないとされています。

次の図を見るとおわかりのように、日本で断熱材として使われている「HCFC」も冷媒として使われている「HFC」も温室効果が高いものです。  
 
スウェーデンから遅れること8年、日本でも東芝が2002年春から、その他のメーカーも秋から、「イソブタン」を冷媒に使った「ノンフロン冷蔵庫」を発売しました。私がこの種の情報を受けるといつも思うことは、技術立国を標榜する日本が、なぜ同じような製品をつくるのに8年も遅れるのかということです。

ちなみに、日本の環境庁(現在の環境省)は1998年からスウェーデンのエレクトロラクス社製の「ノンフロン冷凍冷蔵庫」を4台購入し、使用しているとのことです。ホームぺージの概要は次のようです。

環境庁のホームページ スウェーデン製ノンフロン冷凍冷蔵庫      平成10年12月4日発表

2.購入の目的
環境庁では、地球温暖化防止の観点から、庁内の冷蔵庫の更新に当たり、冷媒にHFCを用いない冷凍冷蔵庫(ノンフロン冷凍冷蔵庫、スウェーデン製)を購入した。現在国内メーカーはノンフロン冷凍冷蔵庫を製造・販売していない。環境庁では、ノンフロン冷凍冷蔵庫の導入を契機に、国内メーカーによるノンフロン冷凍冷蔵庫の開発・販売が促進されるよう要請していきたい。

3.購入した冷凍冷蔵庫の特徴
購入した冷凍冷蔵庫は、冷媒としてイソブタン、断熱材にはシクロペンタン(いずれも炭化水素系)を使用している。これらの炭化水素系の物質は自然界に存在する物質であり、現在多くの冷凍冷蔵庫の冷媒として使用されているHFCに比較して温室効果が極めて低く、環境に与える負荷も少ないとされている物質である。また、冷凍冷蔵庫の有効内容積は327L(冷蔵室:240L、冷凍室:87L)で、平均消費電力量は49kWh/月である。
           
(日本の環境庁のホームページから。2001年2月26日閲覧)。

 
シリーズ「緑の福祉国家」は今日でいったん中断しますが、この続きは4月20日から再開します。  

 

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2 コメント

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5日の講演参加者です (山中)
2007-02-06 23:30:20
大変貴重なお話を聞かせていただきました。”構造が残る限り、小手先で何をやっても変わらない”という点をはっきり言われたことが衝撃でした。政治や政治家にもっとコミットして変えないといけないのか、という思いを抱くと共に、それは大変面倒な話だな(笑)という思いもよぎります。しかし、ネットで知った限りですが http://www.videonews.com/on-demand/301310/000962.php のような政治かもいるようなので、そのような方を応援するという形でなら参加できるのではと今は考えています。日本緑の党は参院戦には間に合わないでしょうが、出来たら面白いのにとつくづく思います。
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政治の必要性 (小澤)
2007-02-07 07:07:07
山中さん、コメントありがとうございます。

私は今話題の米国元副大統領ゴア主演の映画「不都合な真実」(地球温暖化がテーマ)をまだ見てないのですが、これを見た私の知人は彼のブログで「ゴア元副大統領が最後に環境問題に取り組む政治家に投票しよう。いなかったら、自分で立候補しよう」という政治的メッセージもちゃんとありましたと、書いています。

政治の必要性(重要性)については、2月2日のブログをご覧下さい。

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