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これらの規制に対応して、スウェーデン最大の家電メーカー、エレクトロラクス社は、1994年8月から家庭用ノンフロン冷凍冷蔵庫の販売を開始しました。冷媒には「イソブタン」、断熱材には「シクロペンタン」が用いられています。
これらはいずれも炭化水素系物質で、自然界に存在している物質です。日本の冷凍冷蔵庫の冷媒として使用されている「HFC・134a」という物質(強力な温室効果ガス)に比べて、イソブタンは温室効果がきわめて低く、環境に与える負荷も少ないとされています。
次の図を見るとおわかりのように、日本で断熱材として使われている「HCFC」も冷媒として使われている「HFC」も温室効果が高いものです。
スウェーデンから遅れること8年、日本でも東芝が2002年春から、その他のメーカーも秋から、「イソブタン」を冷媒に使った「ノンフロン冷蔵庫」を発売しました。私がこの種の情報を受けるといつも思うことは、技術立国を標榜する日本が、なぜ同じような製品をつくるのに8年も遅れるのかということです。
ちなみに、日本の環境庁(現在の環境省)は1998年からスウェーデンのエレクトロラクス社製の「ノンフロン冷凍冷蔵庫」を4台購入し、使用しているとのことです。ホームぺージの概要は次のようです。
環境庁のホームページ スウェーデン製ノンフロン冷凍冷蔵庫 平成10年12月4日発表
2.購入の目的
環境庁では、地球温暖化防止の観点から、庁内の冷蔵庫の更新に当たり、冷媒にHFCを用いない冷凍冷蔵庫(ノンフロン冷凍冷蔵庫、スウェーデン製)を購入した。現在国内メーカーはノンフロン冷凍冷蔵庫を製造・販売していない。環境庁では、ノンフロン冷凍冷蔵庫の導入を契機に、国内メーカーによるノンフロン冷凍冷蔵庫の開発・販売が促進されるよう要請していきたい。
3.購入した冷凍冷蔵庫の特徴
購入した冷凍冷蔵庫は、冷媒としてイソブタン、断熱材にはシクロペンタン(いずれも炭化水素系)を使用している。これらの炭化水素系の物質は自然界に存在する物質であり、現在多くの冷凍冷蔵庫の冷媒として使用されているHFCに比較して温室効果が極めて低く、環境に与える負荷も少ないとされている物質である。また、冷凍冷蔵庫の有効内容積は327L(冷蔵室:240L、冷凍室:87L)で、平均消費電力量は49kWh/月である。
(日本の環境庁のホームページから。2001年2月26日閲覧)。
シリーズ「緑の福祉国家」は今日でいったん中断しますが、この続きは4月20日から再開します。
私は今話題の米国元副大統領ゴア主演の映画「不都合な真実」(地球温暖化がテーマ)をまだ見てないのですが、これを見た私の知人は彼のブログで「ゴア元副大統領が最後に環境問題に取り組む政治家に投票しよう。いなかったら、自分で立候補しよう」という政治的メッセージもちゃんとありましたと、書いています。
政治の必要性(重要性)については、2月2日のブログをご覧下さい。