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3.京都議定書への対応
スウェーデンの気候変動(日本では「地球温暖化」)に対処するための国内的対応は、EU諸国と連帯して、国際的対応に弾みがつくような方法で組織されなければなりません。また、実効性のある戦略であるためには、気候変動にかかわるすべての温室効果ガスを対象とし、社会のすべての部門が参加するものでなければなりません。
●京都議定書の位置づけ
1994年3月に発効した「気候変動枠組み条約」の第3回締約国会議(COP3)が97年12月に京都で開催され、最終日に「地球温暖化防止京都議定書」(いわゆる京都議定書)が採択されました。
この時点での米国、日本、スウェーデンの京都議定書の位置づけは、3者3様でした。
3者とも京都議定書に署名はしたものの、米国は途上国の参加が義務づけられていないこの議定書は、「議論の出発点にもならない」と考えていたし、日本は「議論の出発点」と位置づけ、スウェーデンは「議定書の内容では不十分なので、議定書の範囲を超えた独自の政策を展開する」でした。
その後、米国は2001年3月に京都議定書から離脱しました。日本は京都議定書を2002年6月4日に、スウェーデンは同年5月16日に批准しました。2005年2月16日、多くの困難を乗り越えて、京都議定書は米国、オーストラリア抜きで正式に発効しました。
●「温室効果ガス抑制目標」に対するEUの国別新配分
京都議定書の採択から半年たった1998年6月、EUは環境大臣理事会で、地球温暖化防止京都会議で合意された「CO2など温室効果ガスの8%削減」を具体化するために、国別分担の排出量新配分で基本合意しました。このことを伝える当時の日本経済新聞(98年6月18日付け)を掲載します。
この新配分でEUは、スウェーデンに1990年比で「4%の温室効果ガスの排出量増加」を認めていますが、これは、スウェーデンが70年以降およそ30年間にわたって、「CO2の排出量を少しずつ削減してきた実績」と、「原発の段階的廃止をめざす計画を保持していること」に配慮したからです。
この新配分に対して、当時のスウェーデンの環境大臣は「スウェーデンは新配分で与えられた“増加分の4%”を利用するつもりはない。増加を受け入れた理由は、他国にその分を利用させないためだ」とコメントしました。いかにも、「CO2」削減に真剣に取り組んでいるスウェーデンらしい発想だと思います。
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