環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

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94年の朝まで生テレビ:評論家 田原総一朗の「環境認識」

2007-01-28 14:42:27 | 社会/合意形成/アクター


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今年1月1日にブログを開設してからちょうど4週間が経ちました。開始に当たって設定した9つの「カテゴリー」のうち、このカテゴリー「えっ! どうして」だけが空になっていました。このカテゴリーは、私の環境論から見て「ほんとうにそうなのだろうか、どうして?」と私が疑問に思うことを提供して、皆さんのお考えを聞きたいという考えで設けたものです。

私の環境論はブログの「市民連続講座:環境問題」を見ていただくとして、ここでは、さまざまな社会問題を把握するときの私の基本的な考えを示しておきましょう。これは、あくまで私の考えですから、別の考え方であってもよいわけです。


さて、今日の話題です。
2週間前の1月14日、テレビ朝日の「サンデープロジェクト」を見ました。番組では田原総一朗さんが経済財政担当大臣であられる太田弘子さんと対談していました。テーマは「安倍政権になって家計は楽になる?」というような内容でしたが、この対談をながめながら、私は10年近く前の田原さんの「環境問題に対する発言」を思い出しました。

田原さんの当時の発言は10年近く経った今でも、納得できる興味深い記事ですので、このカテゴリーの最初の話題として紹介しましょう。みなさんは、どう考えますか。

その記事というのは、私が96年の設立当時から属している環境経済・政策学会編の「環境倫理と市場経済」(東洋経済新報社 1997年9月18日発行)の193ページからはじまる「環境論壇」に収録されています。筆者は末石冨太郎さん(滋賀県立大学環境科学部)です。画像がちょっと不鮮明ですので、右の記事の当該部分をリライトします。

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・・・・・それに総合雑誌の環境問題の扱いはほとんど失望さえしていて、例えば『中央公論』では、半年に1回くらい米本昌平を登場させるていど、さらに実名をあえて挙げるが、94年の大晦日のTV朝日系の「朝まで生テレビ」で、21世紀最大の問題は何か という問いへの答えに、若いひとりの出演者が「環境問題」といったとき、司会の田原総一朗は「なにっ環境? そんなもん経済の向こうのもう一つ向こうの問題ではないか!」と切って捨て、反論の余地さえ与えなかった。つまり田原の頭の中は完全に景気浮揚でいっぱいだったのだ。その彼を、環境科学を売りにしている滋賀県立大学がいつの間にか客員教授に任用している滑稽さを、いったい何と評すればよいのか。 (以下省略)
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97年にこの田原さんの発言を読んだとき、私はたいへん驚いた記憶がありますが、あれから10年経ったにもかかわらず、私の環境論から見れば、田原さんの「環境問題に対する認識」は今もあまり変わってないことを知り、さらに驚きました。 

私の環境論では「経済」と「環境」は切っても切れない関係なのですが、田原さんの考えは多くの主流のエコノミストや政治家、評論家に共通な「経済」と「環境」は別物という考えです。つまり、経済を語るときに「金の流れ」しか見ていない ということです。これでは、20世紀の経済は語れるとしても、21世紀の経済の方向性を適切に判断することはできないでしょう。   


今年最初のサンデー・プロジェクト(2007年1月14日放映)のテーマは「安倍政権になって家計は楽になる?」というような内容でしたが、はたして来年最初のテーマはどうなるのでしょうか(もっともこの番組がその時まで続いていればということですが・・・・・)

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