環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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今朝の朝日の社説:「人類史上で初の体験」、私の環境論では「環境問題」と「少子高齢化」が・・・・・

2011-01-01 19:49:56 | 政治/行政/地方分権
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新年明けましておめでとうございます。

いよいよ、今日から新しい年「2011年」が始まりました。今朝の朝日新聞の社説から「人類史で初めての体験」という小見出しが目に飛び込んできました。私は2000年頃から「私の環境論」で「環境問題」と「少子高齢化問題」の2つを人類史上初めて直面する大問題と位置づけてきたからです。

このことは昨年暮れに取り上げたドラカーの『ネクスト・ソサエティ』のサブタイトル「歴史がみたことのない未来がはじまる」は、私の環境論で翻訳すると「人類史上初めて直面する2つの大問題(具体的には「環境問題」と「少子高齢化問題」)を抱えた未来がはじまる」となると書きました

大変残念なことに、今朝の朝日新聞の社説は、 「環境問題」にはまったく触れていません。まずは、この社説をご覧ください。

●今年こそ改革を 
人類史で初の体験、もう財政がもたない、民主は公約を白紙に


そして、その背景資料の1つとして、最新の人口減少の側面が次のように報じられています。

21世紀の日本が初めて直面する「2つの大問題」

これからの50年、私たちは否応なしに人類史上初めて直面する2つの大問題を経験することになるでしょう。どちらも、私たちの社会をこれからも持続させることができるかどうか、つぎの世代に引き渡すことができるかどうかに、深くかかわっています。

その一つは、日本でも関心の高い「少子・高齢化問題」です。少子化も高齢化も、人類にとって初めての経験ではありません。しかし、少子化と高齢化が手を携えてやってきたことは、これまでにはありませんでした。これは「人間社会の安心」を保障する年金、医療保険、介護保険、雇用保険などで構成される「社会保障制度の持続性」にかかわる問題です。つまり、人間社会の安心と安全が保障されるかどうか、という意味において「社会の持続性」にかかわる大問題なのです。

もう一つはいうまでもなく、「環境問題」です。これは「人類を含めた生態系全体の安全」を保障する「環境の持続性」にかかわる大問題です。環境問題の根本には人間の経済活動が原因として横たわっているわけですから、この問題を解決するための具体的な行動は、経済的に見れば「経済規模の拡大から適正化」への大転換であり、社会的に見れば20世紀の「持続不可能な社会(大量生産・大量消費・大量廃棄の社会)」から21世紀の「持続可能な社会(資源・エネルギーの量をできるだけ抑えた社会)」への大転換を意味します。

先進工業国がさらなる経済規模の拡大を追求し、途上国がそれに追従するという20世紀型の経済活動の延長では、経済規模は全体としてさらに拡大し、地球規模で環境が悪化するにとどまらず、これからの50年間に人類の生存基盤さえ危うくすることになるでしょう。
 
この2つの大問題は、私たちが今まさに、 「人類史上初めての大転換期」に立たされていることを示しています。
 
地球的規模で生じている環境問題は人類共通の重大事であり、世界のほぼ全域に広がった21世紀の「市場経済システム社会(資本主義社会)」を揺るがす最大の問題ですから、国際的な環境問題の解決とは、「人間社会を含めた生態系全体のセーフティ・ネット」を地球規模で張り替えることを意味します。
 
20世紀後半に明らかになった「少子・高齢化問題」と「環境問題」は、20世紀の国づくりではまったく想定されていませんでした。しかし、21世紀の国づくりでは決して避けて通ることのできない問題です。 

このことは、「経済規模の拡大」を大前提とする日本の21世紀前半の国づくりに大きな疑問を投げかけることになります。自然科学が(具体的には「資源・エネルギー・環境問題」)が、「これから50年後の社会のあるべき姿はいまの社会をそのまま延長・拡大した方向にはあり得ない」ことをはっきり示しているからです。

このことから、昨年暮れに取り上げたドラカーの『ネクスト・ソサエティ』のサブタイトル「歴史がみたことのない未来がはじまる」は、私の環境論で翻訳すると「人類史上初めて直面する2つの大問題(具体的には「環境問題」と「少子高齢化問題」)を抱えた未来がはじまる」となるのです。ドラッカーはこの著作の中で「2030年の社会」を想定しています。この点でも私はドラッカーの考えに賛同します。

今年こそ、 日本の社会が自然科学が示唆している「エコロジカルに持続可能な社会」の方向に舵を切れるように、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。皆さんからの真剣なコメントを期待しています。


     
  

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