環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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「環境基本法」成立から14年⑩  中央公聴会での質疑応答―その4:柳田議員とのバトル(?)

2007-12-15 07:26:56 | 政治/行政/地方分権


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○原田委員長 柳田稔君。

○柳田委員まず最初に、小沢公述人にお伺いをしたいのでありますけれども、「この法の制定により、環境問題が改善の方向に向かうとは到底考えられない。」だから反対だというふうな結論であります。

私は逆に、先生が望んでおるような、ここまでできれば、例えばスウェーデンの先ほど言った環境コードですか、までできればそれはすばらしいものかもわかりませんけれども、現段階でこの環境基本法をつくっていって、さらに、先生も書いてあるとおり「法律には国民を間接的に教育してしまう効果がある」ということですから、国としてもこういうふうに環境に対して大変関心を持って前に進めるんだ、そういうふうなことも出てくるんではないかと思うので、私は、なぜ反対されるのか、まだ少しわからないのでありますけれども、いかがでしょうか。

○小沢公述人 反対というか、あるよりない方がいいかと問われれば私はあった方がいいという程度の話でして、つまり実効があるかどうかという点を考えたときに、もう少し環境問題ということを真剣に考えてやればもっと別なものができるであろう、こういうふうに私は思うわけです。

それはなぜかといいますと、今私が聞いている範囲では、この法律ができたときになくなるものは何かというと、公害対策基本法がなくなる、それで、そのほかのものは残るというわけですね。つまり、公害対策基本法のもとでできた大気汚染防止法とか水質汚濁防止法とか、そうゆうたぐいは残るわけです。そうしますと、過去の行政の対応と、つまり法律というのは生きているわけですから、変わらないではないか。もし許認可事項をやるとしても、今までの大気汚染防止法に沿ってやるのでしょうし、水質汚濁防止法に沿ってやるわけです。あるいは廃棄物もそうだと思います

そうだとすると、私の認識では、二十年前よりも今の環境の状態は一部のものを除いて悪くなっている、こうゆうふうに考えているわけです。ですから、従来と同じ法律が生きていて、それを早く変えるというなら別ですよ。早く変えるということがあれば、そうですけれども、既存の法律として生き続け、それに基づいて行政が判断をする、アセスメントもそうです、そういうことになれば、汚染物質はふえてしまうじゃないか、そういう意味で反対だと言うわけです。

 ○柳田議員 また、小沢先生に質問でありますけれども、基本法、これで環境を守るのだという理念を我々は打ち出すわけですね。これが国会で成立し、そして行政がこれに基づいて動き出す。となれば、ほかのいろいろな法律についても基本法にしたがって徐々に改正していかなければならない。理念も何もない、基本法も何もないのに改正しろというのは無理な問題で、まずこれをつくって、それをもとにしていろいろな法律も改正していこうというのが行政の手腕でもあるし、また、そうせざるを得ないとも思うのです。

だから、あるかないか問われればあった方がいい、私もそう思いますけれども、もっといろいろな面の具体策はこれから本格的にやろうということなので、まあ、反対とおっしゃらずに、まだまだ不十分であるという程度ぐらいかなと思うのですが、いかがでしょうか。

 ○小沢公述人 可及的速やかに成立してほしい、こういうふうに法律案には書いてございます。したがって、私はそれは反対だと言っているわけです。今おっしゃったように、こういうものができて徐々にというよりも、なるべく早い時期にほかの法律が変わっていくということが明確であれば、私はあえて反対は致しません。

ただ、私がこの際申し上げたいことは、現実問題を考えますと、こういう新法をつくるというよりももっと効力があるのは、いわゆる、行政の縦割りというところ、ここにメスを入れるべきだと私は思います。私は、環境問題は実は社会システムの問題だ、特に我が国を考えたときには社会システムの問題だということを基本的に考えております。

ここにも書きましたように、環境基本法をつくっても、それがほかの省庁が抱えている法律に影響を及ぼさないようであれば、これは意味がないと私は思う。なぜかといいますと、人間の活動すべてが実は環境の負荷にかかわるものであります。そういう認識に立てば私の主張していることは全然不思議ではないと思います。

 ○柳田委員 この基本法は多分いろいろな省庁にまたがります。だから、環境庁がどうのこうのという以上に縦割り行政が、これ一つとっても相当変わってくるのではないかという気もしますので、これを通していろいろな面で、これを基礎にして変えていこうという気持ちもありますので、小沢公述人には御理解賜ればと思います。 

次に安田先生にお尋ねしたいのであります。

○安田公述人 答弁(省略)○柳田委員 安田公述人への質問(省略)
○安田公述人 答弁(省略)
○柳田委員 内田公述人への質問(省略)
○内田公述人 答弁(省略)
○柳田委員 清水公述人への質問(省略)○清水公述人 答弁(省略)

○柳田委員 ちょうど時間になりました。大変いい御意見を賜りまして、心から感謝を申し上げます。本当にどうもありがとうございました。

原田委員長 これにて公述人に対する質疑は終了いたしました。
午後零時四十三分休憩

以下省略

さて、私の記憶が定かではないのですが、“間違っていたらごめんなさい”と居直って記憶をたどると、この「環境基本法案」は時間切れ(?)で廃案となり、次の国会に再提出され、可決成立しました。再提出された法案には「6月5日(?)を世界環境の日とする」という条文が「廃案となった環境基本法案」に追加されただけでした。

何のための公聴会であったのか、公述人の多数が法案に賛成の立場で臨んだ公聴会で「このままでは実効性に乏しい。エコロジーの視点からもうすこし考える必要がある」という理由で反対の意思表示をした私としては拍子抜けな気持ちでした。

あらためて、12月7日のブログ「環境基本法成立から14年② 不十分なので、このままでは私は反対だ!」 に掲げた新聞記事を掲載しておきます。






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