環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

「環境基本法」成立から14年⑪ 中央公聴会での質疑応答を終えた私の感想

2007-12-16 04:35:53 | 政治/行政/地方分権


私のプロフィールや主張、著書、連絡先は、ここをクリック

持続可能な国づくりの会<緑と福祉の国・日本>のブログは、ここをクリック


14年前の中央公聴会で私とバトル(?)を繰り広げた柳田委員(当時の民社党衆議院議員、もと鉄鋼会社のサラリーマンと議録で述べています)の主張と私の主張のどちらに合理性があったかは、もう10年前に決着がついています。 

私の懸念は10年前にすでに現実の問題となっていたのです。中央公聴会で「このような新法をつくるよりもまずなすべきは行政の縦割りにメスを入れるべきだ」とした私の主張を再確認する事態が生じていたのです。次の図をご覧下さい。説明は不要でしょう。


中央公聴会の公述人は私のほかに、清水汪さん(農林中金総合研究所理事長)、安田八十五さん(筑波大学社会工学系助教授)、内田公三さん(経団連常務理事)、猿田勝美さん(神奈川大学外国学部教授)、梶山正三さん(弁護士)、篠原義仁さん(弁護士)、高木邦雄さん(尚美学園短期大学教授)の7名でした。

この中央公聴会で「政府提出の環境基本法案」に賛成の立場から意見を述べた環境庁OBの清水汪さんは「私は、中央公害対策審議会の委員を仰せつかっておりますが、自然環境保全審議会と合同で新しい『環境基本法制のあり方について』という答申づくりに参加した者の一人として……」と前置きし、この法案に対して次のような意見陳述を行いました。

X X X X X 
……このような観点から見ましたとき、政府案は、審議会の答申を最大限尊重し、地球サミットの成果を念頭に置いて、これまでの環境政策の経験を踏まえ、その継続性を保持するとともに、新たな課題に十分答えることができる内容となっており、適切なものであると考えます。 …… 
X X X X X

同じ資料を参考にし、しかも、ご自身がおっしゃるように環境庁のOBとして、また、中央公害対策審議会の委員として、この法案の策定までの経過を御覧になられてきた方の認識と理解が、これだけ私と異なるとは私にとってこの公聴会への出席は新鮮な驚きでした。 


この公聴会に対する もう一つの驚きは会の冒頭の委員長の挨拶です。議録から原文のまま引用します。   

○原田委員長 これより会議を開きます。内閣提出、環境基本法案、内閣提出、環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する 法律案及び馬場昇君外二名提出、環境基本法案の各案について公聴会を行います。   

この際、御出席の公述人の皆様に一言とご挨拶を申し上げます。公述人各位におかれましては、ご多用中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。各案に対するご意見を拝聴し、審査の参考にしたいと存じますので、忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。   

なお、御意見は、清水公述人、安田公述人、内田公述人、小沢公述人の順序で、お一人十五分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。    
念のため申し上げますが、発言をする際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、公述人は委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。それでは、まず、清水公述人にお願いいたします。 

型どおりの挨拶とはいえ、「公述人は委員に対して質疑をすることはできないことになっております」とはどういうことなのでしょうか? まさに一方交通です。文字通り、“公聴会”だからなのでしょうか? 議論のないところに、理解はありえません。 

関連資料
第126回国会 環境委員会公聴会 第1号(議事録全文)









それぞれのマークをクリックすると、リアルタイムのランキングが表示されます。お楽しみください。

      
     

最新の画像もっと見る

コメントを投稿