環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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スウェーデンの「脱原発政策の歩み」⑧ 人間には英知がある?

2007-11-06 08:04:45 | 原発/エネルギー/資源


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皆さんへのお願い:10月30日から始めたこの連続講座「スウェーデンの脱原発政策の歩み」(私の理解では「エネルギー体系修正のための政策」という表現のほうが適切だと思う)がカバーする範囲は、1960年代から1990年頃までです。その頃を振り返りながら読んでください。その後のスウェーデンのエネルギー政策は「緑の福祉国家22~30:エネルギー体系の転換」を参照してください。 
 

世界の科学者が懸念している二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスによるとされる地球温暖化の問題はその影響が将来出てくるという点では科学者の間でほとんど合意されているとしても、それが「いつ頃から、どのくらいの規模で」という点になりますと不確実性が伴い、はっきりしていません。その点では、私は「エネルギー問題のほうが予測の確実性が高い」と思うのですが、どうして、日本では、このエネルギー問題の現実を直視しようとしないのでしょうか? 

これまで多くの識者と呼ばれる方々は「人間には英知(叡智)があるから……」と言い続けてきましたが、もし、人間に英知があるというのなら、もっとはっきり言えば、日本のエネルギーの専門家やその周辺に位置し、エネルギー問題や環境問題を論じている科学者、技術者、行政官、経済人、評論家、経済学者、ジャーナリストなどは今こそ、その英知を発揮して、現在の日本のエネルギー体系の実情を国民に易しく提示して国民の英知を求めるべき時ではないのでしょうか? 

私の理解では、日本のエネルギー体系の深刻さの度合いはスウェーデンの比ではありません。スウェーデンの福祉政策や民主主義の話をすると必ず出てくる質問に「スウェーデンの人口はわずか850万だが、日本は1億2万だから…」というスウェーデンにできて、日本にはできないときの言い訳としてしばしば引用される「人口の大きさの相違」は、このようなエネルギーの問題を考えるときこそ「日本の重要な要因」として考えておかなければならないことなのです。

「日本の人口規模の大きさおよび産業活動の規模の大きさ」と「エネルギー問題に対する認識の薄さ」が、日本のエネルギー問題への取り組みを難しくしているのです。さらに困ったことには、その深刻さを日本の経済人も、技術者、学者、評論家、ジャーナリストも一般国民も多くを語る割りには、ほとんど認識していないように見えることです。 






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