環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

スウェーデンの「脱原発政策の歩み」⑨ スウェーデンの脱原発の動向に一喜一憂するよりも大切なことは

2007-11-07 06:33:23 | 原発/エネルギー/資源



私のプロフィールや主張、著書、連絡先は、ここをクリック

持続可能な国づくりの会<緑と福祉の国・日本>のブログは、ここをクリック


皆さんへのお願い:10月30日から始めたこの連続講座「スウェーデンの脱原発政策の歩み」(私の理解では「エネルギー体系修正のための政策」という表現のほうが適切だと思う)がカバーする範囲は、1960年代から1990年頃までです。その頃を振り返りながら読んでください。その後のスウェーデンのエネルギー政策は「緑の福祉国家22~30:エネルギー体系の転換」を参照してください。 
 

もう一度くり返しましょう。あえて、「苦悩」という言葉を使うとすれば、スウェーデンは日本のように現在および近未来のエネルギーの「供給量」で苦悩しているのではなく、自らの意思で(民主主義の手続きにしたがって合意形成し国民の総意のもとに、具体的には1980年3月の国民投票の結果を踏まえて、同年6月の国会決議に基づいて)、自らに厳しい条件を課して2010年以降の「エネルギー供給の質と量」を修正するために苦悩しているのです。

ですから、日本政府のエネルギー政策担当者やエネルギーにかかわる専門家・研究者は官民問わず、スウェーデンの脱原発政策(エネルギー体系修正のための政策)の動向に一喜一憂するよりも、日本の現状を十分に国民に知らせ、日本の国民生活の安定のために国を挙げての協力体制を早急に造り上げることがエネルギーの供給安定のためにも欠かせないことだと思いますがいかがでしょうか? 
 
英知を発揮する方向は今までの専門家や技術者が考えてきた技術開発によるエネルギー供給の増大による安定供給(この考えがおかしいのではないかということがここでの議論です)ではなくて、まったく逆の「現行の社会システムをエネルギーの供給量および需要量が増えないような、できるものなら、年々、エネルギーの供給量および需要量が減少するような社会システム」に変更していく方向です。この方向は、いうまでもなく、 「エネルギー供給の安定化」への方向でもあるのです。

この方向に沿うようなエネルギーの研究開発に予算を積極的につける必要があります。これは、日本では官僚と政治家の仕事です。当然のことですが、このエネルギー問題の解決への方向は地球温暖化の問題の解決の方向と同一方向にあります。つまり、エネルギーの総供給量および総消費量を減ずる方向です。

日本のエネルギー政策の方向性は、これまでエネルギーの総供給量を常に増大する方向ですので、世界共通の問題解決の方向とは逆向きの方向に向いているのではないでしょうか?
 
全エネルギーの海外依存度が80%を超え、しかも、そのエネルギー消費量が米国、ソ連、中国に次いで世界第4位のエネルギー消費大国である日本では、エネルギー増大の方向でエネルギー供給の安定化を図るよりも、減少の方向で安定化を図るほうが容易であることは疑いの余地もありません。







それぞれのマークをクリックすると、リアルタイムのランキングが表示されます。お楽しみください。

      

最新の画像もっと見る

コメントを投稿