石森則和のSEA SIDE RADIO

ラジオマンの
石森則和がお届けするブログです!

STARDUST REVUE 30th Anniversary

2012-05-20 | Weblog
STARDUST REVUE 30th Anniversary
オールキャストで大謝恩会~5時間程度まったりと~おみやげ付き
(2012年5月19日13時~およそ6時間
@さいたまスーパーアリーナ)

毎回、趣向をこらしたオープニングのスタレビ。
スポットライトに照らされた要さんが
「アメイジンググレイス」をアカペラで歌い始めた。

いつもながら圧巻の歌唱力。
そして、コーラス部分に至ったときにはっとした。

その瞬間、照明が照らし出したのは、
要さんを入れて9人。

現在のスタレビは、根本要さん、ベースの柿沼清史さん、
ドラムの寺田正美さん、
そしてパーカッションの林“VOH”紀勝さんで、

サポートメンバーとして
キーボードの添田啓二さん、
ギター、キーボードの岡崎昌幸さんが加わる。

・・・では、
あとの3人は誰なのかというと。

初代キーボーディストで
esqとして活動する、三谷泰弘さん

そのあと正式メンバーとして加入し、
後にソロに戻って活躍する光田健一さん、

そして、SAXの山本公樹さんだ。

歴代メンバーが
雲間から差す陽光のような照明の下
声と心を合わせて歌っているのを見ると
長年のファンでもある自分には
ぐっとくるものがあった。

スタレビは、キーボーディストが二度交代するなど
様ざまな局面を乗り越えてきたバンドである。
きょうのステージでも、
メンバー交代当時の不安な心境が吐露された。

しかし、今は
辞めていったメンバーをも暖かく迎え、
元メンバーらもバンドへの敬意を忘れない。

バンドにとって
こんな幸せなことがあるだろうか。

5年前、
さいたまスーパーアリーナで行われた25thのときにも
途中から「元メンバー」がサプライズ出演したが
今回は意味合いが違う。単なる再会ではない。

今回は最初からステージに登場し、
リリースされた年代ごとの演奏では
当時のメンバーが演奏を担当する場面があるなど

長くスタレビを愛してきたファンにとっては
感慨深いものだった。

音楽は、聴く人の人生と密接にリンクしており、
時に思い出を呼び覚ます。

いずれの時代の曲も「スタレビ」の音でありながら
歴代キーボーディストがアレンジを担当した曲も多いため
カラーの違いも楽しめた。

元キーボーディストをフィーチャーした場面では
三谷さんが久しぶりに自作曲をバンド形式で歌ったが
息を呑むほどの熱唱であった。

演奏が終わったあと
一瞬、サングラスの下の目をぬぐった要さんの心境は
いかなるものだったのだろうか。


また、
僕ともおつきあいのある光田さんのボーカルとピアノは
繊細かつエモーショナルで、
要さんとのツイン・ボーカルは「奇跡」のようだった。


ただ、
元メンバーとの演奏は
昔を懐かしむというよりは、
互いの成長を称えあい、尊敬しあうような時間だった。

一方、
ツアーやイベントを数多くこなしてきた現メンバーの演奏は
未来に向かっての決意表明のようだった。


~~~

スーパーアリーナの天井に
高くつるされた「くす玉」。

要さんはエレベーター式のセリに乗る。
「みんなの声援に比例して上にあがるセリ」だという(笑)。

要さんは、どんどん上にあがっていって、
客席からの歓声はピークに達し
ついにくす玉のヒモに手が届く。

ひもを・・・引く。

すると
黄色と赤の無数の風船が
客席の上に降り注いだ。

それは
長年支えてきたファンへの感謝を表したものだったと思う。

客席の皆は、風船を受け止め
それをつかんで、
再び音楽の旅にでかけた。


要さんは
「悪い、この会場の中で
一番楽しんでいるのは自分だ」と泣き笑いしていたが
それは心からの言葉だったと思う。



~~~
ライブが終わった後
要さんとお話した。

石森:
『オープニングで歴代メンバー全員がアメイジンググレイスを歌ったときには
胸が熱くなりました。
あれがスタレビというバンドを象徴してると思いました』

要さん:『ありがとねー。あと俺さ。






セリが高くなっていくのが怖くて怖くて』(笑)



ステージと客席を見下ろす部屋で
要さんは、少し照れくさそうに話した。

『バンドだから色んなことを乗り越えてこられた。
だから30年たった今、
きょうのようなお客さんに支えられて
こういうライブにすることができたんだと思う』

「永遠の0」読了。

2012-05-17 | Weblog
百田尚樹さんの「永遠の0(ゼロ)」
全く前知識なしに読ませていただいた。

人生の目的を失った青年が
特攻で死んだ「実の祖父=宮部久蔵」の人物像に迫ろうとし、

数々の関係者による様々な角度からの証言で、
徐々にひとりの男の姿が浮かび上がってくる。

~「臆病なエースパイロット」~

軍人らしくない優しげな彼は
しかし、誰よりも譲れない想いを持っていた。
「生きて帰れ、死ぬなよ」

実在の人物も登場する戦記風でもあり、
すべての証言者の人間ドラマでもある。

彼らは
彼ら自身の当時の戦闘や軍隊暮らしについて語っているのだが
人生の一時期に出会うだけの宮部が、
ずしりと存在感を増していく。

これは、僕だけなのかどうかわからないが
僕が感情移入したのは、
主人公である宮部の孫にではなく、宮部にでもなく
それぞれの証言者に、であった。

戦争はまっぴらごめんだが
自分も宮部に会いたいと思ってしまうのだ。

証言者の中でも
特に、彼を心底「憎んでいる」と語る元ヤクザの男には
心をぐっと掴まれた。

彼は「特攻で死んだ」と
最初のほうで語られているにも関わらず

読んでいるうちに
「宮部は、もしかしたら本当は生きているのではないか、  
~生きていてくれ!」とも思えてくる。

・・・そして、
最終章では。

胸を何度も衝かれるような
驚愕と感動が待っている。

バラバラに思えた、これまでの様々な証言が、
堰を切ったようにつながっていく。

それぞれの証言の中で輝いていた宮部のエピソードが
胸いっぱいに星座を形作る。


彼はなぜ、
どんな思いで特攻に飛び立ったのか
すべての答えがそこにある。


これ以上は、
ここに書いてはいけないと思う。


戦争を知らない世代が抱きがちな「疑問」についても語られる。

僕が子供のころに比べ、戦争の語り部が少なくなった今
もっともっと多くのかたに読んでほしい作品だと思う。

きのうのはなし。

2012-05-10 | Weblog
きのう、
いつも一緒に馬鹿話をしてる中継車の運転手さんと、
あの日の陸前高田の話になった。

震災直後
僕ら二人は、全く動くものの無い瓦礫の山の谷間で、
思わず車を停め言葉を無くしたのだった。

僕ら二人には過去にも
大震発生時に『死ぬかも』と思いつつ取材した経験があったが
けた違いの状況だった。

僕らは
どちらを向いて
手を合わせればよいかすらわからなかった。

今テレビに映るのは二股男、
ルール無用の党内争い、安全二の次のバス

あの頃僕らが欲しくてたまらなかった『日常』って、
こんなもんだったんかなあ

ぼんやり
そう思いながら
小沢弁護団の会見に向かった。

ドライブ。

2012-05-10 | Weblog
トヨタ自動車の決算発表会見(5月9日)。
2013年3月期の連結業績予想は、
営業利益が前期の2・8倍となる1兆円の見通しとのこと。
依然として不確定要素が多いが
去年の震災やタイの洪水、円高のダメージから立ち上がろうとしている。
その戦略のひとつが、ニューモデルの投入で、
目玉のひとつが、会見場となった本社のロビーで輝く「86」だ。

80年代に人気だったカローラレビン(トレノ)AE86の名を冠したこの車。
自身もモータースポーツに取り組んできた豊田社長は
若者にもう一度、走る楽しみを知ってほしいと述べている。

・・・しかし。
会見場で聞いた、「車事情」に詳しい記者の話によると
トヨタの狙いに反して、
購入者の大半は50~60代の世代なのだという。

子供も手を離れて、
家族みんなを乗せることも少なくなり、
若い頃欲しかったスポーツカーを買うんだそうだ。
うーん、それはそれでいいんだけどさ。

そんなに車が好きなら、
若者にも
車の楽しさを伝えていこうよぉー。
~~~
若い世代の人にもスポーツカーの良さに気づいて欲しいと思う。
便利、エコ、という基準で選ぶのもいいんだけど
停まっているときでも走り出しそうな獰猛なスタイルにワクワクし、
ステアリングを握ったときには路面の感覚を楽しむ感じを知ってほしい。
運転は車と「対話」することなのだあ!

・・・って熱く(暑く?)語っても
きっと、わかってもらえないんだろうなあ。

乗ればわかるさ。
ドライブいこうぜ。