外科医 アンチエイジングに目覚める!?

目指そう サクセスフル・エイジング !

抗糖化 で 減らせAGEs 

炭水化物も要注意    

覚書へのリアクション その3

2016-02-01 16:06:38 | ひとりごと
わたくしごと、再び。

今朝も痛み耐えがたく、朝っぱらから豆乳を飲んだうえで

ロキソニン3錠、ミオナール2錠、リリカ2錠

葛根湯・芍薬甘草湯 各1包 を服用したのだけれど

日頃の心掛けの悪さが完璧に露呈したようです。


幸いなことに今朝は新皮質の抑制もなく、清澄な意識のままなので

病院で死ぬということ」もきちんと最初からページをめくり

はじめに”に書かれていた文言を引用したくなってしまいました。



・・・・・以下「病院で死ぬということ」 “はじめに”から引用・・・・・

 1頁 15行目~2頁

 “そして、これら末期ガン患者のほとんどが、

  一般病院の中で死亡しているのである。

  しかし、一般病院の医療システムは、

  これら多くの死にゆく患者のためではなく、

  治癒改善して社会復帰できる患者のために

  ととのえられている。

  そのために多くの末期ガン患者たちは、

  多忙な一般病院の医療システムの中で、

  しばしばとり残されることになる。

   どれだけ多くの患者たちがみじめな思いの中で

  死んでいったのだろうか。

   どれだけ多くの家族が傷ついてきたのだろうか。

  僕が、これから書いていく物語の前半は、

  これら多忙な医療システムの中で起きた

  悲惨な出来事が中心となる。

  そして後半は、そのようなシステムの中でも、

  少しでも患者の立場に立つことで、

  前半のような悲惨な出来事は避けられるのだと

  いうことを書いていきたい。

  なお、僕がこれから書いていく物語は、

  すべて事実をもとにした物語である。”
 


・・・・・ 引用 ここまで ・・・・・


そうですよ、わたしもたくさんの“物語”を背負ってきました。

自分自身が主治医ではないときでも、

さまざまな“物語”を垣間見つづけてきました。



そう、医者になりたての頃、あらまぁ・・・、もう丁度30年だねぇ(汗)

詰め所で担当患者のカルテを書いていた時だった。

突然、壁のナースコールが鳴り出した。

南側の並びで詰め所に一番近い個室からのものだった。

すぐさま数名のナースが飛び出して行った。


わたしといえば、自分の患者ではないものだから

(大学病院では“自分の受け持ち”が最優先という意識があったな)

なんとなく他人事のような気持ちで成り行きを眺めていたのでした。


すると、

さきほど個室に駆け込んで行ったナースの1人が飛び出してきて

 「板 持って来て!!」 と大声で叫んだのでした。


“板”というのは、心臓マッサージをする時

その対象者がベッドなど、下が柔らかいところに寝ている場合

その背中の下に敷きこんで、胸骨圧迫のロスを少なくするための

それこそ“板”なのであって、“背板”と言ったりもするらしい。


緊迫感を漂わせたそのナースの叫びから、事態は直ぐに理解された。

その個室に入院中の、確かガン末期の男性患者、70歳前半だったか。

心臓マッサージが必要な状態になったのだ。


付き添っていた奥さんと娘さんは

「今から処置をしますから、ちょっとロビーで待ってて下さい!」

というナースに促されて、

ベッドの上でグッタリとした体の下に

“板”を滑り込まされている夫・父親のほうを

何度も振り返りながらも、個室から追い出されたのだった。


当然のことながら、ナースからは「ほかのご家族にも連絡して下さいね」と

言われてたに違いない奥さんは、公衆電話のあるロビーへ足早に去って行った。

(なにせその頃はまだ携帯電話などのない時代の話、1986年でした。)

ちょうど入れ違うように、人手が要るからと呼ばれた

わたしの目に飛び込んできた光景は

「洗練さ」などという言葉からは程遠いものだった。


患者の上に馬乗りになって心臓マッサージをしている白衣の人物。


頬に伝う汗が、その行為をかなりの時間続けていたことを告げていた。

「代わります!」 と、控えていた研修医がその行為を引き継いだ。

何度目かの圧迫の時に 「ポキッ!」 と微妙な音が聞こえた。

次はわたしの番だと少し緊張して待っていたところに声が聞こえた。


 「もうそろそろ ええんと 違うかぁ」


緊張感のないトーンの声の主は、病棟医だった。

その理由は、蘇生行為を始めてからすでに45分近くとなっていたから。


主治医が言った。 「おうちの人、入れて。」


まだ医者になって日にちの浅いわたしは一連の行為を目撃して、

言いようのない虚しさに襲われたのだった。


あれはいったいなんなのか? 医療行為なのか?

その時を迎えるために付き添っていたであろう家族を

病室から追い出して、死に目にも合わせずに

行ったあの行為は いったいなに?

あの「野蛮な」行為は いったいなんのため?


なりたての医者には解らない、崇高な目的が隠されているのだろうか!?


研修医であるわたしは、直接指導してくれる修練医の先生に訊いてみた。

「先生、あんなことせんとアカンのですか?」


先輩である修練医の先生は、少しバツの悪そうにこう教えてくれた。


セレモニーやセレモニー、あれはセレモニー。」  


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