jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

PURE ? ・・・・・ NEXUS / JOHN KLEMMER

2016-07-25 | ジャズ・ts

 

 

1979年、突如、フュージョン界で活躍していたクレマーからデュオ、トリオというフォーマットでシビアなアルバムが発表され驚きをもって迎えられた。

曲目からしてロリンズ、特にコルトレーンに挑戦したかのような2枚組。弥が上にも力量が問われる。

まぁ、崖からパラシュート無しで飛び降りる心境だったのかもしれない。

J・クレマーはそれほどメジャーなts奏者ではないけれど、70年代に入りインパルスから「ソフト&メロー」なアルバムを出すにつれ名も知れ渡り、そのギャップの大きさから、当時かなり反響を呼んだ。

ただ、フュージョン作品との対比という物差しだけで、本作を語るのはどうでしょうか?

もう少しクレマーのキャリアを遡ってみよう。

彼の初リーダー作は、1967年5月にCADETに録音された‘INVOLVEMENT’で、その頃のジャズ・シーンの空気をうまく吸収、反映しながらスタンダード曲ではまだ20歳とは思えぬ確りしたtsを聴かせている。

NHKの「ジャズ・フラッシュ」で司会の児山紀芳氏は「有望な新人sax奏者の登場」とこのアルバムをリアルタイムで紹介し、同時に取り上げられたのがG・バーツの「リブラ」だった。

その後、カデットから数作、リリースしているが、今ひとつ、クレマーの実像が絞り切れないまま甘目のフュージョンに突入し、「もう、アカン」と思った矢先に本作が・・・・・・・

 

休火山の突然の噴火は一部から「硬派の名盤」と高評価を得ているようだが、何度聴き直しても、自分はそれほどポジティブになれない。クレマーがハードに吹けば吹くほどbとds、或いはds、二人の存在が希薄になり、そもそもそれほどアドリブ自体に味があるわけでもないクレマーの独演会に終始している。コルトレーン・ライクに、幾らシリアスに吹いてもクレマーの本心が見えてこない。

自ら、本作を‘Pure Jazz’と自画自賛した時点で、噴煙の高さは限界を・・・・・・・・

その後、クレマーが大噴火したとの記憶もない。

 



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2 コメント

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意外と・・・ (ルネ)
2016-07-27 21:15:54
私、意外とこの人が好きです。  アメリカ音楽の良さ、を感じるんです。
Touch が実は愛聴盤です。
軟弱ですかね・・・
Unknown (dodge(bs))
2016-07-28 12:46:15
こんにちは

>意外とこの人が好きです・・・・・
実は私もそうなんです。流れるような浮遊感とちょっと「こぶし」を利かせた独特な吹き方が。
インパルス以降のフュージョン作を何枚かBGM的に良く聴いていました。
ただ、カデット時代の特に三作目あたりまでの定着しない作風からの流れの続きで「本当を顔」が読めませんでした。

偉そうなことを言いますが「好き・好きでない」と「認める・認めない」とは別と思います。
あまり好きじゃないけど、大したミュージシャン、と思えば、その逆もありますね。
クレマーの場合、突然変異せずにそれまでの路線を昇華させたほうが、「軟弱か、そうでないか?」とは別の視点で「クレマーの世界」を創出できたのではないでしょうか。
ちょっと理屈ぽくなっちゃいました(笑)。

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