選抜体重別に欠場を決めた谷。ロンドン五輪への道はあまりに険しい
柔道女子48キロ級で五輪連覇の実績を誇る谷亮子(33)=トヨタ自動車=が4月の全日本選抜体重別選手権を欠場することが25日、分かった。同選手権は8月の世界選手権(オランダ・ロッテルダム)の最終選考会を兼ねており、谷の代表選出は事実上なくなり、世界連覇の可能性は消滅した。
国民的ヒロインの世界女王が、現役最大のピンチに追い込まれた。北京五輪で銅メダルにとどまった谷は、2012年ロンドン五輪を目指して現役続行を決意。だが、選抜体重別を欠場することにより、世界連覇の可能性は消え、五輪への道はさらに険しいものとなる。
谷は今月のフランス国際(パリ)で北京五輪以来となる大会復帰を目指し調整していたが、1月19日に乱取りをしていた際、相手選手に乗られ、右ひざを負傷。「右ひざ内側の側副靱帯(じんたい)損傷、内側半月板損傷」と診断され、欧州遠征を回避した。
痛みが激しく、練習再開もままならない状態で、今回、選抜体重別も欠場を決めた。関係者によると、精神的なリフレッシュも含めて長期休養に入る。来年に東京で開催される世界選手権を視野に入れて、復帰時期を探るという。
国際柔道連盟はことしから五輪出場権を懸けたランキング制度を導入。各大会に応じて得点が与えられており、試合に出られない谷は大きく出遅れることになる。ことしの得点は3年後には25%に換算されるため、来年以降の大会に出場して巻き返すことはできるが、ロンドンに向け、厳しい連戦を強いられる。
すでに33歳。今後は引退が取りざたされるのは必至で、自分の限界との戦いが容赦なく続く。(サンスポ)