あすかパパの色んな話

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【体操】内村航平が求める「美しさ」の先にあるものとは?

2012年07月12日 17時48分55秒 | その他スポーツ情報

個人総合でも団体でも金メダルを狙う内村航平。視線の先に見えているものとは?

「個人総合の金メダルは絶対!」と早くから大きな期待を寄せられている日本体操のエース、内村航平。だが、ロンドンでの本番が近づき、周囲の期待がさらに膨らんでも、彼はそれを歓迎している。5月のNHK杯で、残りの代表4名が決定した時も、会場を埋めた観客に向かって「どんどん期待してください。倍にして返します」と、平然とした表情でアピールしていた。

 そんな発言ができるのは、内村の類(たぐい)まれな強心臓にある。試合で一度も緊張したことがなく、「プレッシャーというのはわからない」と語るほど。初の国際舞台だった2007年のユニバーシアードも、「他の選手はすごくピリピリしていて、『僕もそうならなくてはいけないのか』というのを、試合が終わってから気づいた」と苦笑いしながら振り返る。

 金メダルという重圧を前に、平然とした気持ちでいられるのは、「やるべきことをきちんとやってきた」という思いがあるからだろう。肩痛に苦しんだ2010年も、大会2ヵ月前に足首を捻挫した2011年も、世界選手権の個人総合では2位に大差をつけて圧勝した。内村は「北京からいろいろ経験した。ものすごく濃い内容の4年間を過ごしたのが、今の自信になっている」と胸を張る。よってロンドンでの個人総合は、昨年の世界選手権の演技構成のままで、「後は技に磨きをかけるだけ」と語る。

 しかし、そんな彼が最も意識しているのは、個人総合ではなく、団体での金メダルだ。代表メンバーは、2004年アテネ五輪の団体優勝に感動した世代。それ以降は中国に敗れ続けているだけに、『体操王国ニッポン』を復活させるべく、是が非でも必要なタイトルと考えている。

 そのために内村は、団体のゆかと鉄棒では、個人総合より難度の高い演技構成を用意した。技の難しさを表す演技価値点(Dスコア)を、ゆかは6.5から6.7に、鉄棒は6.9から7.2に上げた。その構成内容も「練習で6種目通してもミスがでない。Dスコアをあげても安定感は下がっていない」と、すでに完璧な状態だという。

さらに内村は、種目別でも表彰台が可能な跳馬で、メダルを狙わないことに決めた。団体の予選は、個人総合や種目別の予選も兼ねており、跳馬は2回の演技をこなさなければならない。しかし、レベルを上げた跳馬を2本跳ぶには体力がいる。「そこで体力を使ってしまうと、団体の決勝でミスをするかもしれないから」と語り、安定した跳馬で団体予選を1位通過することを望んだ。

「今は団体のことしか考えていない。種目別と団体、どちらかを選べと言われたら、迷わず団体を選びます」

 内村は、キッパリと断言している。

 だが、すべての種目別を狙わないわけではない。昨年の世界選手権で金メダルを獲ったゆかだけでなく、ロンドンでは鉄棒でも種目別の金を狙っている。そのため、D難度の『アドラーひねり(前方浮腰回転ひねり倒立)』から、F難度の離れ技『リューキン(伸身トカチェフ1回半ひねり)』の連続技を取り入れたDスコア7.7の構成も用意しており、それを試した5月のNHK杯では16.750点の高得点を叩き出している。

 その組み合わせを取り入れた理由を、内村はこう語る。

「誰もやっていない構成だし、それを誰よりも美しくやれる自信があったから。それを成功させたら、審判の心も動かせるかなと思ったんです。美しい体操が一番だというのを認めて欲しいし、『体操が演技価値点だけではない』というのを、審判にもわかってほしいから」

団体予選を2位以内で通過したならば、最終種目は鉄棒となる。ライバルとなる中国の点数次第では、内村は団体用ではなく、種目別用の演技構成で勝負をかけることもできる。個人総合用、団体用、種目別用、3種類の異なる演技構成を簡単にこなす、内村にしかできない芸当だ。

 五輪制覇の次には、オールラウンダーでありながら各種目のスペシャリストが競う種目別でも優勝し、「真の王者になりたい」という思いもある。美しさの先にある『真の王者』という夢。内村航平はロンドンで、次の夢への可能性を見せてくれるに違いない。(スポルディーバ Web)



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