またたびダイアリ

結局、食べることが好きなんだ

四谷見附「わかば」のたいやき

2005-03-07 | 市販のお菓子
リーズナブルな寿司屋でビールを頼み、いい気分で外に出ると
まだ明るい。ちょうど帰宅ラッシュが始まるくらいの時間なのだ。

仕事があるので飲まずにいたソラさんがひょいと角を曲がる。
細い路地を入ったところに古びた小さな店が現れた。
「ここはすごーく有名なたいやき屋さんなのです」とソラさんが言う。

ガラス貼りの店内をのぞきこむと、白衣に身を固めた働き盛りの
男性たちが、一心に各々の作業に励んでいる。

よくあるタイヤキ屋のように大きな鉄板に抜き型がずらりと並んでおり、
頃合いを見てバタンと二つ折りにして大量生産するのではなく、
ここのたいやきは全て、長い取っ手のついたホットサンドメーカー
のような鋳型で1つずつ焼き上げられている。

おそらくガス火なのだろうと思うが(未確認)、型を1つずつ火に
かけることによって焼きムラをなくし、きめこまかな配慮の元に
1匹ずつ完璧に仕上げてくるということなのであろう。

既に6人ほど並んでいたのだが、酔いの勢いもあって自分も列に
加わる。前述のような焼き方をしているので列は遅々として進まない。

店内では相変わらず白衣の男性たちが、きびきびと働いている。
そのうちの1人だけ、こちらに背を向けて椅子にかけている。

休憩しているのかと思いきや、彼は焼きあがってベルトコンベア
に乗って流れてきた「たいやき」を受け取る重要な係であった。
誤解してすまんかった。

ようやくレジまでたどりつく。1つ126円。
焼きたてを味わいたいので、歩きながら食べる。うまーーーい!!

皮がカリッとして香ばしい。甘すぎない熱々の餡とのマッチング
が素晴らしい。皮はけっこう塩が効いてるね。

今まで食べてきたタイヤキはなんだったのか。
生焼けの粉モノにベタベタの餡を食わされていた気分。

またたく間に食べ終わり、残った1つはバッグに入れて帰路につく。
南北線は空いていたので座ったが、たいやきのよい香りが鼻腔
をダイレクトに刺激する。満腹中枢はとうに悲鳴をあげているのに
食欲をそそられることといったらない。

やるせなさと幸福感に見舞われながら、いつしかうとうとしていた。

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