一般的に言って、その人の才能のピークと人気のピークはずれることが良くあります。
しばしば名前を挙げているアニメ作家の宮崎駿さんも個人的にはその1人です。
今でこそ「カリオストロの城」「ナウシカ」「ラピュタ」「トトロ」まで続く怒涛の傑作群はまさに奇跡と思えますが、
意外なことにいずれも配給収入はそれほど振るわず、スタジオ・ジブリとして商業的に本格的な成功を収めたのはその次の魔女の宅急便からだそうです。
国民的ゲームソフトといって過言ではないドラゴンクエスト・シリーズも似たようなことが言えそうです。
シリーズ序盤から話題を呼んだ作品ではありますが、続編も着々と期待に答え、一旦の売上のピークは「Ⅶエデンの戦士たち」でした。
しかし、バグの多さやゲーム性にやや難がありシリーズの中での評価はその売上に比してあまり高くありません。
僕の好きなサッカーの世界ではより当てはまるかもしれません。
フランスの英雄ジダンが伝説的な選手としての評価が固まったのは晩年に差し掛かろうかという時期でのレアル・マドリー移籍後でした。
ロナウジーニョやカンナバーロ、カカといった選手は世界最優秀選手に贈られるバロンドールの獲得後に急に活躍に陰りが出始めました。
英国のロックバンド、クイーンも鳴かず飛ばずだった「クイーンⅡ」が最高傑作の呼び声高いですし、同じくオアシスも2枚目までのアルバムが素晴らしい出来ですが、当時一番売れたアルバムはちょっとがっかりな3枚目のようです。
北野武監督の作品も金獅子賞を取った「HANABI」よりその前の「キッズ・リターン」や「ソナチネ」の方が個人的には良く思えました。
ノーベル賞は長生きしないと取れないのでちょっと違いますが、受賞後の川端康成さんは作品を生むことはできずに自ら命を絶ってしまいました。
まず最初にその人を最初に評価するのはコアなファン層です。
そして着実に実績を積んでいくことで徐々にコア層から周囲の一般層に広がり浸透し始め、ある一定のしきい値を超えた瞬間、人気が一気に爆発します。
ですから、世間一般の評価はどうしてもワンテンポ遅れてしまうのです。
そうして高まりすぎた期待に押しつぶされ、時に慢心して才能を潰してしまう人のいることを考えれば、アーティストやアスリートにとって一般的な認知が上がりすぎるのも逆に考えものといえるかもしれません。
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水の中の夏-A summer in the water-
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