歌わない時間

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パーセル・カルテット『パーセルがいっぱい』

2008年04月25日 | CD パーセル
Purcell Miscellany
Catherine Bott
Mark Benett
The Purcell Quartet
CHAN 0571

1994年録音。71分22秒。CHANDOS。その名もパーセル・カルテットによる、パーセルの名曲集。'Miscellany'を、egbridgeについてきたウィズダム英和辞典でひくと「(いろいろな物の)寄せ集め」とありました。ほんとにそのとおりで、劇音楽『アブデラザール』の組曲のような、室内オケで聞きなれた曲から、「トランペットと弦楽のためのソナタ」、チェンバロ独奏のための組曲、キャサリン・ボットの歌うエア、など、パーセルの書いたさまざまな種類の音楽をごくごくうちわな編成で聴かせてくれます。たまにビオラが2本入りますけど、基本は弦3人+チェンバロで、それにトランペットが入ったりソプラノが入ったりする。こういう企画が通るところからも、イギリス人てほんとにパーセルが好きなんだなあと思いますね。

小編成で聴いてもおかしく聴こえない曲を集めてあるんでしょうが、パーセルの音楽って、いい意味で華奢でみずみずしい風情のものが多いので、4人の最少編成で聴いてもこれがまた乙なんですな。例の『アブデラザール』の「ロンド」も4人で、なかなかいいんですわ。違和感そんなにありません。CDの最後に入っている「トランペットと弦楽のためのソナタ」も、協奏曲ではなくてまさにソナタとしての演奏で、親密な雰囲気が醸し出されています。

パーセル・カルテットはマッキントッシュ、ワイス(以上vn)、ブースビー(vc)、ウーリー(cem)からなるカルテット。ウーリーのソロでパーセルのチェンバロ曲を初めて聴きました。おフランスな香りがほのかにただよう洒落た音楽ですよ。ほかのチェンバロ曲も聴いてみたくなりました。キャサリン・ボットはよく聴いたらあのジェニファー・スミスにちょっと似たハスキーな声質なんですが、ここではつつましく、いろどりの歌曲で花を添えてます。

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