探して来てくれたのですか!
いったいそれ
どんな情熱で
◇
と思ったら
◇
だって
朝、出掛けようと思ったら
庭の自分の車の前に
あのSさんの
車が
停まっているんだ
◇
停まった瞬間
だったんだ!
◇
私
あまりの
嬉しさ
て言うか
クルクルクル
と0・1秒で
考えめぐって
『甘酸っぱい!思いに捉われて
私、この時点で
人生1回崩御』
◇
その場に
立ち尽くしました
◇
そしたら
クルマから
下りて来られたのは
私の
和尚さんで!
◇
それ
マイ和尚さん
◇
黒々とした僧衣で
車内より
おでましになって
『お彼岸のお参りで』
という意味の事を
仰った
◇
絶句したまま
立ち尽くす
ワタクシ
◇
そしたら
全てを悟ったと言うか
私の毎年のこのうっかり加減を
先刻ご承知のおしょさん
◇
『ああ、また明日朝
参りますよ』
とプーイ
と
あの色の軽を
運転して
去って
行かれました
◇
S先生の色の
軽をねえ
◇
私
『さらにもう1回崩御』
◇
今日2回目
◇
それで
和尚さんが去ってからも
さらに
一分間
立ち尽くす
ワタクシに
◇
もし
隣りのおばさん
見てたら
『まあトンちゃん
おしょさん帰して
どうして立ったまんま
いったいどんな話を
聞かされたかねえ』
と不思議に
思った事でしょう
◇
あ~あ
春のお彼岸て
いつも日にち
よく分からなくて
油断してると
突然和尚さん来るんだ
踏み込まれる
◇
それで
おととし?
覚悟決めて
徹夜で
寝ないで
掃除も完璧にして
暗い夜じゅう
起きて
待ってたんだ
もう
あんまり何度も
書いたので
やめますが
寝ちゃって
さみしそうな
和尚さんの
意向が
伝わったんだワ
◇
そういう
思い出がある
◇
去年は
ちゃんとお迎えして
うまく
やったでしたけどねえ
◇
いや?
そうか
たまたま
兄が早くに来ていて
またまた
徹夜で寝ちゃっていた
私を
起こしてくれたんだっけか
そうか
そうだった
◇
う~む
きょうも
徹夜するつもりです
◇
心配だじ
◇
また
兄貴
来てくんないかな
◇
人だのみは
だめよ
◇
こころ
清く
自分で
起きなさい
◇
はい
◇
う~
泣きそう
◇
あ~あ
S先生のはず
ないよなあ
そんな事
あるはずもなくって
◇
私の人生で
そんな事
1回もなかったもんなあ
◇
はい
◇