あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

まどみちおさんの詩集から

2015-05-01 22:47:18 | 日記
5月になると浮かんでくるのが,まどみちおさんの詩:『空気』です。
まどさんを偲びながら、全文を書きだしてみます。

     『空気』
            まど みちお

ぼくの 胸の中に
いま 入ってきたのは
いままで ママの胸の中にいた空気
そしてぼくが いま吐いた空気は
もう パパの胸の中に 入っていく

同じ家に 住んでおれば
いや 同じ国に住んでおれば 
いやいや 同じ地球に住んでおれば
いつかは
同じ空気が 入れかわるのだ
ありとあらゆる 生き物の胸の中を

きのう 庭のアリの胸の中にいた空気が
いま 妹の胸の中に 入っていく
空気はびっくりぎょうてんしているか?
なんの 同じ空気が ついこの間は
南氷洋の
クジラの胸の中に いたのだ

5月
ぼくの心が いま
すきとおりそうに 清々しいのは
見わたす青葉たちの 吐く空気が
ぼくらに入り
ぼくらを内側から
緑にそめあげてくれているのだ

一つの体を めぐる
血の せせらぎのように
胸から 胸へ
一つの地球をめぐる 空気のせせらぎ!
それは うたっているのか
忘れないで 忘れないで…と
すべての生き物が兄弟であることを!  


  さんさんと降り注ぐ5月の陽光を浴びて、さまざまな緑が生き生きと輝いています。
  ながめているだけで、私自身も緑に染め上げられ、心がすきとおりそうに清々しく感じます。
  目に見えない空気が、あらゆる命あるものとのつながりを語りかけてくれているんですね。
  すべての生き物が兄弟である と。
  自由にそれぞれの生き物の胸を通り抜け、それぞれの命を支え、地球をめぐる空気のせせらぎ。
  この空気のような存在に人間が近づくことができたら、どうでしょう。
  戦争のない平和な地球が実現できるかもしれません。
  地球環境を守っていくことの大切さも気づいていけるのかもしれません。
  核兵器も原発もない 命あるすべてのものが兄弟として安心して生きていける地球を つくっていけるかもしれません。

  庭のサンショウの木を飛び回るアゲハを今日見かけました。
  卵を産みつける場所を探していたのだと思います。
  命あるものの命をつなぐ営みも始まっているのですね。

  ネパール地震の死者は、6千人を超えるとのこと。
  被害がこれ以上拡大しないことを祈ります。
  尊い命が失われることの痛みを改めて感じています。

  
  
         

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