所司一門将棋センター (青砥店)

所司一門将棋センターは津田沼店、青砥店があります。

石田直裕五段VS熊谷俊紀奨励会二段

2018-08-12 12:35:17 | 席上対局

8月11日のイベントの公開席上対局の石田直裕五段対熊谷俊紀奨励会二段戦の模様です。

熊谷俊紀/怒濤の七番勝負第四局の相手は、石田直裕五段。

なよろ観光まちづくり協会の山本さんから石田五段に、「名寄出身の方がこうしてご活躍されていることを、とてもうれしく思います。
そして今後の活躍によって、名寄のPRにもなれば更にうれしいです!
名寄から石田五段の今後のご活躍を祈っております。」
という激励のメッセージをいただきました。
ありがとうございました。

先手、熊谷二段の初手は▲2六歩。

熊谷「先手になったのは大きかった。後手でも先攻するつもりでした」 
 
後手、石田五段の初手は△8四歩。

石田「これは第四局ですか?ということは、勝っても負けてもどっちでもいい勝負ですが(一同笑)、一生懸命指します!」

熊谷俊二段の先手で戦型は角換わり腰掛け銀の▲2九飛・4八金型対△8一飛・6二金型の同型の流行形となりました。

この戦型はマイナビ出版より8月27日発売の現代将棋の革新に迫る!指定局面バトル居飛車編にも収録されている形です。

ぜひ本が発売されましたら読んでいただけますと幸いです。

石田ー近藤戦、石田ー石井戦、石井ー近藤戦が収録され、渡辺明棋王、松尾歩八段はじめ一門の棋士全員の見解が入っています。

熊谷二段は6筋から反発して、銀桂交換ながら第1図のように飛車をさばいて対抗しました。

 

第1図から6二の金をどう受けるか悩ましいところで、石田五段は空間に打つ△6四銀で対抗。▲6四同飛なら△5五角の王手飛車があります。
 
第1図以下△6四銀▲6九飛△8六歩▲同歩△7五歩▲6三歩△7二金▲5六桂△7三銀▲4五桂△9五歩で(第2図)
 
中盤の難所で虚空に目をやる石田五段
 
 
 第2図の△9五歩はやや甘いが代わる手が難しいところ。
熊谷二段はここがチャンスとみて手抜きで▲6四銀と攻め合う。
やや重い感もあるが積極的ではある。
対して△3一玉なども考えられるところだった。
本譜は第2図以下▲6四銀△同銀▲同桂△5五角▲7七角△6四角▲同飛△7六歩▲5五角△4四銀▲7四飛△8三銀▲4四飛△同歩▲同角△8七歩▲7九玉△8八銀▲6八玉(第3図)の展開で熊谷二段が有利に。
石田五段は先手を取って攻め続けるが駒損でやや息切れに。
第3図では単に△6三金が勝った。
本譜は△6四飛▲6六角打△6三金▲5五銀△6六飛▲同 銀△8九銀不成▲6七金△4七歩▲同金△7七歩成▲同金△8八歩成▲6四歩△5四金▲1一角成△7八と▲5九玉△3三桂▲6二飛△5二桂▲4四香△同金▲5三桂成△同玉▲6三歩成まで107手にて熊谷二段の勝ちとなる。
 
熊谷二段優勢。秒読みの中で必死に勝ち筋を探す。
 
終局。石田五段、負けてもさわやか。
熊谷二段は、一瞬声が出なかった。
 

熊谷二段が先攻して駒が前へ前へと出る将棋で石田五段を攻め倒し、見事強敵に勝利しました。

七番勝負の成績は熊谷二段の3勝1敗になりました。

8月25日(土)に青砥店で、第五局~堀彩乃女流2級戦、第六局~石井健太郎五段戦を行います。
 
 
 
終局後は、大盤を使って感想戦をしました。

熊谷俊紀奨励会二段VS加藤幸男アマ六段公開席上対局の解説入り棋譜

2018-08-06 23:01:38 | 席上対局

8月3日金曜日に行われました熊谷俊紀奨励会二段VS加藤幸男アマ六段の公開席上対局の解説入り棋譜です。

感想戦やその後の熊谷二段の研究をもとに解説を入れました。

 

# ---- 柿木将棋形式棋譜ファイル
対局日:2018/08/03 17:00:00
表題:所司一門将棋センター公開対局
手合割:平手  
先手:熊谷俊紀奨励会二段
後手:加藤幸男アマ六段
手数----指手---------消費時間--
1 2六歩(27) ( 0:01/00:00:01)
2 8四歩(83) ( 0:01/00:00:01)
3 2五歩(26) ( 0:01/00:00:02)
4 8五歩(84) ( 0:01/00:00:02)
5 7八金(69) ( 0:01/00:00:03)
6 3二金(41) ( 0:01/00:00:03)
*相掛かりのスタートに。
7 3八銀(39) ( 0:01/00:00:04)
8 7二銀(71) ( 0:01/00:00:04)
9 6八玉(59) ( 0:01/00:00:05)
10 4二玉(51) ( 0:01/00:00:05)
11 9六歩(97) ( 0:01/00:00:06)
12 1四歩(13) ( 0:01/00:00:06)
*飛車先を切る手を保留しているのは最近の流行。
13 2四歩(25) ( 0:01/00:00:07)
14 同 歩(23) ( 0:01/00:00:07)
15 同 飛(28) ( 0:01/00:00:08)
16 2三歩打 ( 0:01/00:00:08)
17 2六飛(24) ( 0:01/00:00:09)
18 7四歩(73) ( 0:01/00:00:09)
19 3六歩(37) ( 0:01/00:00:10)
*お互い銀桂の進路を開ける。
*▲3七銀型は△7三銀型もよくあるが本局ではお互い桂を跳ねるややクラッシックな形に進んだ。
20 8六歩(85) ( 0:01/00:00:10)
21 同 歩(87) ( 0:01/00:00:11)
22 同 飛(82) ( 0:01/00:00:11)
23 8七歩打 ( 0:01/00:00:12)
24 8五飛(86) ( 0:01/00:00:12)
*△8五飛型で先手からの仕掛けをけん制したり、積極的に動く手を見せる。
25 3七桂(29) ( 0:01/00:00:13)
26 3四歩(33) ( 0:01/00:00:13)
27 4六歩(47) ( 0:02/00:00:15)
28 7三桂(81) ( 0:01/00:00:14)
29 4七銀(38) ( 0:01/00:00:16)
30 6四歩(63) ( 0:01/00:00:15)
31 4八金(49) ( 0:01/00:00:17)
32 6三銀(72) ( 0:01/00:00:16)
33 2九飛(26) ( 0:01/00:00:18)
*穏やかな展開にする。
*手損となるので作戦は今一つだったか。
34 6二金(61) ( 0:01/00:00:17)
35 7六歩(77) ( 0:01/00:00:19)
36 8一飛(85) ( 0:01/00:00:18)
*後手の引き飛車で追従したので、これで先後同型で、先手のメリットがある。
37 5八玉(68) ( 0:01/00:00:20)
*中住まいに構え、バランス重視で戦う。
38 5二玉(42) ( 0:01/00:00:19)
*後手も同型で戦う。
39 1六歩(17) ( 0:01/00:00:21)
40 9四歩(93) ( 0:01/00:00:20)
41 5六歩(57) ( 0:01/00:00:22)
42 5四歩(53) ( 0:01/00:00:21)
43 2二角成(88) ( 0:01/00:00:23)
*角交換で手損となるが、先手は▲6八銀から▲5七銀型に組めば利点もあるという考え。
44 同 銀(31) ( 0:01/00:00:22)
45 6八銀(79) ( 0:01/00:00:24)
46 3三銀(22) ( 0:01/00:00:23)
47 4五歩(46) ( 0:01/00:00:25)
*位を取って、基本は▲5七銀から▲4六銀型を目指すように見えたが。
48 6五歩(64) ( 0:01/00:00:24)
49 5七角打 ( 0:01/00:00:26)
*工夫の自陣角。
*ただし良いかどうか微妙なところ。
50 6四角打 ( 0:01/00:00:25)
*「角には角で」後手も自陣角で対抗する。
51 7七銀(68) ( 0:01/00:00:27)
52 4二玉(52) ( 0:02/00:00:27)
53 4六銀(47) ( 0:02/00:00:29)
54 5三角(64) ( 0:01/00:00:28)
55 8六銀(77) ( 0:03/00:00:32)
56 2四銀(33) ( 0:01/00:00:29)
*お互いに端攻めをカバーしたり、狙ったりと7筋、3筋から動いていく含みを持つ。
57 6八玉(58) ( 0:01/00:00:33)
*お互い似た形が続く。同型から先手が▲4六銀と上がった局面ともいえる。
58 5二金(62) ( 0:01/00:00:30)
59 7七銀(86) ( 0:01/00:00:34)
60 3一玉(42) ( 0:01/00:00:31)
*難しいやり取りが続く。
61 4四歩(45) ( 0:01/00:00:35)
*ここで動いていく。
*やや動き過ぎの可能性もあるが代わる手が難しい。
62 同 歩(43) ( 0:01/00:00:32)
63 4五歩打 ( 0:01/00:00:36)
*合わせ歩で手を作っていく。
64 7五歩(74) ( 0:01/00:00:33)
*△4三金右も考えられるが、守勢になる。
65 4四歩(45) ( 0:01/00:00:37)
*取り込んで攻め合う。
66 7六歩(75) ( 0:01/00:00:34)
67 同 銀(77) ( 0:01/00:00:38)
68 4四角(53) ( 0:01/00:00:35)
69 7七桂(89) ( 0:01/00:00:39)
*桂頭が弱点だが、▲7七歩では積極性がない。
70 5三角(44) ( 0:01/00:00:36)
71 4五銀(46) ( 0:01/00:00:40)
72 7五歩打 ( 0:03/00:00:39)
73 6五銀(76) ( 0:01/00:00:41)
74 4七歩打 ( 0:01/00:00:40)
*手筋のたたき。
75 3八金(48) ( 0:01/00:00:42)
*かわしてがんばる。
76 8六歩打 ( 0:02/00:00:42)
77 同 歩(87) ( 0:01/00:00:43)
78 6五桂(73) ( 0:01/00:00:43)
79 同 桂(77) ( 0:01/00:00:44)
80 6四角(53) ( 0:01/00:00:44)
81 4四桂打 ( 0:01/00:00:45)
*激しい攻め合いに。
82 7六歩(75) ( 0:01/00:00:45)
83 3四銀(45) ( 0:01/00:00:46)
84 3三銀打 ( 0:01/00:00:46)
*粘っこい手で、後手わずかに指せる可能性あり。
85 3二桂成(44) ( 0:01/00:00:47)
86 同 玉(31) ( 0:01/00:00:47)
87 3三銀成(34) ( 0:01/00:00:48)
88 同 桂(21) ( 0:01/00:00:48)
89 3四銀打 ( 0:01/00:00:49)
90 7七銀打 ( 0:02/00:00:50)
*ここはほぼ互角の形勢。局後の検討では痛恨の一手。
*ここは△4六桂がピッタリの手で後手わずかに指せそうが感想戦だった。
*お互い秒読みでは後手が勝ちそうだが、その後の研究では▲7七歩が最善の応手で後手も△4八銀が有力で優劣不明。
*いずれにしても角筋を止める△4六桂なら後手ペースの難解な将棋が続いていた。
91 5八玉(68) ( 0:01/00:00:50)
92 7八銀(77) ( 0:01/00:00:51)
93 2三銀成(34) ( 0:01/00:00:51)
94 同 玉(32) ( 0:01/00:00:52)
95 2四角(57) ( 0:01/00:00:52)
*危険な手で、負ければ敗着という手だった。▲2四角では▲2四飛△3二玉▲2三金△4一玉▲3三金なら先手優勢。
96 4八金打 ( 0:03/00:00:55)
*△2五歩と受けたら、後手が勝てそうだった。
97 同 金(38) ( 0:01/00:00:53)
98 同 歩成(47) ( 0:01/00:00:56)
99 同 玉(58) ( 0:01/00:00:54)
100 3七角成(64) ( 0:01/00:00:57)
101 同 玉(48) ( 0:04/00:00:58)
102 2五桂打 ( 0:01/00:00:58)
103 4七玉(37) ( 0:01/00:00:59)
104 3七金打 ( 0:03/00:01:01)
105 5八玉(47) ( 0:01/00:01:00)
106 3六金(37) ( 0:01/00:01:02)
107 2五飛(29) ( 0:01/00:01:01)
*かっこいい決め手。
108 同 桂(33) ( 0:01/00:01:03)
109 3三金打 ( 0:01/00:01:02)
*以下は簡単な即詰み。
110 投了 ( 0:00/00:01:03)
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熊谷俊紀奨励会二段VS加藤幸男アマ六段

2018-08-03 17:22:38 | 席上対局

19時から奨励会の熊谷俊紀二段VSアマ強豪の加藤幸男アマ六段の公開席上対局です。

先日臨時に教室を行っていただいたアマ強豪の加藤幸男アマ六段と所司門下の奨励会熊谷俊紀二段の真剣勝負の対局を行いました。

加藤アマの対局前の挨拶ではわかりやすい将棋をお見せしたいとのことでしたが、さてどうなるか。

熊谷俊紀二段は以前奨励会入会前に加藤アマと対局があったがそのときはぼろ負けだったとのこと。

19時に対局が始まり、戦型は相掛かりの難しい将棋となりました。

難解な中盤戦で形勢は微妙なところが続く展開。

終盤わずかに加藤アマが有利になったが、▲7七銀の王手が余計で、単に▲4六桂ならペースでした。

棋譜は後ほどアップする予定です。

 終局後熊谷二段は安堵した表情でした。

熊谷二段は8月11日石田直裕五段と14時から、8月25日14時から石井健太郎五段と席上公開対局を行います。

観戦は席料にみですので、ぜひご参加ください。