優しい人。だからこそ、私の胸は複雑に絡み合うのです…。
「ああ、そういえば俺からもあるんだ。クリスマスプレゼント。」
その言葉に、思わず千秋を凝視してしまった。
プレゼントを望むだなんて、厚かましすぎる気がしてできなかったから。
千秋が気恥ずかしそうな顔をして視線をそらした。
プレゼントを受け取ろうとして、自分の手がギプスで固定されていたことを思い出した。
「…開けてもらっても良いデスか?見たいデス。」
申し訳なく思いながらも、頼んでみた。
千秋は了承したようで、箱の中がのだめから見える位置で箱を開けてくれた。
入っていたのは細いゴールドのチェーンに小さな赤いハートの石がついたネックレスだった。
「ふおぉ…。着けてみても良いデスか?」
「ああ…。」
ネックレスを箱から外しながら、千秋が近づいてきた。
ベッドの傍に立った千秋が、少しかがんでのだめの首にネックレスを掛ける。
チェーンが留めやすいように少し向こう側に首をかしげて、待った。
「…できたぞ。」
「似合いマスか?」
「俺様が選んだんだから、似合うに決まってんだろ。」
相変わらずな俺様発言に思わず笑いが漏れた。
「そデスね…。ありがとございマス。大事にしマス。」
「当たり前だ。失くしたら、殺すぞ。」
(こんな会話、いつ振りデスかね…。)
本当に久しぶりな気がした。
少なくとも入籍してからは初めてだ。
胸の奥を切なさがよぎる。
「あら、楽しそうね。何かあったの?」
大量の花を活けた花瓶を抱えて、ターニャが戻ってきた。
「真一くんから、クリスマスプレゼントを貰ったんデスよ!」
「へぇ、どれ?見せて見せて!」
「これデス!」
「あら、かわいいじゃない。さすがチアキね!」
「でショ!」
「なんであんたが偉そうなのよ!」
「ギャボッ!」
女の子同士の会話を、千秋は居心地悪そうに聞いていた。
「俺、そろそろ帰るよ。」
「ハギャ、もう帰っちゃうデスか?」
「…また来るから。」
「うきゅー、待ってマスw」
身支度を整えた千秋が病室のドアに向かう。
「あ、真一くん。」
のだめの呼びかけに、千秋が振り返った。
「実は、のだめからもう一つプレゼントがあるんデス。今日、のだめの部屋に寄ってってくれまセンか?」
「良いけど…。」
「ありがとデス!そのプレゼントは、本棚の横の引き出しに隠してあるのデス。探してみてくだサイ。」
「わかった。」
「ほんとはそっちが本命のプレゼントなんデス。時計はおまけデスよ。」
「ふぅん…。じゃぁ、またな。」
「ハイw」
笑顔で千秋を見送った。
千秋の足音が完全に遠ざかったあと、ターニャが口を開いた。
「なんだか前に戻ったみたいじゃない!やっぱり、ノエル効果かしらね?」
ターニャのホッとしたような顔にすぐには応えられずに居た。
それに気付いた様子もなく、ターニャは言葉を続けた。
「自分でも気付いてなかっただけでチアキもノダメのことが好きだったんじゃない?今回の事故でそれを自覚したとか!」
「それはないデスよ。」
あっさりと答えたのだめにターニャが驚いたような視線を向けた。
「どうして?」
「…真一くんは優しいから。」
ターニャの表情から、納得できていないことが読み取れた。
「今、真一くんがのだめに優しいのは、多分、罪悪感があるからデス。」
「罪悪感…?」
「クリスマスの約束、守れなかったから。その罪悪感があるからデスよ、きっと。」
「…。」
なんでもないことのように、淡々と話すのだめをターニャは泣きそうな顔で見つめていた。
ギブスで固められた手を不器用に動かし、胸の石に触ってみる。
石はのだめの体温に触れているせいか、少し暖かく感じた。
(これだけで十分デス。これ以上なんて罰があたりマス。)
私ができる最高のプレゼント、あなたは喜んでくれるでしょうか。
next♪
―――――――――――――――――――――――――
無理やり挿入したのだめ目線…。
挿入した意味はあるのでしょうか…。
あると信じたいです…(泣)
次回、何かが起こります!!(良くある次回予告)
「ああ、そういえば俺からもあるんだ。クリスマスプレゼント。」
その言葉に、思わず千秋を凝視してしまった。
プレゼントを望むだなんて、厚かましすぎる気がしてできなかったから。
千秋が気恥ずかしそうな顔をして視線をそらした。
プレゼントを受け取ろうとして、自分の手がギプスで固定されていたことを思い出した。
「…開けてもらっても良いデスか?見たいデス。」
申し訳なく思いながらも、頼んでみた。
千秋は了承したようで、箱の中がのだめから見える位置で箱を開けてくれた。
入っていたのは細いゴールドのチェーンに小さな赤いハートの石がついたネックレスだった。
「ふおぉ…。着けてみても良いデスか?」
「ああ…。」
ネックレスを箱から外しながら、千秋が近づいてきた。
ベッドの傍に立った千秋が、少しかがんでのだめの首にネックレスを掛ける。
チェーンが留めやすいように少し向こう側に首をかしげて、待った。
「…できたぞ。」
「似合いマスか?」
「俺様が選んだんだから、似合うに決まってんだろ。」
相変わらずな俺様発言に思わず笑いが漏れた。
「そデスね…。ありがとございマス。大事にしマス。」
「当たり前だ。失くしたら、殺すぞ。」
(こんな会話、いつ振りデスかね…。)
本当に久しぶりな気がした。
少なくとも入籍してからは初めてだ。
胸の奥を切なさがよぎる。
「あら、楽しそうね。何かあったの?」
大量の花を活けた花瓶を抱えて、ターニャが戻ってきた。
「真一くんから、クリスマスプレゼントを貰ったんデスよ!」
「へぇ、どれ?見せて見せて!」
「これデス!」
「あら、かわいいじゃない。さすがチアキね!」
「でショ!」
「なんであんたが偉そうなのよ!」
「ギャボッ!」
女の子同士の会話を、千秋は居心地悪そうに聞いていた。
「俺、そろそろ帰るよ。」
「ハギャ、もう帰っちゃうデスか?」
「…また来るから。」
「うきゅー、待ってマスw」
身支度を整えた千秋が病室のドアに向かう。
「あ、真一くん。」
のだめの呼びかけに、千秋が振り返った。
「実は、のだめからもう一つプレゼントがあるんデス。今日、のだめの部屋に寄ってってくれまセンか?」
「良いけど…。」
「ありがとデス!そのプレゼントは、本棚の横の引き出しに隠してあるのデス。探してみてくだサイ。」
「わかった。」
「ほんとはそっちが本命のプレゼントなんデス。時計はおまけデスよ。」
「ふぅん…。じゃぁ、またな。」
「ハイw」
笑顔で千秋を見送った。
千秋の足音が完全に遠ざかったあと、ターニャが口を開いた。
「なんだか前に戻ったみたいじゃない!やっぱり、ノエル効果かしらね?」
ターニャのホッとしたような顔にすぐには応えられずに居た。
それに気付いた様子もなく、ターニャは言葉を続けた。
「自分でも気付いてなかっただけでチアキもノダメのことが好きだったんじゃない?今回の事故でそれを自覚したとか!」
「それはないデスよ。」
あっさりと答えたのだめにターニャが驚いたような視線を向けた。
「どうして?」
「…真一くんは優しいから。」
ターニャの表情から、納得できていないことが読み取れた。
「今、真一くんがのだめに優しいのは、多分、罪悪感があるからデス。」
「罪悪感…?」
「クリスマスの約束、守れなかったから。その罪悪感があるからデスよ、きっと。」
「…。」
なんでもないことのように、淡々と話すのだめをターニャは泣きそうな顔で見つめていた。
ギブスで固められた手を不器用に動かし、胸の石に触ってみる。
石はのだめの体温に触れているせいか、少し暖かく感じた。
(これだけで十分デス。これ以上なんて罰があたりマス。)
私ができる最高のプレゼント、あなたは喜んでくれるでしょうか。
next♪
―――――――――――――――――――――――――
無理やり挿入したのだめ目線…。
挿入した意味はあるのでしょうか…。
あると信じたいです…(泣)
次回、何かが起こります!!(良くある次回予告)
続きが気になっていましたので。
のだめちゃん…切ないですね…
千秋の優しさは決して罪悪感からきているものではないと思いますが二人の気持ちがすれ違ってますね…
次回何が起こるのか!?楽しみです★
ありがとうございますっ!!(感涙)
私も、水城様のサイトにストーカーのごとき勢いで、通わせていただいておりますけども…。すいません…。
お互いを思いすぎてすれ違う二人…、なイメージなんです、チアノダって。
私の勝手な思い込みなんですけどね(汗)
私の稚拙な文章で申し訳ないですが、すれ違う二人をご堪能(!?)ください☆