2017.5.21.主イエスの大宣教命令
聖書 マタイ28:16~20、マルコ16:15
題 主イエスの大宣教命令
暗唱聖句 マルコ16:15
「 それから、イエスは彼らにこう言われた。『全世界に出て行き、すべての造られた者に、福音を宣べ伝えなさい。』」
はじめに
イエス様はエルサレムで復活直後、み使いたちを通して、弟子たちにガリラヤに行くように命令されました。ついに、弟子たちはガリラヤに来てイエス様に出会ったのです。ガリラヤ地方は弟子たちの故郷であり、活動の拠点でした。
ヨハネの福音書ではガリラヤ湖の岸辺に主イエスが立ち、漁をする手助けをされました。弟子たちは153匹の魚が取れたことを記録しています。その後、イエス様と和解の食事をしました。イエス様との間にできていた溝も消え、愛のきずなも回復し、前よりいっそう、イエス様との関係が深くなりました。弟子たちは山に登りました。どこの山に登ったのかは書いて有りません。しかし、主イエスに支持された山に登りました。多くの信者たちが集まってきました。ガリラヤ地方は、イエス様の信者たちが一番多い所でした。復活したイエス様がおられる、イエス様に会える事を期待して集まってきました。この時、一度に500人以上集まってきたのです。すごいですね。今日はそこで話されたイエス様の命令についてです。イエス様が出された命令は、大宣教命令です。
1.大宣教命令が語られた時の状況
500人以上の人が集まったというのはどこでわかるでしょうか。
Ⅰコリント15:6に情報があります。
「 その後、キリストは五百人以上の兄弟たちに同時に現れました。その中の大多数の者は今なお生き残っていますが、すでに眠った者もいくらかいます。」
キリストは500人以上の兄弟たちに同時に現われました。これはガリラヤの山の上の事が証として伝えられていました。1か所に大勢がいて、イエス様を見たのです。キリストを見たというのは幻ではありません。本当に、復活の主が現われてくださったので、見たのです。そしてこの手紙が書かれた時には、まだ、見た人たちが生き残っていた時でした。ですから、確かめようと思ったら、確かめられる事ができた時でした。この手紙を書いた人はパウロです。
マタイの福音書はマタイが書きました。この500人の中に11人の弟子たちは含まれています。ここに立っておられるキリストは復活されたキリストです。
弟子たちはイエスにお会いした時、礼拝をしたのです。ひれ伏して礼拝しました。弟子たちが礼拝しているのはここが初めてのことです。11人の弟子たちにとって、復活された主イエスが神であることは、当然のことでした。復活ということ自体、神でなければできないことです。
ここには「しかし、ある者は疑った。」と書いてあります。疑う人が出てもおかしくありません。初めて復活したイエス様を見る人は不思議に思い、疑うでしょう。これは11人の弟子たちのことではありません。11人の弟子たちはガリラヤ湖で一緒に朝食を食べ、信頼関係が回復しているからです。11人の弟子たちも最初は復活を信じることができませんでした。ですから「ある者は疑った。」と本当の事が書いてあるのです。真実な記録です。
2.大宣教命令の内容
(マタイ 28:18 )「イエスは近づいて来て、彼らにこう言われた。『わたしには天においても、地においても、いっさいの権威が与えられています。』」
イエス様は近づいて、驚くべき宣言をされました。イエス様が天地の権威を持っておられるということです。この権威は、正式なルートからもらった権利や力の事です。復活のイエスは、父なる神からその権威を授けてもらいました。サタンにはこの権威はありません。
この権威には新しい意味があります。イエス様は地上で生きておられる時も、多くのしるしと不思議を持って、ご自分の権威を現わしておられました。たとえば、悪霊の追い出し、いやし、奇跡など・・・。その時は父なる神の権威のもとに、多くのしるしを行っておられました。しかし、ここでは、復活のキリストが天に坐しているものとして語っておられます。父から与えられた権威というものは、天と地を支配する権威の事です。天にある資源や力を自由に用いることができます。限界のない権威です。
「お小遣いあげるよ。いくら欲しい?」と聞かれた場合、いくらと答えますか。1万円ぐらい?
ここで言う限界のない資源というのは、1000万円以上の価値のあるものです。わたしたちは神様の資源をあんまり使っていないのです。人間の思惑が働いて、神の偉大さを人間のレベルまで、引き下げて、考えることが多いからです。神は私たちが考えるほど、小さくはありません。偉大な方です。
この権威に基づいて、イエス様は弟子たちに大宣教命令を与えられます。
この宣言によって、疑っていた人たちの心もとけて、イエス様を信じ、その権威を認めました。お金も、軍隊も、何もない500人の集団が、イエス様の命令に従って世界中に福音を届け、世界を神の国にするための働きに取りかかるのです。どのようにして始めるのか、それはペンテコステの聖霊の力によって、なされて行きます。きちんと準備されて、事は着実に進んで行っています。
19~20節
「28:19 それゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。そして、父、子、聖霊の御名によってバプテスマを授け、
28:20 また、わたしがあなたがたに命じておいたすべてのことを守るように、彼らを教えなさい。」
① 大宣教命令のゴール(目標)は弟子づくりです。
「弟子としなさい。」が動詞です。一口で言うと「弟子を作る。」事です。「行く」「バプテスマを授ける。」、「教える。」はすべて分詞形(ing)です。福音の対象となる人たちは「あらゆる国々の人々」です。異邦人も対象になります。これはユダヤ人にするためではありません。異邦人は異邦人の性質のまま、宣教して行きます。これがキリストの世界宣教計画です。弟子たちがこのことを理解するのに、使徒の働きの15章のエルサレム会議が必要だったのです。エルサレム会議は、福音はユダヤ人だけでなく、異邦人にも与えられている祝福の福音であること、そして異邦人は異邦人のままで、神に、受け入れられることを保証しました。
② 「行く」
出ていって、福音を伝えることです。迫害で出ていくようになるという意味も含まれています。中国は迫害がひどかったので、信徒たちは一か所にいることができなく、散らされて行きました。その散らされた人々が散らされた所で福音を延べ伝え、その結果、今日、中国のクリスチャンは共産党員よりも多くなりました。
福音の内容は、パウロがⅠコリント15:3~4で教えているものと同じです。
Ⅰコリント15:3~4
「私があなたがたに最もたいせつなこととして伝えたのは、私も受けたことであって、次のことです。キリストは、聖書の示すとおりに、私たちの罪のために死なれたこと、
15:4 また、葬られたこと、また、聖書の示すとおりに、三日目によみがえられたこと、」
③ 「バプテスマを授ける。」
これは救いの条件ではなく、弟子となるための一過程です。バプテスマを受ける時には、その人は、すでに、イエスを自分の救い主だと信じています。このバブテスマは、弟子のプロセスの始まりです。キリストの命令です。ですから、大きな意味があります。信じていても、洗礼をうけていなければ、弟子になる過程には入っていないのです。何かの事情のある人は別ですが、一般的には洗礼を受けて、弟子としての第一歩を歩み始めます。バプテスマは、「父、子、聖霊の御名によって。」授けます。御名は単数(三位一体の神の為)になっています。これはバプテスマによって、信者は三位一体の神と同一化して行くからです。一つになるからです。
*神は父である。
*イエス・キリストは主であり、救い主である。
*聖霊は内に住み、力を与え、教えてくださる助け主です。
④ 「教える。」神の国の全体を教えなさい。
信者に導くだけでは不十分です。聖書全体、特にキリストの命令に着いて教える。弟子訓練のゴールは、キリストに似た弟子を育てることです。正しく、聖書を理解でき、自分の力で考え、判断する力をつける。そのためには組織的な学びが必要です。クリスチャンになったら、できるだけ、組織的な聖書を学ぶ環境を整えるのが良いと思います。教会として取り組むことです。
20節b
「見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」
大宣教命令に伴う約束がなされています。あなたは孤独な戦いを一人でするのではありません。いつも、復活のキリストが共に戦ってくださるのです。それは世の終わりまで一緒にいてくださるという意味です。世の終わりとは「キリストの再臨」までということです。全世界に福音が伝えられたある時点で、キリストの再臨が起こります。この大宣教命令の約束は、キリストの再臨の約束まで続いています。
結論
イエス様の大宣教命令のゴールは弟子作りです。弟子は世界へ出て行って、父、子、聖霊の御名によってバプテスマを授け、イエスが命じておられたことを守るように教えます。主はいつもともにいて、戦ってくださいます。
イエスは近づいて来て、彼らにこう言われた。「わたしには天においても、地においても、いっさいの権威が与えられています。
それゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。そして、父、子、聖霊の御名によってバプテスマを授け、
28:20 また、わたしがあなたがたに命じておいたすべてのことを守るように、彼らを教えなさい。
見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」
ここには4つのallがあります。
① いっさいの権威(all authority )
② あらゆる国の人々( all nations )
③ すべてのこと(all things )
④ いつも(always )
これは、大宣教命令の規模を表しています。
イエスは主なり、本当の上司はイエス様です。
世の組織の上に神の権威があり、私たちの主、上司はキリストです。ですから、大胆に福音を伝えましょう。