2013.2.24.イサクの花嫁探し(その2)
聖書 創世記24:28~40、67
暗唱聖句
創世記24:60
「彼らはリベカを祝福して言った。『われらの妹よ。あなたは幾千万にもふえるように。そして、あなたの子孫は敵の門を勝ち取るように。』」
はじめに
1.僕(しもべ)はリベカと家族の説得する
2.リベカの決断
3.イサクとリベカの出会い
はじめに
先週からイサクの花嫁探しのメッセージをしています。この中にはたくさんの学ぶことがあり、ストーリーにも興味深いものがあります。息子イサクは母サラを亡くし、年は40歳、しかし、カナンの地では息子にふさわしい娘が見つかりませんでした。イサクは神の御計画を継承するただ一人の息子です。カナンの娘たちはふさわしくありませんでした。なぜなら、カナンには土着の偶像(バアル、アシタロテ、ケモシ、モレクなど)が浸透していました。偶像礼拝の習慣を持った娘たちをめとると、アブラハム家に神の忌み嫌われる偶像礼拝の習慣がその娘を通して侵入してくるからです。アブラハムの神は天と地を創造された、まことの神で、目に見えない神でした。神はアブラハムとその子孫にカナンの全土を所有させると永遠の契約をされたのです。その神の計画はアブラハム家の子孫を通して成就されていきます。(現在も永遠の契約の中に入っています。ですから、紀元70年から約2000年の流浪の末、カナンの地を再びユダヤ人に返し、イスラエルの国を復興させてくださったのです。)神はアブラハムをウルの地から呼び出し、カナンの地を受け継ぐ器とし、その神ご自身がアブラハムの神となられたのです。ですから、この嫁探しというのは真実の神に仕える大変重要な出来事でした。アブラハムは息子の嫁探しを僕たちの中でも一番信頼している最年長のしもべに託しました。僕はアブラハムの命令に従って、彼の故郷のウルの国(イラク)に旅立ち、そこで、親類の娘と出会いました。その娘の名はナホルの妻ミルカの子でベトエルの娘、リベカでした。ナホルはアブラハムの弟です。
1.僕はリベカと家族の説得する
井戸のそばでアブラハムのしもべと出会ったリベカは、走って家に帰り、母の家の者に井戸のそばで親戚の人に出会ったことを伝えました。そうすると、リベカの兄ラバンがそのことを聞いて、とても興味を持ちました。それはリベカが高価な飾り物をしていたからです。アブラハムの僕はリベカに金の鼻の飾り輪と金の腕輪を送って、その場で鼻と腕につけてあげていたからです。ラバンはその高価な贈り物に心が引かれました。そして僕の所に走って行ったのです。そして泉のほとりにラクダと一緒に立っている年老いたアブラハムの僕を見つけました。そして、言いました。「良くいらっしゃいました。主に祝福されたお方。どうぞ、外に立っていないで、中に入ってください。私たちの家にはあなたたちの為の部屋も、ラクダの為の場所も用意してあります。」
それで僕(しもべ)は家の中に入りました。ラクダの上にあった荷物は解かれて、ラクダにはわらとえさが与えられました。それから、僕の足と従者たちの足を洗う水も与えられました。お客は荒野を長い間旅をしてきたので、足はほこりまみれになっています。ですから、お客をもてなすとき、まず、足を洗う水を差しだし、歓迎します。それから、手を洗う水も当然だされたと思います。なぜなら、彼らの前に食事が出されたからです。ユダヤ人は食事をする前には、必ず清めの儀式として、手を洗います。この手を洗う習慣によって、多くの伝染病から守られてきました。
目の前に食事が出されました。お腹もすいている夕暮れ時のことです。皆さんだったら、どうしますか。日本人だったら、まず食べてから、商談に入りますね。ところがこの僕は食事に手をつけませんでした。彼の頭の中は今までの神の導きの素晴らしさに感動し、食事よりも花嫁のことを先に確かめ、神様の導きの確かさを、本当に知りたいと願っていたのです。彼の心は躍っていました。
「私の用事を話すまでは食事をいただきません。聞いてくださいますか。」と言ったのです。すると、ラバンの家の人たちは「どうぞ、お話しください。」と言いました。それから、僕は話し始めました。
ストーリー
(創世記24:34~49)
24:34 彼は言った。「私はアブラハムのしもべです。24:35 【主】は私の主人を大いに祝福されましたので、主人は富んでおります。主は羊や牛、銀や金、男女の奴隷、らくだやろばをお与えになりました。24:36 私の主人の妻サラは、年をとってから、ひとりの男の子を主人に産み、主人はこの子に自分の全財産を譲っておられます。24:37 私の主人は私に誓わせて、こう申しました。『私が住んでいるこの土地のカナン人の娘を私の息子の妻にめとってはならない。24:38 あなたは私の父の家、私の親族のところへ行って、私の息子のために妻を迎えなくてはならない。』24:39 そこで私は主人に申しました。『もしかすると、その女の人は私について来ないかもしれません。』24:40 すると主人は答えました。『私は主の前を歩んできた。その【主】が御使いをあなたといっしょに遣わし、あなたの旅を成功させてくださる。あなたは、私の親族、私の父の家族から、私の息子のために妻を迎えなければならない。24:41 次のようなときは、あなたは私の誓いから解かれる。あなたが私の親族のところに行き、もしも彼らがあなたに娘を与えない場合、そのとき、あなたは私の誓いから解かれる。』24:42 きょう、私は泉のところに来て申しました。『私の主人アブラハムの神、【主】よ。私がここまで来た旅を、もしあなたが成功させてくださるのなら、 24:43 ご覧ください。私は泉のほとりに立っています。おとめが水を汲みに出て来たなら、私は、あなたの水がめから少し水を飲ませてください、と言います。 24:44 その人が私に、「どうぞお飲みください。私はあなたのらくだにも水を汲んであげましょう」と言ったなら、その人こそ、【主】が私の主人の息子のために定められた妻でありますように。』
24:45 私が心の中で話し終わらないうちに、どうです、リベカさんが水がめを肩に載せて出て来て、泉のところに降りて行き、水を汲みました。それで私が『どうか水を飲ませてください』と言うと、 24:46 急いで水がめを降ろし、『お飲みください。あなたのらくだにも水を飲ませましょう』と言われたので、私は飲みました。らくだにも水を飲ませてくださいました。 24:47 私が尋ねて、『あなたはどなたの娘さんですか』と言いますと、『ミルカがナホルに産んだ子ベトエルの娘です』と答えられました。そこで私は彼女の鼻に飾り輪をつけ、彼女の腕に腕輪をはめました。24:48 そうして私はひざまずき、【主】を礼拝し、私の主人アブラハムの神、【主】を賛美しました。主は私の主人の兄弟の娘を、主人の息子にめとるために、私を正しい道に導いてくださったのです。24:49 それで今、あなたがたが私の主人に、恵みとまこととを施してくださるのなら、私にそう言ってください。そうでなければ、そうでないと私に言ってください。それによって、私は右か左に向かうことになるでしょう。」
僕はアブラハムの弟であるナホルの子ベトエルとリベカの兄であるラバンとを相手に一生懸命に話はじめました。
彼はアブラハムの僕であることを紹介しました。自分の名前も出していません。完全にアブラハムの代理を務めています。そして、もう一つはアブラハムの神をほめたたえています。「アブラハムの神はアブラハムを祝福されました」と言っています。「神が祝福されたので、ナホルの兄のアブラハムは富んでいます。大金持ちです。」と紹介しています。彼は花嫁として送り出す親の気持ちになって話しています。子供に幸せになってほしいと思うのはどこの親も一緒です。その時、お金の苦労はさせたくないというのも親としては当然です。ラバンにとっては妹の結婚相手が金持ちであるかどうかは大切なことだったのではないかと思います。しかし、この僕はお金のことではなく、神の祝福について語っています。神の祝福の物語をベトエル達に語っているのです。ここまで、導いてくださったのは神様であることを強調しているのです。また、アブラハムとその息子イサクはあなた方の親類であることも強調しています。それは、リベカを寂しがらせないためです。そのためにリベカとの出会いを、感動をこめて語っているのです。聞いている方も、「そうか、神様の導きか。だったら、リベカを遠いカナンの地にお嫁に出すことにも賛成しよう。それがリベカにとっても良いことに違いない。」と確信を持つようになりました。そしてついにリベカをイサクの嫁にする決心をしました。二人は「これは主から出たことです。ですから、どうぞ、リベカを連れて行ってください。」と言いました。
彼らの言葉を聞いて、僕はまず、地にひれ伏して、主を礼拝しました。それから、彼は銀や金の品物や衣装を取り出してリベカに与えました。それから、リベカの母親や兄であるラバンにも高価な贈り物が与えられました。父ベトエルにはもっと高価な結納金が渡されたことと思います。そして、無事にリベカをイサクの花嫁としていただく話が決まりました。
この僕が新しい人間関係を作るためにふんだんに活用した物は何でしょうか。「愛を伝える5つの方法」があると言われています。愛を上手に伝えるなら、良い人間関係ができます。
その5つの方法とは次の方法です。(まず、相手の好みを知る、5つのうちのどれに価値観を置いている人かを知って、その人に合う方法で愛を伝える。)
1.肯定的な言葉をかける。(励まし、慰め)
2.時間を共に過ごす。
3.贈り物
4.献身的な行い(サービスをする)
5.スキンシップ(身体的な接触)
この僕は贈り物をふんだんに使いました。ここではきっと中東の結婚観に基づく贈り物のやり取りがあったと思われます。もう一つのことは「僕が神に祈ったこと」です。人間関係を祝福してくださる方はイエス様です。十字架は関係を象徴しています。縦軸は神と私たち、横軸は私たちクリスチャンのつながりです。ネットワークです。
僕は花嫁のことが決まると食事をいただきました。これは花嫁をいただいたという契約にもなります。そして泊りました。
2.リベカの決断
翌朝になって、ベトエル達が起きると、その僕は、「私の主人の所へ帰してください。」と言いました。すると、リベカの母や兄は「もう10日間ほど、私たちと一緒に居させてください。それから後でもいいではないでしょうか。」と言い出しました。僕はここで引き下がらないで、言いました。「私の旅を主が成功させてくださいました。このことを早く主人に知らせたいのです。だから帰してください。」と言いました。早く主人に報告したいということも本音でしょうがリベカの心や両親の気が変わらない前に連れて行きたいというのが本音だったのかもしれません。
両親はリベカを呼んで、彼女の気持ちを聞いてみました。「この人と一緒に行くか。」と尋ねました。すると彼女は「はい。まいります。」と答えました。そこで、彼らは、妹のリベカに乳母と召使たちをつけて送り出しました。アブラハムの僕たちはリベカを連れてカナンに向かって旅立ちました。その時、彼らはリベカを祝福して祈って送りだしたのです。
その時の祝福の言葉がいく千万にも子孫が増えるようにという言葉でした。私はこの言葉が阿南教会を指して言っておられるような気がしました。阿南は祝福されるのです。
創世記24:60
「彼らはリベカを祝福して言った。『われらの妹よ。あなたは幾千万にもふえるように。そして、あなたの子孫は敵の門を勝ち取るように。』」
これはかってアブラハムに主が告げられたことと一致しています。
(創世記22:17)
「わたしは確かにあなたを大いに祝福し、あなたの子孫を、空の星、海辺の砂のように数多く増し加えよう。そしてあなたの子孫は、その敵の門を勝ち取るであろう。」
リベカもまた主を愛する敬虔な賢い美しい人でした。アブラハムをウルの国から連れ出された神は、同じようにリベカを召してウルの国からカナンの地、今のイスラエルの国へと導かれたのです。新しい地に踏み出すことは勇気のいることでした。しかし、僕の証を聞いて神の導きを確信したのです。リベカは乳母と侍女たちを連れて嫁入りをしました。リベカの家もアブラハムに負けず、立派な家であることを示すものでした。
3.イサクとリベカの出会い
僕と従者たちはリベカと乳母と侍女たちを連れてカナンの地へ出発しました。そして約1ヶ月後のことです。イサクは夕暮れの散歩に出かけました。彼が目を上げるとラクダの一行が近づいてきました。リベカもイサクを遠くから見つけました。リベカはラクダから降りて、「あの方は誰ですか」と尋ねました。すると、「あの方が私たちの主人であるイサク様です。」と答えました。リベカは急いでベールを取って身をおおい、イサクに尊敬をこめた挨拶をします。僕は神がなしてくださったことや自分のしたことなどをすべて伝えました。イサクはリベカを母サラの天幕に連れて行き、リベカと結婚しました。イサクはリベカを愛しました。リベカはイサクにとって神様からの贈り物でした。イサクは母を亡くした悲しみからやっと救われました。その時イサクは40歳でした。素晴らしいお嫁さんを授けてくださったのです。結婚のことで悩んでいる人がいるかもしれません。でも、神様はあなたのことを覚えて、よき伴侶を用意してくださいます。なお、続けて祈り、出て行って、探しましょう。祈り続けると、出会った時、その人があなたにふさわしい伴侶であるかどうかを見分けることができます。
4.適応
この花嫁探しには絶えず神の導きがありました。それはしもべが神様中心の人であり、彼の祈りを通して一つ一つ導かれて行きました。アブラハムはしもべに大事な息子の花嫁探しを一任し、ウルの国(イラク)まで、派遣したのです。派遣された僕は忠実にその使命をやり遂げました。私たちにも神様から託された使命があります。どんなことが任されていますか。この僕は初めて出会ったリベカやリベカの家族と新しい人間関係を作り上げました。どのようにして築き上げていったのでしょうか。
それから、花嫁をめとるという商談が成立した後、そこで時間をどのように使いましたか。何日も留まってゆっくり旅の疲れをいやしましたか。ゆっくりしていたら、誘惑にあったかもしれませんし、家族の心変りもあったかもしれません。彼の優先順位は何だったのでしょうか。早く花嫁を連れて帰ることでした。私たちも祈って優先順位を神様に教えていただきながら、生活をしましょう。