逃げる亀

近所の小川にコンクリートの飾りがあるのですが、そのうえで亀が甲羅干しをしていました。
大きい亀から、小さな亀まで計4匹も甲羅を干しています。
今日は、久々の夏日で、じりじりと焼けつくような日差しに、日傘をさす私もある意味、甲羅干しのような気持になります。

小川で甲羅干しをしている4匹の亀をじっと見ていたら、一番小さな亀がものすごい速さで小川の中に逃げ込んでいきました。
「・・・」の気持ちです。
ただ、ボーっと亀を見ていただけなのに警戒されるとは。
きっと、私が亀に意地悪する人間と思われたのかもしれません。
まあ、人相もそれほどいいとは言えないので、亀の判断も正しかったのでしょう。

ちょっと気を取り直して、小川の道を歩いていると、鳩が無造作に歩いています。
なんか、鳩にまで逃げられたら、「気持ち的に落ち込みそう。」と、鳩を避けて通ることにしました。
鳩も、「こいつなら危険はない。」と、思ったのでしょう。
首を前後に振りながら、前を横切ったり、道の端の陰に入ったりします。
「私は、人畜無害なのよ。」と、声を大にして言いたいのです。
鳩にまで気を遣う優しい人を演じ、汗だらだらで家路に着きました。

「それにしても、あの亀、ものすごい臆病なんじゃない？」と、独り言になって口から出てきます。
亀にまで気を遣う素晴らしい人になれたら。と思うんですが、まだまだ修行が足りないのかもしれません。