くじかれた決意

 居間に新しいソファを買ったので、それまで使っていたのを別の部屋へ移さなければならなかった。
 二人掛けのソファで、二階から一階に降ろしたのだけれど、非常に疲れた。途中で何度か休憩し、目的の部屋についた頃には、腕がしびれてもうそれ以上は持ち上げられず、「腕が言うことを聞かない」というのはこういうことかと思った。そして、危機感を感じた。
 普段から運動不足ではあるけれど、これではあまりにも腕の力がなさすぎる。もしも、リポビタンDの「ファイトォーッ!一発!」のような場面に陥ってしまった場合、相手の人を助けられないではないか。
 というような思考の過程を説明して、これからは腕力がつくような筋トレをすることにした、という決意を夫に話したら、ボソッと一言、「映画『クリフハンガー』で、スタローンも恋人を落としちゃったからなぁ」
 スタローンでもダメなんだから、この私がいくら鍛えても無理ではないか。さっそくやる気がなくなった。

(実物のふくちゃんは、腹筋割れてません。たるんでます)
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猫と赤ちゃん

 もうすぐ生後6ヶ月になる次男は、近ごろ猫に興味があるらしくて、よくみゆちゃんやふくちゃんを目で追いかけている。ときどき、猫たちの動作のなにかが赤ちゃんの気に入るのだろう、にこにこ笑う。次男を左手で抱っこしながら、右手で猫じゃらしを動かしてみゆちゃんふくちゃんを遊ばせると、その様子をじっと見つめている。この遊びは猫も赤ちゃんも喜ぶので一石二鳥である。
 赤ちゃんの視線を感じるのか、みゆちゃんも次男の顔に鼻をくっつけて挨拶しに来てくれるようになったので、これでみゆちゃんもニューカマーを認めてやきもちを妬くのをやめてくれないかしらと思うけれど、相変わらず、次男を抱っこしてると、ベビーベッドのシーツをくしゃくしゃに荒らしに来る。
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Fの悲劇

珍しく、学習したとおもったら…
ふくちゃん、ついてな~い。
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トラ猫風…

 ふくちゃんに引っかかれた。手や足を引っかかれることは日常茶飯事であるけれど、今回は、顔をやられた。もちろん、今回も、普段手足を引っかかれるのも、ふくちゃんは悪気があってやるわけではない。ただおっちょこちょいなのである。
 昨夜、子供たちも寝てしまったので、居間のソファで休んでいたら、ふくちゃんがごろごろいいながらやってきた。ふくちゃんは甘えん坊で、このところいつもごろごろいっている。ソファの肘掛から背もたれの上へ登ってきたので、私は背もたれに頭を持たせかけたまま、片手でふくちゃんをなでていたのだけれど、そこでふくちゃんが足を滑らせてしまった。
 バランスを失ったふくちゃんが、慌ててつかんだのが私の顔だったのである。頭の後ろから、両手でがばっとつかんで爪を立てたが、かいなく、ソファのうしろへ落っこちていった。
 結果、トラ猫やキジ猫が目じりから頬っぺたにかけてつけている模様のような傷が、顔の右側にできた。
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モデルみゆちゃん

 みゆちゃんはよく私の机に上がってくる。パソコンのディスプレイの前でこちらを向いて座って、眠そうな目をしている。ときにはペンタブレットの上に座るから、全然作業ができないけれど、可愛いから仕方がない。
 はじめのうちは、机の上へ来るのは私のことが好きだからだと思って喜んでいたのだが、そうではなくて、どうやらおやつが目当てで来るようであるとわかって、妙に納得した。
 おやつのカリカリとマタタビの入っている一番上の引き出しを、ちらちらと横目で見ている。そこでおやつを出してあげると、さっさと食べて、もう用はないという顔をして降りていってしまう。
 たまに意地悪して、みゆちゃんが来ても「何か御用」などと言ってとぼけておやつを出さないでいると、しばらく座り込みをしてから、あきらめて向こうへ行ってしまう。
 それがこの前は少し様子が違っていて、おやつを催促する様でもないし、カリカリを出さないのに向こうへ行ってしまうこともない。ただじっと座っている。
 何となくポーズを取って待っているようで、私がよく赤ちゃんをスケッチしているから、自分も描いてほしいと思っているじゃないかという気がした。もちろん猫がスケッチしてほしいとは考えないだろうけど、スケッチするためには対象物をじっと見つめるから、その、自分に注目する視線がほしいのだろうと思う。
 町田康氏の「猫にかまけて」の中に、猫のゲンゾーが、町田さんの読んでいる新聞の上に座り込むというエピソードがある。「猫にかまけて」を読んだのはだいぶ昔で、本も今手元にないから、記憶が間違っていたら申し訳ないけれど、町田さんは、ゲンゾーの「邪魔邪魔」行為の理由を、新聞に向いている人間の視線を自分が浴びたいと思っているのだ、というように説明していたように思う。
 みゆちゃんもそうなのだろう。おかげで、三角の耳から体の横にくるりと行儀よく巻きつけたしっぽまで、描くことができた。
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猫のお引越し、おまけ

 引越しの話のときに書こうと思って忘れていたのだけれど、引越し屋さんが家具を動かしたら下からいろんなものが出てきた。ビニタイ、どんぐり、ビー玉、ネズミのおもちゃ。どこを探しても見つからなかった水色のクレヨンも。
 冷蔵庫のキャスターを転がそうとしたが動かないので、引越しスタッフの人が「下に何かがいっぱい詰まっているから、滑りませんね」と言って、仕方がないので二人がかりで持ち上げると、やっぱり上に書いたようなものと、そのほかにマグネットがたくさん出てきた。
 冷蔵庫の扉にくっつけておいた小さな丸いマグネットで、確か最初は20個ほどあったはずなのに、いつのまにか数個だけになっていて、いったいどこへいったのかしらと思っていたのだった。
 それでそれらを拾い集めて、新しい場所に移った冷蔵庫の扉にくっつけておいたのだけれど、もう既に半分以下になっている。もちろん、犯人は誰だかわかっている。
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