それは、ある日の夕方の出来事。
二人の子どもを入浴させようと、例によって焦っている私。
特にその日は夏坊がお昼寝していなかったので、早く寝かしつけないと、明日の幼稚園にさわりがある。
早く寝かせるには、早くおふろにいれて、早く夕食をすませないと・・。
という思いを胸に声をかけても、冬坊は遊びに夢中。
幸い、数回目の呼びかけで夏坊が反応して、珍しく自分からおふろ場にダッシュした。
はいる気まんまんで洗い場におりる夏坊。
まあいいか、二人一緒じゃなくても。この際、一人だけでも先にいれちゃおう。
「ぼく、おふろはいる!」
「えらいな~、夏坊! おにいちゃんは来ないのに、ちゃーんと一人でおふろ場に来たね」
「ぼく、ぼくはおふろにはいります、って、かみにかく!」
え??
だって、もう洗い場におりていて、おふろのふたも開けてるんですよ? まだ服は脱いでないけど・・・(はだかで戻っていくことも、多々あり)
耳を疑う母をよそに、居間に走ってゆく夏坊。
マジック片手にカレンダーの裏紙を取り出し、床に広げて、
「ぼ、く、は、お、ふ、ろ、に、は、い、り、ま、す」
呟きながら書こうとするけど、当然、3歳児は字なんてろくに書けませーん。
「ぼ」
ヨロヨロ~っとマジック動かし、
「あれ・・・?」
仕方なく、「あいうえお表」を出してあげる母。
さっさと風呂場に戻らんかい。
そう叫びたいところだけど、ここで夏坊が機嫌を損ねて入浴する気をなくしてしまったら、元も子もない。耐えるのよ、koma!
でも、夏坊が書こうとしている文章、長いんですけど・・・。
ようやく書き終わって、再度おふろ場に向かう二人。
すると今度は、冬坊もいっしょについてきた。
シャワーをじゃーじゃー出して、遊び始める夏坊。でも、冬坊もシャワーで遊びたい。
兄の権限により、弟からシャワーヘッドをぶんどる。
「ギャーっ!!」(夏坊の泣き声)
「冬坊! 返してあげなさい!」
「・・・・・」(冬坊、無言の抵抗)
「ほら、早く。ちょっとでいいから!」
「・・・・・」
「おふろ、はいらない。でるでる~っ!!」(夏坊のわめき声)
「あーもう、わかった。今日はおふろ、なし!」
・・・・・入浴、3分で終了。
ここに至るまでの所要時間、30分。
しかも、おしりすら洗えずに終わったって・・・。
いったい何なの、この30分!?
おわり。書いてみると、マンガみたいで面白い
ですね。当日はかなりアタマにきましたが(笑)
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